音を置き去りに

なんだかシャキッとしない9月。うだるような暑さはいつの間にかどこかに行ってしまって、夜は少し涼しい。とか思ってるけど気温を見ると普通に30℃とかなの、いよいよ感覚がおかしくなってきてると感じる。
小学校の夏休みの記憶にある気温はちょうど今くらいで、9月に入ったらもう秋の匂いがしてきてるはずなのに昨今の夏はまだまだアディショナルタイムが長い。

でもやっぱり8月が終わるといよいよ夏も終わり、という感じになってくる。気温とか色々を考えると別にまだまだ暑いのだけれど、気持ちの中ではもう完全に夏は終わっている。
かと言って、今の時期を「秋」と呼ぶには少し暑すぎる。だから今は夏と秋の中間に位置する「夏の終わり」みたいな季節だなと毎年思う。これから「夏」は4つくらいに分けた方がいいね。「初夏」「真夏」「灼熱」「余熱」みたいな感じで。

そんなわけで我々は今「余熱」の真っ只中なのだけれど、どうにも調子が上がらない今週。先週までならなんとか「ライブの燃え尽き症候群」みたいな言い訳ができたのだけれど、今週もまだやる気が出ないのをライブのせいにしちゃいけない。
毎週毎週「いやー、今週が山場だ」みたいに思って怠けていてばかりでよくない。自分が持っているエネルギー容量の配分が上手くいかない。意思が弱すぎ〜!頑張ります。

あと数日でライブから2週間が経って、配信の精算とかも終わるのでようやく本当の終わりを迎える感じ。そしたらどうしよう!たくさんやりたいことがあるのに中々腰が重い。次の曲にとりかかる前に、まだまだやりたいことがたくさんある。
毎回思うけど、作曲の時の脳みそと、ギタリストとして練習する時の脳みそと、セッションでソロを弾く時の脳みそと、全部違う。「ギターを弾く」という行為は全部同じなんだけど、使っている頭の部分が違うからなんとも切り替えるのが難しい。
これ、世の中のギタリストはどうやってるの…?純粋に疑問です。

何度もライブの話をして悪いけど、世の中のバンドは本当にすごい。尊くて、奇跡だ。月に何本もライブをやることの大変さとか、日々の生活とか、それでも音楽を続けていることは純粋に美しいと思う。
どんなに御託を並べても、作ったり演奏したり人前に出たりすることに優るものはあんまりないね。無論、ビジネスとしての音楽と、それ以外の音楽と、色んな視点があるから何かを言い切ることはできないけど、美しさが存在するということだけはきっと確かだ。

6月にバンドを抜けてから、共演者としてではなくお客さんとして色んなライブに出入りするようになった。「めちゃくちゃいい日だね」と思う日もあれば「これは行かなくてよかったライブだな」と思う日もある。
友達が出てたりすると無条件に楽しい日になってしまうのでなんとも言えないけど。

話を戻して、もうあっという間に9月で、9月の歌だと思って作った”Leftovers”をリリースしたのがもうだいぶ昔だと思い出して驚く。もうすぐで1stアルバムをリリースしてから2年。あっという間でもあったし、同時にもっとずっと昔から活動していたような気もする。
不思議なもので、色んなことが変わったような見えて意外と根本は同じところにある。居場所を探してたどり着いた場所もいつの間にか変わってしまって、また新しい隠れ家を探している。

今はまだもう少し修行の期間。感謝の正拳突きで音を置き去りにできるように日々鍛錬。がんばっていこう!

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