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メキシコ留学 初めての日曜日

 25日土曜日に、1週間ほど滞在したホテルを出て、決めた家に引っ越しし、メキシコに来て初めての日曜日を迎えました。私はコヨアカンという歴史的な地区に住むことになりました。家賃は月に33000円ほどで、自分専用のシャワーとトイレが2階の部屋の横にあって快適です。1階のキッチンも大きく、道具がなんでもそろっています。冷蔵庫は2つあって、1つは自由に使っていいよと言われました。家が広く、部屋数も多いので、家族との距離感もちょうどいいです。おばあちゃんのMさんと、その息子さんLさんと暮らします(スペイン人の眼医者さんの留学生の方もいますが、8月で帰るそうです)。Lさんはエンジニアで、2人の娘さんのお父さんです。日曜日、Lさんが休みだったので、梨とベリーたっぷりのヨーグルト、大きなオムレツ、チョコラテ(牛乳に粉末を入れたもの)を作ってくれました。とても優しく、ゆっくり話してくれます。自己紹介をして、少し会話した後、一人で家の近くのフリーダ・カーロの博物館へ行くことにしました。フリーダ・カーロはメキシコを代表する芸術家です。ディズニー映画リメンバー・ミーにも登場していました。旦那さんはディエゴ・リベラで、夫婦ともに芸術家です。博物館は、フリーダの生家だそうです。外観も中身もとても鮮やかな色遣いで素敵でした。また、作品が絵画だけでなく、陶器、服など多岐にわたっていて、本当に芸術肌だったんだなと思いました。解説ビデオのところで、「フリーダは服の製作に力を入れていて、メキシコの先住民女性すべてを代表するくらい、各地の様々な服の伝統を取り入れた」と言っていたのが印象的でした。すごい人なんだなあ、もっと知りたいと思いました。

 日曜日だったため、博物館は外国人や、国内の他の地域から来た観光客でいっぱいでした。1時間半は並んだかもしれません。並んでいる最中、一人のスピーカーを持った、おそらく歌手の女性と、その付き添いの女性二人が、警備員の人に路上で歌っていいどうか交渉していました。警備員の人は、ここは禁止されてるから駄目だよ、と止めていたのですが、列に並んでいた人たちが、「聴きたい!聴きたい!歌って!」と叫び始めました。するとそれが周りに広がり、私も含め、みんなが聴きたい!と大声で唱えました。さすがに警備員の人も折れて、彼女は歌えることになりました。「これは私が生まれた地域の歌です」と言うと、力強い声で、哀愁漂う歌を歌い始めました。本当に上手でしたし、マイクなしの生声で、日本でもなかなか聴けないタイプの歌だなと思いました。なんだか演じる側と聴く側の「歌いたい」「聴きたい」という需要が一致して、規則を破る、乗り越える瞬間が見れて、あったかい気持ちになりました。こういうのいいな~、メキシコいいな~と思いました。

 博物館に行くまでの道、帰り道もとても楽しかったです。コヨアカン自体が古い街なので、昔ながらの建築が残っているのが良いです。公園を通ると、画家さんたちが絵を売っていました。それらがなかなかうまくて、ほしくなってしまうようなものばかりなのです。どこから集まった画家さんかはわからないけど、若い人からおじいちゃんまで、いろんな人が自分オリジナルの作品を売っていました。楽器隊が公園の真ん中で音楽を奏でていました。他の公園に行くと、「母を訪ねて三千里」に出ていたような、ハンドルを回して音が出る箱を持ったおじちゃん、選挙演説の人、それを聞く人、メキシコの演歌みたいなのをステージで歌ってる人、それを聴いてる人、チュロスを売る人、ベンチで座る人など、いろんな人がいて見ているだけで楽しかった。もう少し歩けば、おしゃれなカフェ、メキシコ料理屋さん、市場もありました。市場は広くて、肉、魚、野菜、フルーツジュース、タコス屋さん、その他日用品もろもろなんでもそろっていて、わくわくしました。野菜を買おうかと思ったけどお金が全然なかったので、その日は見るだけにしました。そのほかにも、歩いていくと日曜は無料開放の博物館・美術館があって中に入ってみたら、音楽が聴こえてきて、メキシコの伝統音楽のコンサートみたいなものをやっていたりもしました。何もしなていなくても何か提供してくれる人がいるからあきないです。

 一回家に帰ったら疲れてしまって、しばらく休憩し、洗濯をし、(家の外に洗濯スペースがあります)近くのスーパーへ買い物に行き、にんじん、玉ねぎ、アボカド、トマト、鶏むね肉、コンソメ、シャンプー、リンス、石鹸を買って(全部で3000円くらいで、結構高くなりました)、風呂に入って寝ました。歩いた歩数は8000歩くらいでしたが、標高が高いからか、夕方くらいにものすごく疲れが出てきて、だんだん一歩一歩が一生懸命になります。一個一個の動作も必死になってきます。でも、その分夜はぐっすり眠れます。

そういうわけで、よい日曜日でした。

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