【小説】偽幸の追求:「覚醒」part1


3年が経ち高校に入った
私は全てを観ていた

「おい、今度は誰にする?」
「いやー誰でもいいけどよ
 あいつとかいいんじゃね」
「あー〈ーー〉ねー」
「あいつはリアクションがイマイチだからなぁ」
「オサムっちは誰がいいと思う?」
「俺は正直鳴けばなんでもいいよ」
「お前性格わっっる」
「そんな褒めんなって
 おら!!」
「いっっっ、やめて!
 えん…どうく
 うっっ」

笑いと悲鳴が絶えない
ごくごく普通の高校の風景
スクールカースト
そんな生優しいもんじゃない

呼び鈴と共に
速やかに教室は整う

「日直、挨拶ーー」
「きりーつ」
「れい」
『よろしくおねがいします』
「ちゃくせーき」

「お前らー、元気ないけど大丈夫か??」
「糸井田せんせー大丈夫っすよ
 この通り元気なんで」
「おう…そうだな
 とりあえず教科書43ページ
 昨日の続きからだな
 アメリカ独立からやってくぞー」


「ふぅ、今日の授業はここまでにしとくか
 来週は資料集を忘れない様にな」

『ありがとーございましたー』

1人の生徒がそっと出て行った先生を追いかける 

「先生……相談というか……悩みがあって」
「おう!どうした
 先生で良かったらなんでも聞くぞ」
「あの…いじめというか
 僕もう耐え切れないです」
「いじめか…やってるのは遠藤治か?」
「はい…オサム君です」
「やっぱりな
 他の人からも遠藤の仕打ちは聞いている。
 先生に任せなさい、どうにかします」


来月クラスメイトが1人減った

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