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中の人はこんな人。

気がついてたら絵を描いてた人。

 物心ついた時には絵を描いてた記憶のある人です。
 四歳前後の未就学児時代、姉のピアノレッスンが終わるのを待っていた時間に、母から紙と鉛筆を渡されて、窓から見える車や自分の着ていたカーディガンを写生していたのが、絵を描いていた最初の記憶です。
 その後、紆余曲折あっても、成人も随分超えた今もイラストやデザインをしています。
 しんどいなぁ、やだなぁ、と思う時もあったのに、結局絵を描いたりデザインしたりを細々とやり続けてた、そういう人です。

思考の方向性は「欲しい」より「作れるかな」。

 素敵なものを見つけると「アレ欲しいな!」よりも「アレ私にも作れる?」と考えてしまう人です。
 なので、絵やイラスト以外でも、染め物してみたり、縫い物してみたり、レザクラしてみたり、ビーズワークしてみたり、多肉植物育ててみたり、まあまあ取り敢えずなんにでも手を出している人です。
 そしてそれらの素材が、部屋に溢れていて、ちょっと困っている人です。

多分その思考になるのは家族のせい。

 父は作れるものは何でも自分で作っちゃう人。顔立ちも性格も父に似てるので、ルーツは間違いなくこの人。ラジコンを組み立て、盆栽や蘭を育てていたかと思えば、プログラム制作してみたり、気がついたらカメラ抱えて山登りと、まあ何にでも手を出す。母が「こういう道具欲しい!」と言ったら、見様見真似で作ってしまう謎の人。
 母は子育てが一段落終わった途端、念願のお茶とお花と着付けを始め、師範代まで資格を取得するような人。お能を勉強し始めた矢先に体調を崩して前述の習い事ができなくなった途端、レザークラフトを勉強し始めて、今では実家にレザー用ミシンから漉き機まで一揃ある、行動力の塊のような人。そして最後までやりきる人。そこが一番似たかった(そして似なかった)。
 姉はピアノが上手で音楽が好き、かと思えばバイオリンに手を出し、漫画絵は私より上手く、編み物も刺繍もします。最近は薔薇の育成に力を注いでいて、実家に戻ったら庭が薔薇だらけになってて仰天しました。
 なんというか、家族全員が何かを作ったり育てたりが大好きで、そして一緒に作ったり、習ったり、育てたりしてました。手伝わされたとも言います(笑)。そんな人達だからか、絵を描くのが好きだと早々に理解して貰えて、見守って貰えたのも大きいと思います。

でも、作るのが嫌な時期もありました。

 仕事でも制作系に就いていまして、Web制作&管理、名刺やパッケージデザインなどの紙小物、フリーペーパーの制作、カメラマン代わりに物撮りやモデル撮影をしたこともあります。
 何故かサーバーのメンテナンスやPCのセットアップ作業まで自分の仕事になってたりしました。
 まぁ、中小企業にお勤めの人ならあるあるの、何でも屋状態です。
 存外どれも楽しんで仕事していた自覚があるのですが、ただ楽しむだけでは居られないのがお仕事ですよね。
 まぁまぁいろいろありまして、2021年に色んな物事をリセットしなくては行けないことになりました。
 実は人生三度目くらいの「絵を描きたくない、デザインしたくない」状態が発生していたのですが、この状態に何故なったかを一言で言うと「人に言われて作り続けてるのが辛い」と言うことでした。
 しかし辛いと言ってもそれらを捨てると自分って何も残らないよなと、結構悩みました。でも仕事としてできる気がしない。

色々作るけど、一番好きなのは印刷された紙物。

 そんな時に創作に戻るキッカケになったのが「ジャンクジャーナル」でした。過去の印刷物を分解して、新しい印刷物を継ぎ足して、何だったら自分で書き足して、そして冊子の形に仕立てていく。物凄く自由だなって。
 最近にはあまり見ないデザインやイラストの印刷物が、物凄く新鮮に見えたことと、それらが再構築されて冊子の形になること。それが物凄く楽しい。
 それで思い出したのが、中学生の頃。
 友人と一緒に初めてコピー本を作ったんです。漫画描いて、両面印刷をして、面付け頑張って、中綴じ本に仕立てました。
 全部手作り。それがめちゃくちゃ楽しかった。
 それから、やっぱりコピー機で印刷した便箋。袋詰めまでして商品ぽくなるのが楽しかった。
 今まで色々制作してきたけれど、それが一番好きで楽しくて、そして原点だったなと思い出しました。

中の人は、自分の為のデザインをしたい人。

 今はまだまだリハビリ中ですが、少しずつ人にお願いされたお仕事ができるようになってきています。生きるに必要なので、出来るようになってきてホッとしています。
 その反面、自分のためのデザインをし続ける余裕を持っていたいと強く思うようになりました。
 それが今制作している紙物アイテムです。
 手帳やコラージュ、ジャンクジャーナルを制作中に「こんなのがあったらいいのにな」と思った物を創作しています。
 最近はコラージュやジャンクジャーナルを放置してデザインしている時間の方が多いくらいです。
 それらを作るのに必要ならアナログで絵も描きますしソフトも使います(使いこなせてるとは言ってない)。印刷所ではお高くなりがちな裁断やミシン目、折れ線は自前でやることも辞さない。そもそも小ロット過ぎる時は印刷も自前です。当然袋詰もします。
 台紙デザインもして、商品みたいな形になった物を見るのが一番楽しいと最近気が付きました。恐らく、端から見たら気持ち悪いくらいにウットリしてると思います。
 妥協もダメ出しも自分の気持一つで作る物。
 他の人にも使って貰えたら嬉しいなと思っているけれど、そもそも自分の為のデザインなので、共感して貰える人が居なくてもまあ良いよね、そう思い込もうとしている、存外小心者な、そんな人です。

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