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歯磨き粉を使わなくても問題ない、と言われているのは知ってるけれど。

 今年に入って“ステイン”と言うモノが酷くなったように思う。
 以前から気にしてはいて、ここ数年こまめに歯医者へ通ってはクリーニングをして貰っている。

 ”ステイン“が何かと言えば、それは歯の着色汚れのこと。
 わかりやすいのはタバコのヤニ、それと珈琲やお茶、赤ワインやチョコレート、カレーなんかでも色が着くらしい。
 タバコは吸わないしお酒も殆ど飲まないが、それ以外は私の好物だ。

 うん、着色するね。

 特に今年は、暑さのせいで珈琲とお茶の消費が格段に増えている。
 先日歯医者でクリーニングをして貰ったというのに、一ヶ月も経たないうちに、前回のクリーニング前より茶色くなった。

 それに気がついた時の私の衝撃は如何ばかりか。

 三ヶ月間隔で通っているクリーニングまであと二ヶ月。
 この歯で生活しなくてはいけないだと……?

 悶々としながら二ヶ月を過ごし、やっと受けれたクリーニングにホッとする。
 ああ、やっと白い歯に!…………と思った次の日には、微かとはいえハッキリ判る“ステイン”を発見。
 発狂モノである。

 ところで私は、ここ数年液体ハミガキ、というモノだけで過ごしてきた。
 使い始めのきっかけは、ツレが親を知らない親知らずのせいで、盛大な虫歯を育成してしまい、真剣に歯の治療と向き合った結果、「これがオレが調べて見つけた最強の液体ハミガキ!」と言って購入してきたものだ。普通にドラッグストアで購入できる。

 この液体ハミガキの効能の一つに『歯を白くする』と書かれている。
 なんとこの紫色した液体は歯を白くしてくれるのだ。ならば研磨剤入りの歯磨き粉は不要だな、と当時の私は思った。

 実はその頃、たまたま「歯磨き粉には研磨剤が入っていて宜しくない」「フッ素が入っているから体に悪い」と喧伝されていた。
 詳しいことは各自ご自分で調べていただきたい。
 しかし、私の身近にロハス系の人が何人かいて、彼女たちは口を揃えて問題点を教えてくれた。
 正直「どうでも良いんだけど」と面倒くさがっていた私は、この液体ハミガキの出現に乗っかることにしたのだ。そう、
「私も歯磨き粉を使うの止めた〜」
と、言えるからだ。
 正直彼女たちが言う「体に悪い、宜しくない」という成分が、液体ハミガキの成分にも入っている気がしなくもない。しかしそこは目を瞑る。
 事実として「使うの止めた」と言えればそれで良いのだ。

 ところがである。
 気がつけば“ステイン”が目立つようになってきた気がする。
 加齢のせい?ホワイトニングでもした方が良い?
 念の為に歯磨き粉を追加してみるも、既についた“ステイン”は取れない。

 そんな折、私のまっすぐ生えた親思いの親知らずも問題を起こし始めた。
 私の歯の磨き方が悪かったのと、中途半端に治療を止めていた奥の虫歯が悪化したのだ。つまり親側が悪い。
 治療中断、ダメ、ゼッタイ。

 結局、奥歯一本の神経を抜いて虫歯を削り取り、被せ歯をつけることになり、その上可愛がっていた親知らずを二本とも抜くと言う、半年掛かりの治療を行う羽目になった。

 治療中断、ダメ、ゼッタイ。

 全ての治療をなんとか終えて、仕上げに歯のクリーニングをして貰うことに。
 なんと、“ステイン”が綺麗サッパリ消えてなくなったのである。
 凄い、歯のクリーニング!

 が、次のクリーニング、当時は二ヶ月に一回クリーニングをしていたのだけれど、その時には元通り。
 毎日ちゃんと歯を磨いているのに、糸ようじだって使っているのに、大抵二ヶ月経つと元通り茶色くなっているのだ。

 それでもまぁまぁ、気になり始める時期が、クリーニング周期と合致するので、それ程気にしていなかった。

 ところがである。
 今年に入って、信頼していた掛かり付けの歯医者さんが廃業され、新たに探した歯医者さんは、クリーニングの周期が三ヶ月に一回。
 そして、暑さの為に珈琲とお茶の飲む量が増加。
 結果、“ステイン”の付着期間と濃さが倍増することに。

 無理。この状態がずっと続くの無理。精神的に参る。

 そうして私は“ステイン”専用の歯磨き粉を、殺菌諸々が得意な液体ハミガキと併用して使うことにしたのです。

 研磨剤がなにさ!よく考えたら歯医者のクリーニングで研磨してるじゃない!
 フッ素が体に毒?それも私の自己責任なので!

 ストレス、ダメ!ゼッタイ!

 ありがたいことに、私の周囲にいた「歯磨き粉反対派」は、現在大人しくなっている。
 多分声高々に言うことに飽きたのだと思う。
 まぁ、現在流行しているロハス系思考の喧伝に変わっているだけとも言えなくはないけれど。
 なので、私が「実は歯磨き粉また使い始めて〜」なんて言い出さなければバレない。彼女たちに二周目の流行がこなければ。

 そんなわけで、私は今日も歯磨き粉を使うのだ。



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