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詳細記録|再発転移の発覚から転院の決意まで(2024.7.4〜16)

〈7月4日〉再発転移の発覚


MRIの結果、
舌の中央部と顎下に腫瘍のようなものが見えていて
それ以外にも小さく散在的に見えているとのこと。

細胞診の結果は、Ⅲ 疑陽性。

でも、健康な状態ならあり得ない細胞が
散在しているようで、"ほぼほぼ再発"との見解。

「短期間でこれだけ出てくるということは
それだけ悪性である可能性が高い」と。

(ちなみにMRIの造影剤で
人生初のアナフィラキシーショック重度を起こし
緊急入院した一騒動もあり、散々...!
ICU緊急入院で7万くらい自費かかり
ただでさえ収入のない中、地味に痛手!)


癌の標準治療は
①手術 ②放射線 ③抗がん剤。

今回、手術できないことはないが、
腫瘍の場所が悪く、切除する場合は
舌を全部と、顎下の重要な部分を切除するため
食事ができない、嚥下できない、発音できない
というような後遺症が生涯にわたってしまう。

"失うものが大きすぎる"ということで
放射線+少量の抗がん剤の提案をしてくれたのですが

放射線治療は、
治療中に口内が火傷状態になるのは勿論、
晩期障害と言われる恐ろしい副作用があり...
さらに、私の場合は散在性が見られるため
本当に頭頸部のみの放射線で事足りるかという
不安もありました。

ですが、主治医の話を聞くかぎり、
他の治療の選択肢はありませんでした。


治すために、
一時的に痛い思いや苦しい思いをするのは全然平気!!
痛みにはわりと強いほう!

でも、治ったあとに、
二次がんや重い後遺症が起きる可能性が恐ろしい!
そして、これ以上免疫低下して
体をボロボロにさせて起きる二次症状が恐ろしい!

そんな思いで、
他の医師の見立てや他の治療法はないのかどうか、
治療を急いだ方がいいという焦りを持ちつつも、
セカンドオピニオンに行くことを決めました。


〈7月8日〉セカンドオピニオン1件目

私が癌になったキッカケは
コロナになって免疫が大幅に低下し、
あらゆる不調続きの中で出来た口内炎。

だからこそ
"免疫を上げること"
が1番大切なのではと考えていました。

たくさん調べる中で行き着いた
"免疫療法"を行っているクリニックで
カウンセリングを受けました。

クリニックで私が受けた方針は、
免疫チェックポイント阻害薬
+少量の抗がん剤
+温熱療法
+水素吸入
で相乗効果を狙う治療。

免疫チェックポイント阻害薬とは、
免疫ががん細胞を攻撃する力を保つ
(ブレーキがかかるのを防ぐ)方法です。

私が説明されたのは、
免疫チェックポイント阻害薬が効く割合は3割程度。
水素吸入と併用すると7割まで上がるとのこと。

ただ、自費診療のため3ヶ月で600万を超える費用。

自分の本来の免疫を取り戻すことが重要というのは
とても腑に落ちるものの、
さすがに金銭面が現実的ではない...
病院のように設備が整っていないため
何かあった時に安心できる環境でないことも
デメリットでした。

「免疫を上げるために何ができるのか?」
このあたりから本気で考えるようになりました。


〈7月16日〉セカンドオピニオン2件目

大きな病院にセカンドオピニオンに行きました。

やはり私の場合
"ほぼほぼ再発という見解"
"散在性が見られることへの危険視"
は変わらない診断でした。

治療方針として、メインの治療を何にするか
(①手術②放射線③抗がん剤)
というお話までは同じですが、

違ったのが、
"メイン治療の前に抗がん剤を先にやる"
という手があること。

散在している場合の全身のがん細胞に効かせたり
今ある腫瘍を小さくすることで、
メイン治療をより確実にさせることが目的。

その場合は、
免疫チェックポイント阻害薬や
分子標的薬(頭頸部癌に効果があると示されている)
との組み合わせで導入することも説明を受けました。

分子標的薬は、ここで初めて聞きました!
ここのところ、色んな情報収集で
頭がこんがらがってキャパギリギリ。笑


メリットとデメリットを比べて、
新たな手を提示してくれたこの病院に、
すぐに転院を決めました。


〈7月18日〉転院先での初診

母と一緒に診察室に入り、
なんと2時間もお話をしてくれました!
医師たちの会議で私の方針を話し合ってくれた模様。
大変わかりやすく、丁寧で、誠実さの伝わる先生。

ここまでも素晴らしい先生に巡り合っていて
本当に恵まれているなあと、
守られているなあと、感じることが続きます...!

はじめに言われたのは、
「厳しい戦いになると思います」
ということ。

右側だけいまだにフェイスラインが腫れていて
顎下の腫瘍も傷の炎症や膿腫なんじゃないか?と
思ってしまうのだけど、

先生に言わせると
「膿腫の可能性はゼロではないが、
医師らはそのような楽観的なテンションではない」と。

膿腫の場合は抗生物質で良くなるようなので
一応処方をしていただきました!


大きな腫瘍がドンとあるなら、
そこを切りましょうとなるけれど、
私のように小さく散在しているように見えるのは
色々なケースを見ている先生からすると、
悪い方を想像させるのだなぁと思いました。

だからこそ、慎重かつ迅速に判断し、
急いで治療をしたいと思ってくれているのが
伝わりました。

抗がん剤が効かなかった場合や
遠隔転移があった場合などのお話も聞きましたが
不思議と、恐怖感はなかったです。


ということで、

①まずはPET検査で遠隔転移の有無を確認

②9週間、抗がん剤+分子標的薬を行い、
全身にも効かせる

③その後の状態を見て、作戦を練る

という方針に決定しました!


〈7月18日〉卵子凍結のおはなし

そして最後に、一番大切なこと。

抗がん剤は卵子にも影響が出る。
抗がん剤治療を受けて、
直後に閉経する、10年早く閉経する、
不妊に繋がることも人によってあるようです。 

「治療前に卵子凍結を希望しますか?」と聞かれ
「希望します」と答えました。

先生からも
「治療は今すぐにでも始めたいけれど
それと同じくらいこれも大事なことだから」と
後悔のないようにと話してくれました。

今まで特に強い出産願望はなく、
おばあちゃんおじいちゃんにひ孫を見せてあげたい、
お母さんお父さんに孫を見せてあげたい、
という思いだけはありました。

友達の可愛い子供たちを見るだけで幸せだったし
自分が母になるなんて想像もつかないし
自分の人生を生きることにいっぱいいっぱいで、
考えたこともほとんどありませんでした。

ですが、最近、
おばあちゃんに似てるところ
お母さんに似てるところ
友達の子が友達に似てるところ
そんな色々を感じる機会が多くなり、
その度に遺伝子の尊さを感じて、
私も自分の子どもが欲しいんだと
徐々に自覚するようになりました。

子どもが産めなくなるかもしれない
という想像は今のところしていません。

"絶対に癌から卒業して
健康な体になって、子どもを育てる!"

ふわっとしていた夢を確信に変えてもらえました。


一筋縄ではいかないかもしれないけど、
まだまだ私の人生には色々な変化が待っていて、
した事のない経験が待っている!
それを楽しむつもりで、闘病記録、つづけます!

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