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ACP〜アドバンスケアプランニングを再考する〜


ACP(Advance Care Planning)と言う言葉をご存知だろうか?
別名、人生会議とも言われている。

ACPとは、将来の変化に備え、将来の医療及びケアについて、 本人を主体に、そのご家族や近しい人、医療・ ケアチームが、繰り返し話し合いを行い、本人による意思決定を支援する取り組みのことだ。

臨床現場で、ACPの認知度は高まりつつある。

しかし、私はACPに対し、心配事がいくつかある。

国も自治体も、医療や福祉の現場も、こぞってACP:人生会議を推進している。
それがACPをしなければならないという風潮となり、医療者が本人やご家族の心の準備がないままで、一方的に「もしもの時は蘇生しますか?しませんか?」「食べられなくなった時は胃瘻(お腹から胃にチューブを通し、そこから栄養を入れる管のこと)にしますか?しませんか?」と選択を迫っていないかということを、とても心配しているのだ。

また、死を意識せずに生活したい人にとって、ACPを盾に何かしらの決断を強いるのは、とてつもないプレッシャーになると思うのだ。
「決めたくない」「決められない」という選択肢も担保する必要があるだろう。

私たちは「誰のためのACPなのか」をもう一度考える必要がありそうだ。

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