【詩】あまえない
一万円札なんまいかつかって
あなたに謝りに行った
そしたらそこには
あなたの一万円札なんまいかで
着飾ったおんながいた
わたしはおとこのことをひっしに考える
おとこもわたしといることが希望だと言った
でもあなたは
うそをつくからいやだというひと
一緒にいると絶望するというおんなと
一晩過ごすためにタクシーに乗って行った
わたしはことばを信用しない
一万円札なんまいかを信用する
あんたが一万円札なんまいかを
いつでも投げ出したいひとがあんたの希望だ
あたしはしゅんとして新幹線に乗った
景色にはまるで意味がなかった
おとこをなぜたりさすったり
みゃあと泣くことが勝ちに行くことだった
一万円札なんまいか
わたしの腹は斬り傷だらけ
詩集「スパイラル」
モノクローム・プロジェクト刊
2017/4/10
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