書きたいことは決まったけれども

 これから何を書いていくかについて一晩考えた。書きたい内容はそれなりにある。映画のレビューとか、日常の話とか、創作小話とか、自炊の話とか失敗談とかそれなりに。

 僕は可愛らしく言えば抜けているところのある人間だ。天然だ。真顔で言えばバカだ。歩くクラスター爆弾だ。なので日常的なトラブルが尽きない。

 昨日も会社のオフィスで「電車に傘忘れた。やらかした」と隣の席のAさんに愚痴っていたが、冷静に思い返してみたら昨日は傘を持ち歩いていなかった。

 何を言っているのか分からないと思う。その瞬間は自分でも自分が分からなくなった。

 整理してみる。 

 昨日は朝イチでは雨が降っていたのだけれども、家を出る直前には止んでいて、念のため天気予報を調べてみたら夜まで降水確率0パーセントと表示されていた。なので傘を持たずにうきうきで出勤したのだ。ところが僕の脳味噌はなぜか「傘を持って出勤した」と認識していて、オフィスについて仕事をしている最中に唐突にありもしない記憶として警鐘を鳴らしてきたのだ。

 おい、傘忘れてんじゃねーか? って。

 僕の頭はきっとイカれてる。そう思う。

「Aさーん、やらかしました俺」

「どうしたんすか」

「電車に傘忘れました」

「あーやりましたね。電車に忘れ物するって辛いッスよね」

「ほんとっすよね」

「僕も昔〜……」

 Aさんは自分のかつての失敗談を語ってくれた。僕と同じように(同じではないが)電車に荷物を忘れ飛行機に乗り遅れ、彼女との旅行が台無しなってしまいそれが原因かどうかは不明だが数週間後に別れる羽目になったという話だった。きっと僕を慰めるために話してくれたのだと思うのだが、結局、僕は荷物を忘れていなかったわけで、勝手に腹を切らせてしまう形になった。まったくいたたまれない気持ちになった。

 現在、出かけ先から帰ってきてこの文章を書いている。一晩考え、その後半日考えた。

 やはり僕ができることなど1つしかないと思う。

 読んだ本の感想を垂れ流すことである。

 本の感想を書くのはいいことだ。ただ読むだけでは情報が頭からケツに流れ出てしまうが、感想を書くことで頭に入った情報を整理でき、整理することで理解することが出来る。ケツから出さずに自分の身体の中に留めておくことができる。

 だからここに本の感想を書くことにする。

 が

 今日はやらない。

 眠いからだ。

 現在時刻は午後11時14分。明日は早番なので5時に起きなくてはならない。今から最近読んだ本の感想をまとめて文章に起こして書いていたら死ぬ。深夜という分けのわからない魔物に脳味噌をボコボコに殴られて、プラトニックでピュアなラブストーリーにどぎついシモネタ的解釈を加えてしまうかもしれない。そうなっては悲しいので今日はやらない。

 寝る。

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