魔の夜


俺の部屋を綺麗にしてくれた時

とても嬉しかったんだ


草木を植付け

大きな石を置いてくれたり

俺の色に合わせてくれたり

気遣ってくれていたこと

よく解っていたよ


だから俺に命を捧げないでくれ

俺は充分君に愛されたのだから

俺は君の重荷を少しだけ持っていくよ


君は俺を気遣い愛してくれたのだから

俺が魔の夜に旅立っても

哀しまないでくれ


俺は君を想う

君を想って

少しだけ君の重荷を持って

旅立ちの準備をしていることを

喜んでいる


ねぇ…

お別れの言葉は無しだよ

「ありがとう」と言いたいんだ

俺は君の傍にいられて

幸せだったのだから


魔の夜に旅立つ瞬間

俺は君を想うよ


                        愛する魔夜へ






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