修行ネコ★ハルと心の狭いわたしの物語 ⑥目が見えないの?
だんだん見えてきた想定内のこと
先住猫との相性を見るための『トライアル』で、たまに1日であっさり返される猫がいます。それはとてもレアなケースだと思いますが、
猫は結構神経質で、環境の変化を嫌うために、
新しい場所で一気に引きこもり状態になるのは、結構想定内です。
そこからは、プロのような一時預かりさんなどは、上手に上手にツボを押さえながら関わり、生まれて間もない子猫などは、遊びに誘ったり、ご飯でつったりして、人慣れするように育てていきます。
又猫の性格の個体差は犬よりも激しく、人間の食べ物を荒らしまくる『品のない』猫もいれば、ご飯が出されるまで静かに待っている『しとやかな』猫もいます。
しかし、虐待を受けていたようなトラウマを持った猫の場合、人慣れさせるのはとても難しく、引き取られた先でご飯は食べるが里親と全く打ち解けない『家庭内ノラ』になってしまう猫がいるそうです。
というこのあたりの知識は、私はハルの里親になってから、徐々に知ったことでした。
私の場合、しょせんは本で学んだ知識であって、実際に、ハルという最強猫に一日、二日、三日・・・一週間、二週間、三週間、と引きこもりをされると
猫素人の私は
結局この関係が、一生続くのかも、
一生心を開いてくれないのかも・・・
というモードに入ることしばしばでした。
いつ受けたかわからない虐待
数週間付き合って、
ハルは保護されるまでの間、虐待されたことがあったかも、
と思うようになりました。もしくは一度里子に出されて懐かず、手荒に扱われたことがトラウマ化してしまったかもとも思いました。
一度あまりの怯えっぷりに保護猫女主人に尋ねたところ、
絶対にない、という返事が返ってきました。
それなら、前世もありえるかもなぁと思うに至りました。(前世に関しては後々色々と判明!しましたので又お話したいと思います)
そこまでどんがらがっしゃん?のある日
そしてある日、何かをしようとして、
あっちに行った方がいいよ、とハルを促したのが(他意なく近づいた)、どうやら相当怖かったようで、
まずは物がたくさんのって踏み場などないドレッサーに飛び乗ろうとし、
うまく着地もできず、こまごましたものが床に一気に落ち大きな物音、(私:え?無理やん)
又更にパニックになり、
今度はコンロにジャンプ、お皿などを置いていた水切りラックをガシャンと落とし、(私:え、何してんの?無理に決まってるやん)
部屋の端まで行って洗濯機、電子レンジ、ラック、と斜めにダン!ダン!ダン!と上がり、やっと天井そばのプラスチックの棚に着地。(私:まあそこなら分かる)
と、落ち着いてよかったのですが、
部屋が一気に修羅場と化したような状態になり、
こちらとしては、奇想天外な動きに、だいぶビビりました。
犬が絶対にジャンプできない高さにジャンプする猫、
その姿は、まさに野生動物、はっきり言ってかっこいい。
のですが、
ハル的には、
とりあえず高いところ! 失敗
とりあえず高いところ! 又失敗
こっちも! 成功! ホッ。
という感じだったのでしょうが、
ドレッサー、ガスコンロ、と飛びついたのをみて、
素人目(め)的には、
「え?!見えてないの? 着地できるわけないじゃんっ!」
というツッコミしか出てきませんでした。
思わず女主人に「ハルくんって目、見えてますか?」とメッセージしてしまったほどだったのですが、
他の里親さんから
猫がパニックになって壁にジャンプしたり、手あたり次第にどこかに飛び乗ろうとすることは結構あるよ~とドアを駆け上がろうとしてた猫の写真つきで教えてもらい、
ああ、そんなもんなんだ、と胸をなでおろしたのでした。
が、
そんなに必死に逃げるなんて、これだけ日々ご飯もトイレも世話してるのに、なにか危害なんか加えるはずないのにさ、
どんだけ怖い相手投影されてんの?
めんどくせっ(ごめんよ)、という気持ちと共に、
ああ、それくらい
気を使わないといけないんだなぁ~
姫なんだね、身体はめちゃめちゃデカイけど、と思い直したのでした。
<ちなみに一年が過ぎた今も、目はあまりよくないようです>
次回は、ハルのお世話を通じて私自身が癒さなければならなかったこと(心理学バージョン)へ
つづく。