修行ネコ★ハルと心の狭いわたしの物語 ③二つの真実と二人の神話
心理学で覗いた神話
さて、突然ですが、セラピストの私が学んできたプロセスワークというユング派の心理学では、二者の関係性を見る時、どんな風に出会ったか、何を感じたか、を『神話』として非常に重要視します。
そして、そこにすでに未来の関係性が布置されていることを発見することもあれば、未来へのヒントを得ることもあります。今回は『ハルを選んだ本当の理由』についてお伝えしたいと思いますが、最後に、人間と猫という既に特殊な関係ではありますが神話的に見た関係性について少しだけ振り返りたいと思います。
ハルとファーストコンタクトを迎える前、
保護猫サイトで紹介されている写真でハルを見ていたのですが、
私が初めてキャットウォークにいる実物のハルを見た時、
黒っぽいまだら柄のアメリカンショートヘアっぽい毛色でした。
私は血統には興味のないタイプですが、飼うなら黒猫かアメショっぽい柄の子がいいなぁ~と漠然と思っていたので、
ああ、良いな、と思い、
又猫を一匹一匹見比べることもそんなにないのですが、ハルを見た時、
ああ、可愛いな、と素直に思いました。
今、一年前と比べると、SNSで保護猫の写真や動画を相当たくさん見てきていますが、
客観的にみてもハルは相当可愛いと思います。
一年が過ぎ、懐いてもらってない、触ることもほぼ出来ない、おいたをされた時にはたまに『マジで捨てたい』という気持ちがよぎることはありますが、とはいえ、ちょっとひいき目には見てしまっているので信用してもらえないかもしれません。
ですが友人に尋ねると大体「すごい可愛い」と言ってもらえます。(お世辞かもですが笑)
そうなんです、ハルはルックスは相当良しな子なんだと思います。
悪魔と同等の執念深さ
更に、後々も本当に驚いたのですが、なぜかハルはものすごい根の深い『ビビリな子』でもありました。
異常なビビリということは聞いていたのですが、家に連れ帰ってから、環境が一気に変わってからの彼の豹変ぶりもすさまじいものがありました。
元々ビビリで人に懐いてない故に、爪切りの度に無理やり捕まえられることを体験してたでしょう。そして譲渡の日は、朝から捕まえられた後に籠の中に長時間の軟禁状態、その後数年ぶりに知らない所に移動させられ、周囲には誰もいず、狭いスペースに自分を拉致した人がいるだけ、
恐怖しかなかったのでしょう。
ほんとに怖かったんだと思います。
私のことはもう悪魔にしか見えてなかったんだと思います。
悪魔のことは信用できませんよね。
そして、ハルは中々執念深い性質をもっていました。
なので、
悪魔が何を出そうが、(ネコカフェと同じご飯を出してただけですが)
悪魔がトイレ掃除をしようが、(結構こまめにやってましたが)
悪魔がちゅーるとやらを片手に近づいてこようが、(これで陥落するって保護猫の飼い主さんみんな言ってましたが)
自分がどれだけ食い意地がはっているかも忘れるほどに、(ご飯ならなんでも食べる子と聞いていたけども!)
信用しませんでした。
なんてったって、悪魔ですからね!('Д')
ハルの持つエネルギー
話を戻しますが、女主人に「なぜハルくんをえらばれたんですか?」と尋ねられたとき、
少し考えこんで、
「可愛かったから」
と答えたのですが、
確かに一つの理由は「可愛かったから」 です。私にとって。
そして改めて振り返って、もう一つの大きな理由がありました。
それはキャットウォークにいるハルを見た時、
そして ハルのエネルギーを見た時、
直感で身体がすごく健康だな、と感じたのです。
当たり前ですが、猫は人間よりも短命です。
きっとどの猫を引き取っても私よりも先に旅立つでしょう。
それは覚悟しているのですが、ずっと共に過ごす猫が早々とあの世に行ってしまうのはやはりとても悲しいので、それは避けたいわけですね、私としては。
私自身、セラピストとしてグリーフカフェを開催したり、死を扱うワークショップを行ったりすることもあり、又自分自身の死を恐れることはあまりないのですが、周囲の人が死ぬということは結構恐れているタイプなのでした。
それで、
『ああ、健康そう、すぐに死んだりしない、安心』って思ったんです。
それがハルを選んだ二つ目の理由でした。
さて、最後に心理学的に関係性を見てみると、又私が選んだ人・ハルが選ばれた人になりますが、→ 行動した側・受け手側 という関係であるとも言えます。これを強調させていくとちょっと穏やかではない形 加害者・被害者 に行きそうな気配がしてきます。そして一週間、二週間、と経つごとにまさに『加害者』という役割(ロール)が私に近づいてきて、私自身苦しんでいきました。
ですが、大きなプロセスとして見てみると、初めに『すぐに死んだりしない子を選ぶ』、そこに意識がおかれたということは、未来的には死なないでほしいと願うほど大好きになるということが布置されているのかもしれないことに今、気づいたのでした(びっくり♡)
次回は、
悪魔へと変身する前の人間VS恨み節満載の成猫との攻防へ
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