#04 可愛いアイドルの写真が撮りたいんだ!!!~RAW現像篇~
こんにちは。みことです。
前回の撮可篇が長くなり、現像パートを割愛してしまいましたので、今回の記事で補足したいと思います。
現像については、色味や明るさなど好み・スタイルが大きく分かれる部分かと思います。あくまでもわたしが表現したいように現像しているということを念頭にお付き合いいただけますと幸いです。
なお、わたしが使用しているアプリケーションはLightroom Classicですので、それをベースにお話しいたします(とはいえ他のアプリケーションでもさほど使用感は大きく変わらないと思います)。
0.はじめに~RAWで撮影しよう~
#01でRAWについて記載させていただいたのを覚えていらっしゃいますでしょうか?
RAWとはファイル形式の一種で、簡単に言ってしまえば、超大量の光の情報を保持してれるファイル形式です。最近のデジタルカメラは基本的にRAWとJPEGで撮影をすることができ、iPhoneやgalaxyなどのスマホでもRAWで撮影することができます。
では、JPEGとRAWでどの程度情報量が違うのか。特に色階調の項目を見るとその違いが見てとれます。JPEGが256なのに対し、RAWが4,096~16,384となっています。つまり、RAWのほうがより細かい色情報を持っており、現像をしても写真が大きく破綻することなく、思い通りに扱うことができるのです。
1.【現像パート①】構図づくり〜情報の取捨選択をしよう〜
現像したい写真を選択したら、まずは構図づくりをします。構図にもさまざまあるのですが、アイドル写真のため、日の丸構図、三分割構図をベースに考えていけばおおよそ外れることはないと思いますし、わたしもそれ以外の構図は上手く使いこなせていません。
アイドル写真撮影はかなり過酷な現場のため、わたしのような素人&低身長では撮影時に構図を一発で作ることはほぼ不可能です。アイドルさんは絶えずフォーメーション移動で動いていますし、前の人の頭が入ってしまうことなども多くあります。ですので思いっきりクロップをして構図を再構築していきます。
また、単に画角に収まるようにクロップするだけでなく、その写真でどのような表現をしたいのかも含めて構図を作ることによってより印象的な写真を作ることができると思います。
わたしの構図づくりの方法をいくつかの作例を用いながら解説します。
構図づくりをすることによって、アイドルさんの素敵な表情をより際立たせてくれたり、素敵なパフォーマンスの一瞬を切り出すことができます。
2.【現像パート②】肌補正&お顔の強調
さて、ここからは実際の写真を用いながら普段わたしが現像で実施していることをワンストップでお届けします。今回はばってん少女隊の瀬田さくらちゃんにご登場いただきます。対戦よろしくお願いします!
まずは、#02で紹介した肌補正とお顔の強調です。
2‐1.肌補正
この日のさくらちゃん、肌補正がいらないといっていいほどコンディション抜群だったのですが、それはあくまでもわたし目線ですので、ブラシ選択範囲のテクスチャを-80、明瞭度を-20に振ります。
2‐2.目をキラキラに
続いて、目をキラキラにしていきます。目をブラシで選択し、テクスチャを+100まで上げます。この際彩度が一部上がってしまい、特にコンタクトをしているメンバーさんはコンタクトのブルーがのってきしまうので、色温度を若干黄色側に振ります。
次に、瞳のキャッチライトを強調させます。瞳をブラシで塗りつぶし、ハイライトを上げます。
2‐3.お顔を明るく&立体感をつくる
円形グラデーションでお顔を選択し、ハイライトを+15まで上げます。これにより、お顔が明るくなり、鼻筋のハイライトも通り、お顔に立体感が生まれます。
3.【現像パート③】写真の雰囲気づくり
ここからは写真全体の現像を行っていきます。今のわたしのスタイルにはなりますが、ここで彩度や写真全体の質感などを整えて写真全体の雰囲気作りを行います。この設定を基本的にすべての写真において同じにすることで、撮影場所などが変わっても自身の写真に統一感を出すことができます。
設定するパラメータは以下の通りです。
コントラスト:+12(写真全体のメリハリを出します)
テクスチャ:+20(髪や輪郭など、キリっとさせたい部分を強調させます)
明瞭度:-20(写真全体をやさしい雰囲気にします)
自然な彩度:+20(アイドル写真のためPOPな印象にします)
彩度:+8(同上)
カラーミキサー彩度-オレンジ:-10(写真の彩度を上げたことで持ち上がってしまった肌色をもとにもどします)
シャープ適用量:+101(目や輪郭などにシャープさをプラスします)
シャープマスク:+82(シャープの適用量だけを上げると、写真全体に影響が出るため、適用範囲を絞ります)
なお、この設定は毎回やっていると大変ですので、プリセットを組んで、一発で呼び出せるようにしています。
4.【現像パート④】明るさ調整
4-1.ホワイトバランスの調整
この日は屋外晴天でしたので、ホワイトバランスをカメラ側で固定し、4550Kで撮影しています。ぱっと見問題ないように見えますが、一応パラメータを動かかして本当に問題ないかを確かめます。今回は特に問題なかったので4550Kのまま進行しますが、写真によってはスポイト機能で白を拾う、もしくは目視で調整します。
4‐2.露光量の調整
この写真の場合、RAWで撮影しているため、写真が破綻する心配は殆どありません。そのためひとまず白飛びギリギリまで露光を上げてみます。
4-3.シャドウの持ち上げ
お顔の影などを持ち上げるためにシャドウを持ち上げていきます。
4-4.ハイライトを抑える
露光を上げたことでハイライトが持ち上がるため、抑えていきます。この場合は極端に-100まで下げきっています。
4-5.再度、露光の調整
ハイライトを抑えてもまだ明るすぎたため、露光を下げます。ヒストグラムを参考に白い部分が右端にくっつかないくらいのところまで下げます。アイドル写真でなければかなり明るくカメラ界隈から突っ込まれそうですが、キラキラアイドル写真なので大げさにするくらいでいいと個人的には思っています。
4-6.白レベルの調整
白レベルとはハイライトよりも明るい部分を指します。
今回の場合は特に背景が白飛び寸前といった具合になっていますので、どのような場所で撮ったのかも雰囲気で入れたいため、それがわかるように背景を戻してあげます。
背景が戻ってきて、開放的な空間でライブが行われたことがわかるようになりました。
4-7.黒レベルの調整
黒レベルとはシャドウよりも暗い部分を指します。シャドウを持ち上げたことで、暗い部分全体が持ち上がったため、髪の毛なども明るくなりすぎてしまっています。黒レベルを下げ、暗部を引き締めることで写真全体のメリハリを調整します。
4-8.おまけ
個人的な好みにはなりますが、わたしは若干ブルーがのっている写真が好きなので、トーンカーブを若干ブルー側に振っています。これによって写真全体がクールな印象になることに加え、お肌にピンクがのってくる(ような気がする)ので、最近よくやるようになりました。
肌補正まで実施した写真と最終工程まで進めた写真の比較がこちらです。写真がかなり明るく、髪の毛の質感なども出てくれているように思います。
ということで今回完成したお写真がこちらです。
ッッッッッ!!!!可愛い!!!!!さ゛く゛ら゛ち゛ゃ゛ゃ゛ゃ゛ん゛ん゛!!!
5.【番外編】ライブハウス・ホール写真の現像
ライブハウスやホールでの現像については、これまで実施してきたものに加えてさらにいくつかの工程を追加します。
以下の写真は現像パート④まで終わらせた写真です。写真の明るさや色合いなどはつくれていますがどこかぼやけた印象です。というのもライブハウスやホールでは照明演出のためにスモークを焚くのでどうしてもモヤがかかってしまいます。
そこで、カスミの除去を+10することでモヤを取り除きます(状況によりますが大体+20くらいまでの範囲で動かします)。
加えて、ライブハウス・ホールは暗所での撮影であることからISOが上がり、ノイズが発生してしまいます(また、この時使用したレンズも望遠端のF値の開放が5.6となるため普段よりISOが余計に上がってしまいます)。
そこで、ノイズ軽減で輝度を+25まで上げます。ノイズ軽減を上げすぎると写真の精細度が失われ、のっぺりしてしまうので、若干のノイズ残りは目をつむります(高くても+40までくらいでおさめます)。また、AIノイズ除去も何度か使用したのですが、個人的にはどうしてもAI感が好きになれず、であれば一定のノイズは許容する形で写真を仕上げるようになりました(無機物に使うと気にならなかったので使いどころかなと思います)。
6.むすびにかえて
今回もお付き合いいただきありがとうございました。冒頭述べた通り、現像の方法については写真の色味や明るさなど好み・スタイルが大きく分かれる部分かと思います。今回執筆した内容はあくまでもわたし個人が今現在実施している方法にすぎませんので、今後も変わっていく部分があると思います。
もっとこうやるときれいに仕上がるよ!ということがあればぜひぜひ教えていただきたいです。とくにトーンカーブやカラーグレーディングはなかなかうまくいかずでして…もっと写真表現の幅を広げるために使いこなせるようになりたいので、ご知見をお持ちの方はぜひお願いします!
それではまた次回!
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