元気にしてますか?

noteも誰にも読まれていないこんな僕でも1つだけ自慢出来る特技がある。

それはタイムスリップ。

15年前の小学生の頃、初めてジェットコースターに乗った時、緊張していて、落ちる瞬間にへそ辺りに凄く力が入った感覚がある。
その感覚になった瞬間に2017年、10年後の世界に行った。

子供の頃から、起こる物事に対してそんなに感情が動くタイプでは無かったので、タイムスリップが出来ることも割とすぐに受け入れた。

それから何回もタイムスリップしてコツを掴み、今は未来か過去、何年の何月と力加減も出来るようになった。

ただ、タイムスリップする代わりに失う物もある。

それは身につけてる下着だ。

どの時代に飛ぼうと、必ず下着を消費するという副作用だ。

だから飛んだ先では必ずノーパンでその時代を動き回ることになる。

僕の今の能力では1000年前後までしか行き来することは出来ない。

しかも飛距離が伸びれば伸びるほど、家にストックしてある下着も消えることになる。

だから学生の頃は高頻度で漏らしてると思われていて、両親からかなり心配されていた。

まあそんなこんなでタイムスリップ出来ることは誰にも言わずに大人になった。

ある日、珍しく合コンに行くことになった。

緊張もあって、お酒を多めに飲んでしまい、しっかり酔ってしまった。

酔って気が大きくなってしまい、自分がタイムスリップが出来ることを公言してしまった。

皆信じなかったが、僕の見た目を気に入っていた女の子1人だけは「すご〜い!やって見せてください!」と言ってきた。

何故か腹が立ち、「バカにするな!帰れ!」と言ってその女の子を帰らせてしまった。
2度と酒は飲むのはよそう。と反省している。

その後、場所を移して2次会に行くことになったが、僕も酔いが覚めて、女の子を帰らせてしまうという罪が段々身に染みてきたこともあって、2次会に行くのは辞めた。

みんなから反対側に向かって帰ろうとした時に「すみません。」と後ろから話しかけられた。

「さっきお店にいた店員なんですけど、実は僕もタイムスリップ出来るんです。」と言ってきた。

これは話を聞くしかないと思い、2時間ほど彼がバイトを終わるのを待ち(タイムスリップ出来るとはいえ、これぐらいの時間は全然待てるタイプの人間です)、近くの喫茶店で話すことになった。

彼は僕より3つ年下の大学生で高校生の時、授業中居眠りをしていて、先生が黒板思いっきり叩いて起こしてきた時にびっくりしてへそ辺りに力が入った瞬間に江戸時代まで飛んだらしい。

僕と彼の能力で唯一違うところはタイムスリップ時に消費するのが下着以外に身に纏っている物らしい。

僕はまだ恵まれている方だなと思った。

彼が持ちかけてきた話は「僕らが力をあわしてタイムスリップすればもっと遠くの時代に行けるのではないか」ということだった。

彼もで飛んでいける時空の幅が1000年までらしい。

彼は子供の頃から恐竜が大好きらしく、どうしてもその時代に行きたいようだ。

恐竜いた時代は後の方でも7000万年ほど前だ。
2人で力を合わせたとしても到底辿り着ける距離じゃない。

だが、僕に断るという選択肢はなかった。

僕らはタイムスリップする日を3ヶ月後と決めてそれまで出来る準備を全力で行うことにした。

ジムで体を鍛えて、食べる量も倍増やしてとにかく体を仕上げた。

そして当日を迎えた。

彼は上下を10枚重ね着、僕は下着を20枚重ね着して恐竜顔負けのお尻の大きさを纏い、誰もいない公園に落ち合った。

そして僕らは手を繋ぎ自分が持っている以上の力をへそ辺りに注ぎ込み、7000万年前に向かって一気に飛んだ!

時空を超えてる途中は案外暖かくて心地良い気分になるのだが、今回ばかりは違う。とても暑く、服や下着だけではなく、皮膚までもが溶けそうな勢いだ。

そして出口を超えた!

裸の2人が辿り着いた先には恐竜がたくさんいた。

遂に7000万年前に飛ぶことが出来た。

人は本気で努力すれば叶えられない夢なんてない。
それを証明できた日だった。

古代で色々な経験をして何とか現代に戻ってこれた。

あれから一年。

彼はあっちで元気でやれてるかな。

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