運動会が苦手な息子の話


私感であるが
お遊戯会と並んで発達障害の親の憂鬱No.1を争うイベントではないかと思う

我が家ももれなく練習が始まったあたりから
親子共々憂鬱であった

うちの息子は療育園ではなく
所謂地域の保育園に通っている
先生には障害の事は伝えてあるし
日常は色々先生方のサポートもあり
楽しく過ごしてはいそうであるし
同じく発達障害の子もクラスに数人いて
息子はその子達と特段仲良しのようである
同じ空気感でいられる友達がいることは
本当にラッキーな事だと思う

しかしやはり
所謂定型発達の子供が多い環境での
定型発達の子にあわせた活動は大変そうで
遠足などは好きなので割と楽しみにしているが
特に運動会は
「やりたくない!」の一点張りになる

息子は運動は割と好きなので
運動遊び
(1人づつやる障害物競走みたいなやつ)や
かけっこはやる気があるのだが
しかしダンスや表現系の演目
整列 行進 待機
あたりはグダングダンになる

やりたくないが全身から溢れて
制御が効かないのだ

正直なところ
「みんなと一緒にちゃんとやらないとダメじゃない!」と
私もあまり思わない
あの整列 行進 よくわからない組体操
あれは何の意味があるのだろうか
やる意味を子どもに聞かれても
正直答えられない

「やりたくないんだよ…」
と練習日、登園する時に玄関で言うので
「…やらなくてもいいんじゃない?」
と言ってみた
その代わり
やりたくない時にどうするか考えようと言うと
「わかった!先生に、やりたくないですってちゃんと言う!」
と意気揚々と登園した

案の定その日は
「やりません」の一点張りだったらしい

先生ごめんなさい

じゃあどうするか
「うーん、教室で待ってるのは?」と息子
それはちょっとなぁ…
「じゃあやりたかったらカッコよくやる
やりたくなかったらその場でじっとしてる
これでどうか?」となった
そして運動会のプログラムを2人でチェックし
自分はどの競技に出るのか教えておいた


そして運動会当日

やっぱりグダグダだった笑


特に待機が苦手だった
息子は先生にだっこされたり
ウロウロしたり
園長先生の所にお喋りに行ったり
運営部にチャチャをいれにいったり
鉄棒でくるくる回りながらなんとか待機の時間を過ごしていた

見ていた私はすごくヒヤヒヤしてハラハラして
保育園の園庭に穴をほって埋まりたかった
スコップ貸してくださいって畑仕事セットの倉庫に走りそうだった

クラスの他の子はみんな行儀良く椅子に座って待っている
かたや息子はなんか保育園の記録用のカメラを覗き込んでいる
カメラを止めるな
息子を止めてくれ

そのうち息子の運動遊びの演目になり
息子が予定外で1番最初にやっていた
あんまり暴れるから仕方なく1番になったのかと思いきや
1番にやりたかったので
息子はちゃんと本来1番初めの友達に交渉したらしい
「うんいいよー!一緒に待ってよう」
と友達は言ってくれて
2人は手を繋いでスタート地点に待っていた
その友達は息子が0歳の時から
同じ保育園で育った子である
その2人が手を繋いでスタートを待っている
なんかもう感無量になってしまった

そして1番にやらせてもらった運動遊びはさらりとやりのけて
次のかけっこでは
スタートのタイミングがあわずビリで帰ってきた

なんとかかんとか全行程を終え
私は先生に息子の傍若無人ぶりを謝りに行った
先生は
「全然大丈夫ですよー!なんか他のクラスの競技もやりたいやりたいって言ってて。特に年長さんの競技をやりたがってたんで楽しみですねー!」
と笑顔で言ってくれた


そうか
今日はやりたくてじっとしてられなかったのか
じゃあ
やりたくないときはじっとしてる
のルールは通じないわけだ
難しい奴だ



次の日息子は保育園で運動会の絵を描いた
年長さんの競技が書かれていた
かけっこの出遅れた動画を見返して
「全然頑張れなかったんだよ…」
と眉間にシワをよせた
そして園庭に残った年長さんのリレーコースを
帰り際にグルグルグルグル走っている


来年に思いをよせた
やっぱり私はワクワクよりハラハラしているだろう
息子も競技以外は苦手だろう

でも楽しみもちょっと出来たかもしれない

#発達障害
#運動会
#自閉症スペクトラム
#運動会が苦手

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