影法師から目をそらさずに(第3話)
(第三話)
影法師を踏むことは
寂しいけれど一つの出逢いであり
別れであるんだよ
もう「僕」もそれに気がついたでしょう
忘れられない影法師
踏むことは……
過去への決別さ
自分の影とは想い出であり未来への枷なんだ
そんなことをわたしが分かっていないとでも思っていたのか
影法師は踏まれて沈んでいくんだ
それが影法師の運命なのだ
運命を受け止められない人間が
影法師に人を背中から付き落とせると思うか
そんなことはできっこない
その影法師はあなたではない
あなたが踏んだのは
未来の自分のためにわたしを踏んだことなんだ
その罪と罰を受け止めよ
ただそれだけだ
自分の未熟さを悔いろ
自分があともう少し大人だったら……
そんな時間はもうない
自分のしたことを誰かのために使ってください
それが「供養」というものです
奥深い言葉です
必要であればまた天国から言葉をかけるよ
ぼんやりしてるけど
ここは天国みたいだね
どうやら
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