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みこちゃんの小説集~夜の観覧車

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今日も世界はギリシア悲劇を上演し、 人の世の悲喜こもごもはまるで観覧車のように巡り移ろう。 ここの小説達は、貴方の元へと届くことを願う言の葉の紙飛行機。 どれか一つでも、貴方の心… もっと読む
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2020年11月の記事一覧

雨宿り

濡れ衣の中に五月雨の匂いを感じた。 傘がなかったので雨宿りをした。 おんなは自分の胸を叩…

92

【遺稿シリーズ】第十三夜~竜頭と木魚撥

chihayaさん家に遊びに行ったときに、畳の下から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので、い…

61

【官能小説】空の青さとサンドイッチ

両腕に乳房をやさしく絞られた。 最初は圧迫感があったどそれは緩やかに開放された。 開放さ…

74

唇の波のゆくえ

しじまのなかに揺れ動いたのが自分で見えた。 静寂のなかで自分の唇がだんだんとひっそりと揺…

70

【今流行の官能小説】膝下の囀(さえず)り

削除されないといいんですけど… ======================  駅に向か…

64

【遺稿シリーズ】

みこちゃん家の父の煙草入れから、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので掲載しました (゜0…

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【遺稿シリーズ】斬月伝

みこちゃん家の日本刀の飾り棚から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので掲載しました (゜0゜) ============================ 雨があけた後の寂蒔とした明け方の月の中に、怪しい不穏な雲が流れていった。 何かを予兆するようなその雲の中に、いきなりおんなの嬌声がした。 悦びの限りを尽くした最後の声が、遠く月に谺した。 村上彦左衛門は、その声のする小さな鄙びた家に足を運んだ。 これから、主君の命でこの男を斬る。 まるで襖のような土間口を、右から

【遺稿シリーズ】機械

みこちゃん家の父の書斎から古ぼけた紙切れがでてきました。某文豪の未発表の遺稿だったので翻…

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【遺稿シリーズ】最後のドレス

みこちゃん家の桜の切り株の中から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので翻訳してみました …

34

【盗んだ原稿シリーズ】固定受話器のアルデンテ

某ノーベル賞候補作家がカフェでうたた寝している隙に、テーブルの上から盗んだ未発表の原稿を…

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【遺稿シリーズ】幸せの衣

みこちゃん家のDVD棚から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので掲載しました (゜0゜) =…

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【遺稿シリーズ】海道の果ての京

みこちゃん家の古アルバムの中から、某文豪の未発表の遺稿が見つかったので掲載しました (゜…

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【盗んだ原稿シリーズ】再会

某小説家がみこちゃん家に遊びに来た時に、カバンから盗んだ未発表の原稿を掲載しちゃいます …

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【遺稿シリーズ】ケーニヒスベルク大学カント最終講義遺稿

みこちゃん家の机の引き出しの中から、某哲学者の未発表の講義録が見つかったので翻訳しました (゜0゜) ============================ 純粋理性と実践理性の厳密なる峻別は困難ではあるがその理性の本質たる理性の厳密なる峻別にある。 純粋理性が理性を十全に差し向ける、行為の目的化であるのに対して、実践理性は行為の中に理性の目的を見出すものである。 つまり理性の違いを識るということのなかに、行為と目的の違いの蒙が認識される。 蒙が認識に依って悟性か