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みこちゃんの小説集~夜の観覧車

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今日も世界はギリシア悲劇を上演し、 人の世の悲喜こもごもはまるで観覧車のように巡り移ろう。 ここの小説達は、貴方の元へと届くことを願う言の葉の紙飛行機。 どれか一つでも、貴方の心… もっと読む
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2020年2月の記事一覧

【長編小説】真夏の死角 8テレビという劇場

「お疲れさま、お二人さん」  校門を出るとそこに川崎恵理子が立っていた。  驚いたことに…

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【長編小説】真夏の死角 7知的な美人の誘い

「なあ、美姫。どう思うあの女の人」  美姫は牧村慶次と一緒に、屋上で母親の作ってくれたお…

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【長編小説】真夏の死角 6謎の女

 今年一番の冷え込みだった。自分の部屋にいても吐き出す息が長く白くなる。  明け方まで臨…

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【長編小説】真夏の死角 5澤田明宏

「嘘だよね…」  美姫は照明を暗くしたリビングのオレンジ色の光の下で、テレビ毎朝の人気報…

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【長編小説】真夏の死角 4事件全容

 午前中に駒田一課長からあまりありがたくない役目を受けざるを得なかった田久保は、捜査一課…

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【長編小説】真夏の死角 3マスコミ対策

 神奈川県警捜査一課の警部補、田久保秀明は落ち着かない気持ちにとらわれていた。  今目の…

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【長編小説】真夏の死角 2幼なじみとの三角関係

 篠原美姫の呼吸は荒かった。  上気した頬に、うなじから髪の毛がまとわりつく。汗で濡れた頬に髪の毛が張り付く。しっかりと留めたはずのポニーテルからも激しい体の動きで長い髪がほつれている。  目はしっかりと相手の瞳の奥を覗いていたが、体がいうことを聞かない。このままでは、相手のなすがままだった。いっそ観念したら甘美な敗北の悦楽に自分の体を委ねることができる。  それは分かってはいても、美姫にはそれができなかった。女としてのプライド…。たしかにそれもあるかも知れない。しかし

【長編小説】真夏の死角 1灼熱の蜃気楼

 土埃が蜃気楼のように舞った。   澤田明宏は、なおもマウンドのプレートをスパイクの踵で…

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【長編小説】真夏の死角 ダイジェスト

それでは、ぜひお愉しみくださいませ(^o^)/

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