見出し画像

【 お盆 雑学 】その供養、祟られるかも…?仏式供養を徹底解説【 民俗学 仏教 雑談 Vtuber 天道巳

お正月を迎えたと思えばあっという間にお盆。
先祖供養の季節なので備忘録もかねてまとめようと思いました。
もし、ご供養に悩んだとき手引きにしていただければ幸いです。

音声で聞きたい方はこちらをどうぞ!


1.法要とは

一般的には供養の行事を「法事」と呼びますが、正確には僧侶にお経をあげてもらうことを「法要」といい、法要とその後の食事も含めた行事全体が「法事」です。

法要とは、「仏になった故人を供養する」という仏教用語。
追善供養とも呼びます。
法要は故人を偲び、冥福を祈るための行事です。
「ご冥福をお祈り申し上げます」の冥福ですね。
冥福とは、故人があの世で受ける幸福のことです。
我々は亡くなった方のあの世での幸せを祈りご遺族に言葉をかけるんですね。

法要は死後七日ごとに四十九日まで行う忌日法要(きびほうよう)。
一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌などの年忌法要(ねんきほうよう)があります。

仏教では死後七週間、つまり忌日法要の四十九日間は故人があの世とこの世の間にいる期間として「中陰(ちゅういん)」と呼びます。
死後七日目から七日ごとに七回、閻魔大王(えんまだいおう)をはじめとする十王から、生前の行いに対して裁きを受けます。
そして四十九日目で来世の行き先が決まるのですね。

残された家族は、故人が極楽浄土に行けるよう善を送る(追善)法要を行います。
年忌法要は極楽浄土に行った故人を、さらなる精進の道へと導くために行います。

年忌法要は一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌を行います。
そして三十三回忌で故人は長い修行を終え菩薩(ぼさつ)の道に入り、「ご先祖さま」つまり「家の守り神」になります。
その後五十回忌、百回忌と続きますが、一般的には三十三回忌あるいは五十回忌を「弔い上げ」とし法事を締めくくります。
この辺りはメンバーシップ限定の民俗学講座でお話しているので、よろしければご視聴ください。

2.十三審判

仏教には輪廻転生(りんねてんしょう)という考え方があります。
命日から四十九日の間に故人が次に生まれ変わる世界、つまり来世が決まると言われています。
来世は天道、人間道、修羅道(しゅらどう)、畜生道(ちくしょうどう)、餓鬼道(がきどう)、地獄道の六道(ろくどう)のことです。

故人は四十九日間、つまり死後七日ごとに生前の行いを閻魔大王など十王から裁かれます。
そして故人の来世の行き先が決まります。
しかし、六道はどの世界でも煩悩による苦しみがあります。
その苦しみを超えた世界が極楽浄土です。
残された家族は故人が極楽浄土に行けるよう、十王の裁きを受ける七日ごとに故人へ善を送る追善法要を行います。

3.十三仏(じゅうさんぶつ)

十三仏は初七日から三十三回忌まで、合わせて十三回の法要を守護する仏です。
故人は十三の仏様に守られ、極楽浄土に導かれ成仏します。

十三仏は以下の通りです。
初七日:不動明王(ふどうみょうおう)
二七日:釈迦如来(しゃかにょらい)
三七日:文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
四七日:普賢菩薩(ふげんぼさつ)
五七日(三十五日):地蔵菩薩(じぞうぼさつ)
六七日:弥勒菩薩(みろくぼさつ)
七七日(四十九日):薬師如来(やくしにょらい)
百カ日:観音菩薩(かんのんぼさつ)
一周忌:勢至菩薩(せいしぼさつ)
三回忌:阿弥陀如来(あみだにょらい)
七回忌:阿閃如来(あしゅくにょらい)
十三回忌:大日如来(だいにちにょらい)
三十三回忌:虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

4.法要のタイミング

忌日法要の場合、故人が亡くなった命日を1日目と数えます。
翌日からのカウントではないので注意が必要です。
年忌法要の場合、それぞれの年の命日を数えます。

◆忌日法要
初七日:7日目
二七日:14日目
三七日:21日目
四七日 :28日目
五七日(三十五日):35日目
六七日 :42日目
七七日(四十九日):49日目
百カ日 :100日目

◆年忌法要
一周忌:命日から1年後
三回忌:命日から2年後
七回忌:命日から6年後
十三回忌:命日から12年後
十七回忌:命日から16年後
二十三回忌:命日から22年
二十七回忌:命日から26年後
三十三回忌:命日から32年後
三十七回忌:命日から36年後
四十三回忌:命日から42年後
四十七回忌:命日から46年後
五十回忌:命日から49年
百回忌:命日から99年後

5.親族が亡くなってからの流れ

〇亡くなった日
故人を見送る最期の時間です。大切にお過ごしください。

やること
・親族、親戚や故人と仲の良い方への連絡
・故人の職場への連絡
・遺族の職場への連絡
・葬儀社、加入していれば農協などの協同組合、役所、保険会社への連絡
・自宅に神棚があれば扉を閉め、表面に白い紙を貼る
・仏壇の扉を閉める
・香典返しの注文、葬儀の打合せ、遺影の準備
・現金(100万円ほどあれば安心)、礼服の準備

大切にお過ごしくださいとは言いましたがとても忙しくなります。
尋常じゃない忙しさです、お覚悟を。
この日から故人は北枕で寝かせます。
また死亡が確認された瞬間から故人の銀行口座は凍結されます。お覚悟を。
葬儀社や協同組合から香典返しの提案をされます。
最近は残った香典返しを返品できる場合もありますので、少し多めに用意しておくと安心です。
(参考までに地方在住の当家では120個ほど用意しましたがほぼ無くなりました)
また戒名にはグレードがあり、それに応じて必要なお金が変わります。
現金は多めに用意しておきましょう。

こちらもどうぞ↓

〇通夜
当日、あるいは翌日の夜に行います。
静かに故人の魂と寄り添いながらお過ごしください。

〇葬儀・告別式
友引の日を避けて行います。
命日から3~4日を目安に行われることが多いようです。

〇葬儀後
当日、遅くても翌日には香典等の現金とその記録帳、会葬者の名簿、供物、供花の記録帳、弔辞、弔電、領収書類を引き取り保管・管理します。
特に現金や個人情報が載った名簿は取り扱いに注意してください。
当日に弔問できずお悔やみ状や弔電を送っていただいた方にはなるべく早めに礼状を送付しましょう。

〇初七日
この日は故人が三途の川にたどり着く日です。
故人が裁きで激流・急流・緩流のどれを渡れるかが決まる大切な日です。
無事緩流を渡れるように法要をします。
遺骨や位牌、遺影などを飾った席に僧侶を招き、お経をあげてもらいます。
親族や故人と親しかった人に参列してもらい、焼香ののちに精進料理などでもてなします。
最近は葬儀・告別式とともに行うことも多いです。

〇四十九日まで
基本的に初七日から七日ごとに法要をしますが、できない場合はお線香をあげ手を合わせておまいりしましょう。
時間があれば七日ごとにお墓参りにも行きます。
葬儀のあと遺骨、遺影、白木の位牌を安置し、花や灯明、香炉を置くための中陰壇(後飾り壇)を設置します。
中陰の四十九日間、家族は中陰壇の前にて故人が極楽浄土に行けるよう供養します。
また閻魔大王から裁きを受ける三十五日は丁寧に法要を行う方が多いです。
一般には四十九日までが忌中(きちゅう)です。
この期間は結婚式等のお祝いごとへの出席や神社への参拝は控えます。

白木の位牌は仮の位牌です。
四十九日までは遺骨、遺影と一緒に中陰壇でまつります。
しかし仮の位牌なので、四十九日までに漆塗りの本位牌に作り替える必要があります。
本位牌の戒名の文字入れには2週間近く必要なため早めに仏壇店に依頼しましょう。

四十九日法要の後は本位牌を仏壇に安置します。
仏壇のない家は同じく四十九日までに手配が必要です。
白木の位牌は四十九日法要で菩提寺に納め、本位牌に住職から魂入れをしてもらいます。
お寺で四十九日法要を行うときは本位牌を持参して魂入れをお願いし、帰宅後は仏壇に安置します。

〇四十九日
四十九日は初七日から七日ごとに受けた十王からの裁きによって来世の行き先が決まる日です。
「満中陰(まんちゅういん)」と呼びます。
故人の成仏し極楽浄土に行けるよう、家族や親族のほか故人と親しかった方を招いて法要します。
またこの日に「忌明け(きあけ)」となるので、法要後は忌明けの会食を開きます。

法要は四十九日の当日に行うのが理想ですが、最近は週末に行うことが多いです。
法要の日をずらす場合は四十九日より早めに行いましょう。
その場合は何曜日でも大丈夫です。
菩提寺に問い合わせて予定をすり合わせましょう。

一般的にはこの日の法要の際に納骨を行います。
宗派によっては卒塔婆供養と住職に読経してもらいます。
またこの日をもって、喪に服していた遺族が日常生活にもどります。

〇百カ日
百カ日は命日を1日目として100日目の法要です。
「卒哭忌(そつこくき)」とも呼ばれ、泣くのをやめ悲しみに区切りをつける日です。
家族や親族などの身内で法要を行うことが多いです。

〇新盆
四十九日法要の後、初めて迎えるお盆です。
亡くなってから四十九日目が8月15日以降の場合は翌年が新盆となります。
ここでは粗供養品・粗菓を用意してお参りに来ていただいた方にお渡しします。

〇一周忌
亡くなった翌年の命日に行う法要です。
できれば一周忌を迎えるまでは毎月の命日(月命日)にお墓参りをします。

以降、年忌法要を命日に行います。

6.法要の流れ


法要を行う当主を施主(せしゅ)と呼びます。施主は葬儀の喪主(もしゅ)を務めた人が務めます。

施主が行う準備は以下の通りです。
・菩提寺の住職に誰の何回忌の法要か伝え日時を決定する。
・法要会場や招待する人数の決定。
・法要後の会食(お斎/おとき)の場所を決めて案内状を送る。
・会食の料理と席順を決める。
・引き出物を用意する。
・御布施、お供え物を用意する。

法事にかかる費用はおおよそ以下の通りです。
〇会場費・会食費(お斎の飲食代)
〇御布施(住職への謝礼)
・御布施
2万円~50万円。表書きは「御布施」と書きます。
・御膳料
ひとり1万円ほど。
法要後の会食に住職がいらっしゃらなかった場合に渡します。
ふたりに読経をあげてもらった場合はひとりずつに渡します。
・塔婆供養料
1本3000円~6000円ほど。
法要で卒塔婆を立てる場合に包みます。
卒塔婆料は寺ごとに決まっていますので確認しましょう。
・御車代
5000~1万円ほど。
住職に自宅や墓地まで出向いてもらった場合、送迎の有無にかかわらず渡します。

お布施はふくさに包んでお持ちします↓

法事の当日は以下のような流れが一般的です。
〇住職による読経
〇参列者による焼香
焼香は施主、故人と関係の深かった順に行います。
〇住職の法話(ほうわ)
〇参列者で墓参り
〇施主の挨拶
会食前に施主は参列者に挨拶、終了時も施主が挨拶をします。
〇会食

7.墓地


墓地は「墓地、埋葬等に関する法律」(墓埋法)で、都道府県知事の許可を受けた区域にあります。
墓地は運営団体により公営墓地、寺院墓地、民営墓地の3種類に分かれます。

公営墓地は地方自治体が運営する墓地です。
こちらは使用者を公募で募集します。
応募には「その市町村に住んでいる」「遺骨がすでにある」などの条件がつく場合が多いです。

寺院墓地は寺院が檀家のために寺院の敷地内に設けるものです。
寺院墓地に入るにはその寺院の檀家になることが前提です。

民営墓地は宗教法人や財団法人が運営するものです。
運営主体が宗教法人であっても、宗旨宗派を問わない墓地が多いです。

墓地の購入は、その墓地を永久に使用する「永代使用権(えいたいしようけん)」を取得するという意味です。
永代使用権とは子孫がその墓地を継承する限り、使用権が連続して発生するというものです。
継承者がいなくなった墓地は、法律に定められた手続きによって墓地の運営者に戻されます。
永代使用権は、使用料のほか墓地内の共用部分の維持管理のため、管理料を支払い続ける必要があります。

また最近では有効期限付きの墓地もあります。
契約期間が終わったり、最後に行った納骨から一定の期限が過ぎたら無縁化しないように、納骨堂や永代供養の墓に合わせて祀られることになっています。

8.永代供養


菩提寺に永代供養をお願いすることもできます。
永代供養とは、菩提寺へ永代供養に必要な御布施をして、毎年お盆、お彼岸、命日などに故人や先祖の供養をしてもらうことです。
施主が亡くなって子孫が途絶えても、菩提寺で代々の住職が供養してくれます。

9.塔婆供養


年忌法要のにて施主や参列者がお墓に卒塔婆(そとうば)を立てることがあります。
これが「塔婆供養」です。

卒塔婆は梵語(ぼんご)で塔の意味ですね。
弟子がお釈迦さまの遺骨を分骨し塔を建てて供養したことから、それがのちに五輪塔になり、五つの刻みを入れた卒塔婆になったと言われています。

五輪とは仏教における宇宙観の五大要素「空風火水地(くうふうかすいち)」を示しています。
塔婆供養は故人が自然界の宇宙と同化し、仏に成ることを意味しています。

故人追善供養の白木の塔婆は住職にお経をあげていただき、お墓の後ろの塔婆立てに建てます。
塔婆には故人の戒名や供養の年月日、施主の名前などを書きます。
前もって住職に依頼しておくことが必要です。
お礼は「御塔婆料」としてお寺により金額が決まっている場合が多いです、たずねてみましょう。
ちなみに浄土真宗では塔婆は用いません。

10.相続


もめます。
はい、とてももめます。
相続税もかかります、悲しい。
父親が亡くなった直後に息子が黙って銀行で全額遺産を引き落とし、表向きは遺産放棄をして全てせしめていた…なんて話もあります。
なるべく家族で話し合いましょう。
遺産の分割について家族で法的な書類を制作するのも手です。

また法律上必須ではありませんが遺産分割手続きがとてもとても面倒くさいので、相続手続きのリーダー「代表相続人」を決めておくと楽になります。
亡くなる前に遺言で代表相続人を指定するのも手です。
当家は故人が遺言で指定していたためスムーズに進みました。

相続に詳しい遺族がいない場合、税理士や税務署に相談しましょう。
ちなみに形見分けで貴金属や美術品を受け取ると相続税の対象になることもあります。

こちらもどうぞ↓

11.お盆


正式には盂蘭盆会(うらぼんえ)といいます。
故人や先祖の霊が一年に一度家に帰って来るので、その霊を迎え供養する期間がお盆です。

東京では7月13日~7月16日、その他の地方では8月13日~8月16日に行われます。
8月のお盆を旧盆や月遅れのお盆と呼びます。
お盆の前日には霊を迎える準備をします。

精霊棚(しょうりょうだな)(盆棚)か仏壇に、精進料理を供えた霊供膳(仏膳)や、季節の物を供えます。
13日の夕方、家の前で焙烙(ほうろく)という素焼きの皿の上でおがら(麻がらのこと)を焚いて「迎え火」を行い、故人や先祖の霊を迎えます。
お墓参りをしたあと墓地で盆提灯に明かりを灯し、霊を自宅まで導いて帰ってくるという風習を行う地域もあります。
この時期、菩提寺の住職が檀家を回ってお経をあげる、棚経(たなぎょう)を行う地域もあります。

そして16日には再び火を焚く「送り火」をして霊を送り出します。
京都の有名な大文字焼き(だいもんじやき)も送り火のひとつです。
火を焚くのが難しい場合は盆提灯を飾って迎え火、送り火にします。
盆提灯はその家に霊が滞在している証です。

〇新盆・盆提灯
新盆は四十九日の後に迎える初めてのお盆のことです。
にいぼん、しんぼん、はつぼん等と読みます。
四十九日前にお盆が来たときは翌年が新盆です。

住職にお経をあげてもらう場合も多いです。
故人の霊が初めて帰ってくるお盆なので霊が迷わないように、お盆の間は軒先や仏間に新盆用の白提灯を吊るします。
仏壇の両脇や精霊棚の両脇に絵柄の入った盆提灯を一対、二対と飾ります。
地域によっては近親者が盆提灯を贈る習慣もあります。

新盆用の白提灯は玄関や縁側の軒先や仏壇の前に吊るします。
最近は危ないので火をつけず、飾るだけで迎え火とする場合も多いです。
新盆用の白提灯は送り火で燃やしたり、菩提寺で供養処分してもらいます。
絵柄の入った盆提灯は毎年飾る提灯です。
ほこりを落としてから箱に保管しましょう、防虫剤を入れておくとなお安心です。

〇精霊棚
盆棚ともいいます。12日~13日の朝に精霊棚をつくります。

机に真菰(まこも)のゴザを敷きます。
ゴザの上に位牌を中心として香炉、花立、燭台を置き、お花、ナス、キュウリ、野菜や果物、精進料理を供えた霊供膳(仏膳)などを供えます。
蓮の葉にナスやキュウリを賽(さい)の目に刻んで洗い米と一緒に入れた「水の子」、蓮の葉に水をたらした「閼伽水(あかみず)」、みそはぎ、ほおずきなどを供える場合もあります。
キュウリの馬とナスの牛を供えるのは、霊が馬に乗って一刻も早くこの世に帰り、牛に乗ってゆっくりとあの世に戻っていくようにとの願いが込められています。
精霊棚をつくるスペースがないときは仏壇のなかに供えても大丈夫です。
精霊棚のお盆用品はスーパーでも購入できます。

〇お盆の意味
お盆は「仏説盂蘭盆経(ぶっせつうらぼんきょう)」から来ています。
お釈迦さまの弟子であった目連尊者(もくれんそんじゃ)が、7月15日に多くの僧侶たちへ御馳走をふるまい、ともに供養することによって、餓鬼道に落ちて苦しんでいる母親を救うことができたという説話があります。
それ以来、旧暦7月15日は故人や先祖に感謝をささげ供養を行う大切な日になりました。

お盆に多くのお寺では、餓鬼道や地獄に落ちて苦しんでいる霊を救うための施餓鬼会(せがきえ)という法要を行います。
精霊棚の「水の子」も餓鬼のために供えるものです。

〇精霊流し
精霊流しは、お盆の供え物をのせた精霊舟に火を灯し海や川に流す行事です。
多くの地域で8月16日に行われます。
また灯籠を流す「灯籠流し」をする地域もあります。
これらは「精霊送り」と「送り火」が合わさったものです。

〇盆踊り
もともと盆踊りは、お盆に帰って来た故人や先祖の霊を慰め、無事に送り帰すための宗教行事です。
また帰って来た霊が供養のおかげで成仏できた喜びを踊りで表現しているとも考えられています。

12.彼岸


正式には「彼岸会(ひがんえ)」といいます。
彼岸は「春分の日」と「秋分の日」を中日(ちゅうにち)とし、前後の三日を合わせた七日間のことです。
お彼岸の初日を「彼岸の入り」、最終日を「彼岸の明け」といいます。
仏教で「彼岸」とは向こう岸に渡るという意味です。
この世(此岸/しがん)から、川向こうの悟りの世界に渡るため教えを守り、行いを慎むのが本来の彼岸です。

彼岸の日には家族でお墓参りをするのが慣習となっています。
お墓参りは墓石をきれいに洗い掃除して周囲の雑草を抜き、花や線香を供え手を合わせます。
家庭では仏壇の掃除、花、果物、ぼたもち、おはぎ等を供え、故人や先祖の供養をします。

春の彼岸は「ぼたもち」、秋の彼岸は「おはぎ」を供えます。
「ぼたもち」「おはぎ」、どちらも米と餡子で作る同じものです。
名前は牡丹と萩という季節の花に由来してつけられました。

〇彼岸の意味
彼岸は古代インド語のパーラミター(波羅蜜多/はらみった)が語源で、「彼の岸へ至る」という意味です。
煩悩や迷いがあふれるこの世「此岸」に対し、悟りの世界、仏の世界を「彼岸」といいます。
仏教には悟りの世界に至るための六波羅蜜の教えがあります。

布施:他人へ施しをする
持戒(じかい):戒を守り反省する
忍辱(にんにく):不平不満を言わず耐え忍ぶ
精進(しょうじん):精進努力する
禅定(ぜんじょう):心を安定させる
智慧(ちえ):真実を見る智慧を働かせる

〇彼岸と祝日
「国民祝日に関する法律」によると「春分の日」は「自然をたたえ生物をいつくしむ」、「秋分の日」は「先祖をうやまい亡くなった人をしのぶ」日です。
仏教の精神を表した日となっています。

13.お墓参り


〇かけ水
六道の中の餓鬼道に落ちた霊は、常に飢えと渇きに苦しんでいるといわれています。
そんな餓鬼でも墓石にかけた水だけは飲むことができます。
これは六波羅蜜の「布施」に通じるので墓石にはたっぷりと水をかけましょう。

〇仏花
仏花に決まりはありませんが、匂いの強い花やトゲのある花は避けましょう。
できれば造花ではなく新鮮な切り花を2束用意してください。

〇線香
香は邪気を払い、不浄を清めるとされています。
線香は一度火を灯すと燃えつきるまで芳香を放ち続けることから、六波羅蜜の一つである「精進」にも通じます。
家でも仏壇にお供えしてください。

〇灯明(とうみょう)
灯明とはロウソクの明かりです。
地域によっては墓前に線香と一緒に供えます。
六波羅蜜における「智慧」に通じ、故人を悟りの境地である極楽浄土へ導く大切な役割があります。

14.その他


仏壇を買い換えたら住職にお願いし、古い仏壇から魂を抜いて新しい仏壇へ移す入仏式を行いましょう。
仏壇の価格は数万円~100万円を超えるものまであります。
一式合わせると仏壇価格+20万円~30万円ほどです。
必要なものは宗派により異なりますので仏具店に相談してみましょう。

引っ越しをした時も入仏式が必要です。
入仏式を行わないとご先祖様が前の住所に留まったままです。
入仏式をしていただきましたらお布施を渡しましょう。

いかがでしたか?
供養をどうしようと迷っている方のお役に立てれば幸いです。

よろしければチャンネル登録お願いします♪


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?