同僚の編んだバッグ 密やかに飼い猫の毛

北風に 昨日の烏を探す

又吉直樹さんの朗読会「まだ、起きてたよ」に行ってきた。 水流舎のパジャマを着ておしゃれな革製のスリッパを裸足で履いている又吉さんの踵がトゥルトゥルだった。

「今度っていつ？」 「今度は今度、今は今」 映画PERFECT DAYSより

夫とは意見の相違が多く、例えば鉢植えについて。私は窓際に鉢植えをちまちま並べるのが好きで、そのためには窓の開閉が少し不便になろうとも構わない。夫はそこを構うらしく邪魔そうに避ける。 日当たりの良い窓際のカーテン越しで嬉しそうな鉢植えたちは私の味方。 ねぇ。そこ、いいよねぇ。

古本市で一冊を手にした中年の男性が背表紙を撫でながら「これはおもしろかった？」と聞いた。 店主の若い女性は答えた、 「どの本も、おもしろかったですよ」、 「唯一面白くなかったのは料理の本だけです。だって、作り方しか載ってないんだもの」。 料理の本は、程なく売れた。

生まれる時代が少しだけ違っていたら、女ではなく男で生まれていたら、きょうだいの数が違っていたら、生まれた場所が違っていたら、出会う友がひとりでも違っていたら、革命という言葉に撃ち抜かれたい衝動があったら、 名前を捨てて生きた人は。

服選びに関して叔母は私のジャッジメントを信頼してくれているらしい。 70代女性、3泊の沖縄旅行。 広げたコーディネートの正解はよくわからないけれど叔母は嬉しそうなので「もっと大きなピアスある？」とか「このカーディガンがかわいい。主役になるね」などともっともらしくチェックした。

好意的な仲間意識が内包する無自覚な暴力性について

帰省していた息子がいなくなると空気のリズムが変わる。

年末年始に仕事で帰省してこなかった息子がなんでもない平日に帰省してきた。 村上龍の小説の面白さについて盛り上がったりMr.ベーターを観てバカ笑いして久しぶりにお腹が空いた。 娘は野薔薇、息子は太陽。 人生の終わりの日がこんなだったらいい。

ペット保険から老犬への幹細胞投与の無料モニターへのお誘いメールが来た。 35頭中30頭の犬に歩き方が若々しくなるなどの効果が得られたという。 一瞬迷ったが長年持病のケアをしてくれてる獣医さんの施術ではないし何よりもゆるゆる部屋を散歩する犬のおしりが私は好きなの。 今のままの。