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誰かになろうとしないこと

新しく配属された職場に、いままで出会ったことのないような"シゴデキ"な先輩がいました。(とんでもなく仕事ができちゃう先輩)

超忙しいのにいつでも話しかけやすい雰囲気をかもしだしていて、情報の整理・伝達も完璧、知識も語彙力もあって、取引先との交渉も上手・・・。

わあ、この会社にはこんなとんでもない逸材がいたのか・・・なんて本気でびっくりしちゃうような、素敵な先輩でした。

そんな先輩から仕事を引き継いでいるうちに、わたしはどんどんと自分に自信がなくなっていきました。

わたしはこの人の仕事をまるっと引き継がなきゃいけないのに、足りてないところばかりじゃないか…

しかも、どれも一朝一夕で身につくようなものではないことばかり。

きっと性格の部分もあるし、なによりこの仕事に従事してきた時間がまったくちがう。

先輩のようにならなきゃ。先輩のようになって、今まで順調だった仕事をちゃんと引き継がなきゃ。

まるで、走っても全く追いつかない先輩を、全力疾走で追いかけているような引き継ぎ期間でした・・・

でも、あるとき思い出しました。

どんなにがんばったところで、わたしは先輩のコピーになることは絶対にできない。だって別の人間だもの。

わたしは先輩ではないし、そして先輩もわたしではないんだった。

不安を打ち明けた時に先輩も、「◯◯さんは◯◯さんなりのやり方を見つければいいんだよ」と言ってくれました。

そうだったそうだった。

忘れるところだった。

誰かになろうとすればするほど、自分の個性はくすぶってしまうんだった。


そう気づいたら、ふっと不安から解放されました。そして、自分らしさが戻ってきました。

先輩のマネをしようと不自然になっていた取引先との会話も、マネするのをやめて自分の言葉で話すようにしました。

そしたら、自分の言葉でもちゃんと伝わったんです。あ、大丈夫だ。先輩のマネをしなくても、わたしはわたしのやり方で進めれば大丈夫なんだ。

そうしてやっと自分のペースを取り戻し、自信も戻ってきたのが、この一週間でした。

すごいひとを見つけてしまうと、つい自分と比べてしまう。足りないところばかり目につくし、マネしてみても不自然になる。

前もおなじことを書いた気がするのに、時間が経つと忘れちゃうんですよね・・・

これからも自信がなくなったら、ちゃんと思い出すようにしたいと思う。

誰かになろうとしないこと。

誰かになろうとすると、せっかくの自分らしさがくすぶってしまうこと。



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