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山桜

ぽわんぽわんと里山に浮かんでは消ゆ陽炎のよう

今年の春は。
梅が咲き、マンサクとこぶしと桜、レンギョウとユキヤナギと春の花は一斉に咲き始めた。もちろん、水仙や沈丁花も椿も。
つい3日前の朝には霜が降りて、草の葉を白く縁取っていたのに、
4月の2週になって、春という春が一斉に来た。


私の知っている春は、3月の卒業式の頃に一度、終業式の頃に一度、4月に入り入学式の頃にもう一度と、雪が降ることがあって。
まるで冬が終わることを惜しむかのように、春の訪れは不安げだった。
最近は、4月もずっと寒くていつまでストーブを焚くんだろうなんて思っていると、5月の連休に入り夏!!なんていう年もあったりしたし。
今年は遅い雪に、開いた桜の花が凍ることもなく満開を迎える。
桜は淡い色がそのまま綺麗だ。


先日4月の初めに、知人宅へお邪魔していろんなお話をしてきた。ちょうど、市長選挙が終わったばかりで、「なんだか、今年はもりあがってたね。」なんて話をしながら、実は目的は「お雛祭り」。
知人のお家には、6組?ほどのお雛様が飾られていて。
ご自身の立派なものから、かわいい丸いフォルムの木目込みで作られたものや、購入されたちいさなちいさな雛壇のセットや。

あ、集まるところには集まるんだ。と感心した。

と、いうのも私はお雛様に縁がなくこれまできている。

小さい時、母に「お雛様か他のお人形か何が欲しい?」と聞かれた時に、
私は「犬のぬいぐるみ」と答えたのだ。
小さい頃、お雛様が飾られている風景を羨ましく思ってみたことがなかったのだろうか。(笑)
お雛祭り自体、うちでお祝いしたことがないようにも思う。
でも、お雛あられは好き。昔から。

「そういえば、私、お雛様持ってなくて。」(雛あられは好き)
なんて話をしながら、普段の暮らしの中の話で盛り上がっていた。

いいほど時間が経って、お夕飯の時間です、と猫が呼びにくるまで楽しくお話しして、帰る時間になった時。

「これ、今年作ったんだけど」と、お雛様を出してくださった。


まあるいまあるいお雛様。
とても有り難く、お迎えしました。

うれしいな。はじめての私のお雛様。

まあ、もうこの歳なのでこどもの日まで、飾らせてもらおうと。
いま、本棚の中に納まってもらってます。

お休みの日は、お柴さんとお散歩に出かけますが、
わんこも春の香りを満喫したいのか、途中途中でしばらく止まってしまいます。
そんなわんこを急かすことなく、一緒に景色を眺めていられることが本当に有り難く。
いつもの年よりきっと、春を楽しみ、季節を惜しむポカポカ陽気な1日。

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