見出し画像

アメリカ大統領選がおもしろい?!〜これからどうなる?

トランプ大統領のライバルとなる民主党大統領候補は、MikkoとMamiが熱烈応援するバーニー(サンダース)とジョー・バイデンの一騎打ちとなりました。

さて、MikkoとMamiが愛するバーニーは、トランプ大統領のライバルになるのでしょうか、、、

マイケル・ブルームバーグも撤退とバイデン支持を表明しました。

ウォーレンは今後について「検討中」ということで、成り行きが注目されています。(その後5日、撤退を表明)
サウスカロライナの投票日の数日前までバイデン・キャンペーンは勢いもなければお金もない「死に体」と言われていたのに、Jim Clyburnからの支持を受けてサウスカロライナで圧勝し、一気に息を吹き返しました。
それまでどれくらい低迷していたかは、サウスカロライナの勝利宣言でバイデンが発したこの言葉からも伺えます。
「数日前までこのキャンペーンは死んでいると言われたいたけれど、まだ十分に生きています!」
前回の「スーパーチューズデーの結果にドキドキ」に書いた通り、普通だったら一過性で終わるはずのバイデンブームは、中道派エスタブリッシュメントが一気に結束したことで、確固たる流れに変わりました。

まだバイデン勝利が決まったわけではありませんが、バーニーがかなりの苦境にあることは確かです。

今、私が思うことをいくつか書いてみます。

1)エリザベス・ウォーレンがどうでるか!

今、バーニーは孤立しているので、お友達が必要です。
ウォーレンとバーニーは、政策的にとても近いのです。
ウォーレンが今までに獲得している代議員はそれほど多くないし、ウォーレン支持者がバーニーに投票してくれるとも限りませんが、ウォーレンがバーニー支持を表明すれば、良い影響はあると思います。

a) ウォーレンの主な支持者は、白人の知識層。特に郊外に住む大卒女性。「郊外に住む大卒女性」はバーニーが最も弱点としている層なので、上手く協力できればバーニーの支持層を広げることができる。

b) ウォーレンは、いわゆる「メディアダーリン」。メディアに愛されているのです。メディアに出ているのは知識層が多いからでしょう。バーニーは反対にメディアに嫌われまくっているので、助けてもらえそう。

ただ、バーニーを支持してくれるかどうかはわかりません。バイデンを支持することすらあるかもしれません。

2人は古くからのお友達で、共に戦ってきたプログレッシブ仲間なのですが、ウォーレンはバーニーのフレネミー的なところがあると私は個人的に思うのです。(ちなみにフレネミーは、friend and enemy。友を装った敵のことです)

いざという時にバーニーを助けない場面を、何度も見てきました。

今回の予備選でも、最初は「お互いを攻撃しない約束」を交わしていたと言われています。

ウォーレンはバーニーの医療保険政策「Medicare for All」を全面的に支持すると、最初のディベートで言っていました。

でもその後「そのお金をどうやって捻出するのか」と聞かれ続け、バーニーのように「給与税を上げる。でも保険料も医療費もタダになるので、全体の出費は減る」とどうしても言えなかったんですよね。

富裕層だけに増税すると主張していた彼女は、中間層の税金も上げるとは、どうしても言えなかった。そのあたりから主張が変わってきて、一時期非常に高かった支持率も下がってきました。

ウォーレン人気の低下に伴って、バーニーの支持率が高まると、どうしてもバーニーを攻撃する必要がでてきます。そこでウォーレンは「バーニーは私に「女性は大統領にはなれない」と言った」と主張したのです。

政策攻撃じゃなく、人格攻撃に近いですよね。

バーニーは1980年代から女性は政治家にも大統領にもなれるし、その流れは遅すぎると言っています。

https://www.youtube.com/watch?v=PSr4pIq_taE (38:40くらいから。バーニーが変わってなくて笑える)

バーニーは大昔から一貫して女性の権利平等を主張しているし、今も男女同一賃金はバーニーの主要政策の一つ。

なにより、2016年の大統領選に自分が出馬する前に、ウォーレンに出馬を勧めているのです。
その時はウォーレンが出馬しないと言ったので、自分がした。
だから「女性は大統領になれない」なんて、言うわけはない。(実際は「女性候補は差別主義者のトランプから攻撃を受けるだろう」と言ったのではないかと言われています。でも2人の個人的な会話なので、誰にもわかりません。)


ディベートのステージでこのことを聞かれたウォーレンは否定しませんでした。バーニーが「そんなことは言っていない」と言うと、ディベート後に「私を全国放送で嘘つきと呼んだわね!」とバーニーを責めて握手を拒んだのが、カメラとホットマイクに捉えられてしまいました。
https://www.youtube.com/watch?v=YYyi0jgAnzQ

これはほんの一例ですが、そのほかにも私の短いウォッチ経験のなかでさえ、ウォーレンのバーニーに対するちょっとした敵意?のようなものを感じたことは何度かありました。

、、というわけで、ウォーレンがプログレッシブな大義のためにバーニーを推すかはわかりません。(ちなみに、2016年の予備選で、ウォーレンはバーニーを支持しませんでした。)

2)バーニーのジレンマ

バーニーは「ブレない」「裏切らない」政治家であることが大きな魅力です。
実際、何十年も主張がまったく変わっていない。

今の状況で、バーニーは中道派や高齢者層にも支持されやすくする必要があると言われていますが、バーニー自身が人におもねる性格でないのに加え、コアな支持層の反発を買う可能性もあるので、なかなか難しいのです。

前にまみちゃんにも話したように、「民主社会主義者」という呼び方がアメリカ人の反発を買いやすいから「思いやりのある資本主義」と言ったら?と言われても、それを変えようとしないのがバーニーなんですよねぇ、、、。もどかしい(笑)

3)バーニーの残念な点

ここまでの選挙で、私が一番残念に思うのは、若者の投票率がほとんど上がっていないことです。
バーニーは若者の支持率を上げる!と主張してきたので、これはかなり残念ですね。

4)バイデンのリスクはバイデン?

バイデンが今後もし躓く可能性があるとしたら、そのきっかけはバイデン自身だろうと私は思います。

サウスカロライナの前に、バイデンキャンペーンが低迷していたのには、なんとなく、ではなくちゃんと理由があるのです。

今はバイデン熱が盛り上がっていて、みんな忘れちゃってるみたいですが、これから数ヶ月、そして大統領選挙の11月まではまだ長く、この熱は冷めるに違いありません。
中道派にはもうバイデンしか候補はいないので、この応援体制は変わらないとしても、その時有権者の行動がどうなるかはわかりません。
バイデンにはもう書ききれないほどのツッコミどころがあるのです。

すでに、サウスカロライナでの勝利のあと、トランプはハンターバイデンの問題を蒸し返しています。
バイデンが候補になれば、これは11月までずっと続くでしょう。ヒラリーの二の舞です。
トランプは2016年の選挙ラリーで聴衆と「Lock Her Up!!」(ヒラリーを刑務所に入れろ!)と叫んでいたように、バイデン親子を刑務所に入れろと叫ぶでしょう。

ただ、ヒラリーは一部の人に強く嫌われていたけれど、バイデンは概ねみんなに好かれているという違いがあります。
これは大きな強みですよね。

続く、、、

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?