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ドイツのディスコバス

ドイツのバスの個性的な運転手さんを紹介しようという前回の記事の続きです


"ディスコマン"(私が名付けた)

彼は"ディスコマン"というあだ名を私につけられながらも

バスの運転手さんなのだ

(個人的な知り合いではない(笑)


初めて彼に会った日は

確か去年の秋頃だった


そう、約一年前のあの秋の日

私は仕事の後、家に帰るため

電車からの乗り換えで

バス停で普通にバスを待っていた


バス停のある通りはなかなかの大通りで

決して静かなバス停ではない


夕方ということもあり

その時間帯は特に交通量が多くもあった


角を曲がって

バスが向かって来るのが見え


バス停付近でバスを待っていた数人とともに

わたしもバス停に集まって並び始める


と、

私の耳にどこからか音楽が聞こえてきた

イヤホンから漏れているにしては

けっこう大きな音なので


"どの人だろう…こんなに音楽大音量で聞いてるのは…?外にこれだけ音が漏れるって、耳悪くしちゃうでしょ…"

そう思いながら

私はバス停に集まってきた人たちを

横目でチラチラと見てみたけど

誰もイヤホンをしていない…

え?じゃあこの音楽はどこから??


実に変なことに

停車のため速度を緩めたバスがバス停に近づくにつれて

聞こえてくる音楽の音量が大きくなってくる…


??


そして、

そんなことが人生に起こるなんて1ミリも思っていなかった

仕事の後で疲れてぼーっとしている

完全無防備な私を

瞬時に正気に戻したのは

バスの乗り口ドア(前)が開いた途端の


車内からの大音量ミュージック!!


え?!?

えええっ!!??


音楽大音量のディスコのようなバス車内に

呆気に取られた私…


そして

その前に現れたのは

ドアが開くとともに立ち上り

両手を上げて

ノリノリポーズで


"ハリー!ハロー‼"


と、新しい乗客たちを車内に招き入れる

満面の笑みの運転手の姿…


…?!(予想外すぎて言葉が出なかった(笑)


乗客の定期券やチケットを

チェックする気もあまりなく

"ハリーハロー!乗って乗って!"

その言葉だけを笑顔で繰り返す

ノリノリ運転手


一体何なのかよくわからないけど

バスの番号も行き先も合ってるし

テンション高すぎるけど

感じはイイ運転手…


バス停の乗客が全員乗り終わると

大音量のディスコバスは

ドアを閉めて

普通に発車して行く


どうやら

彼のお気に入りの音楽が始まったようで

さらに音量を上げ

さらにノリノリで歌い出す

"ディスコマン"(注)あくまでも普通路線のバスの運転手)


ええもちろん、

ドイツの年配の方々が

この状況に

黙って乗っているわけがございません

(以前の記事"ドイツ人が白熱する時"の記事参照ください)

運転席近くに座っていた老夫婦は

ふざけた運転手にかなり怒っているのだけど


音楽大音量すぎて

ディスコマンまで声が届かない‼

結果的に

ディスコマンは老夫婦を完全シカト!!


この状況に乗り合わせた私はというと…


最近の流行りの音楽を取り入れている

ディスコマンの音楽チョイスは

決して悪くなかったので


"それにしても人生には

私の予想をはるかに超える

面白いこと満載だな!"

と、

せっかくなのでディスコバスを満喫


いや、正確には


ディスコマンを満喫…(笑)


車内が音楽大音量すぎなのと、ディスコマンがノリノリすぎる以外は、運転もちゃんとしていたし、ちゃんと停留所にも停まっていたから安心して乗っていられたというのはもちろんだけどね


40代前半に見える彼が

このハメ外しすぎの一件で

会社をクビにならないことを

密かに祈ったのだった…



(2018年10月のアメブロ記事に加筆)


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