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ほぼ日の塾で学んだ、たしかな動機がそこにあるのが大切だということ

こんにちは、piece of cakeディレクターの水野です。

このたび、「ほぼ日の塾」が、募集を開始するそうです。ぼくも2年前に通っていました。

当時、社会人として10年くらい過ごして、社外との関わりはほとんどなかった(今となっては想像もつかない)頃で、塾をつうじて、価値観が近しい仲間と知り合えたのはほんとうにうれしく、刺激的なことでした。ひとりづつ名前を挙げて、こんな素敵なひとがいるんだよ、というのを書き連ねたいくらいですが、キリがないので諦めます。

それと、当時は広告企画・制作のキャリアを積んできた自分が、コンテンツづくりにおいて、何を大切にすべきかの指針がわからなくなっていた頃でもありました。学生時代から大好きだったほぼ日のコンテンツづくりについて、知りたい、仕事に活かしたいという気持ちで、参加しようと思いエントリーをしました。

このnoteでは、これからほぼ日の塾を受けてみようかな、と考えているひとに向けて、ぼくがもっとも印象に残っている、塾の課題へ取り組んだときのことを書いてみようと思います。

課題へとりくんだときの話

ぼくが通っていたときに課された3種の課題のうち、1つめの課題である対談記事は書きやすく、2つめの課題である好きなものについてのエッセイにはだいぶ苦労しました。

それぞれの記事について、フィードバックをいただいたのですが、仕事をするうえでの初心に帰ったような気持ちで受け取りました。タイプの異なる課題へ取り組むことで、誰かの言葉をよりわかりやすく伝えることは好きで得意だが、自分の考えを文章にすることは難しい、ということが身にしみてわかりました。

塾で、最後に取り組んだのが自由課題です。扱う内容については本当に悩みました。それまでに取り組んだ課題をふりかえると、自分の想いを書くのはうまくいかなくて、好きな人や身近な人にインタビューをして、それをコンテンツにするほうがいいかもしれないと考えました。

でも、制作につかえる期間はだいたい2週間くらい。今からアポイントを取り、取材をし、文字起こしをし、記事をつくる・・という行程を想像すると、うまくいかなそうでした。

塾の課題を書くのは本当にたいへんで、休みの日にファミレスへ何時間もこもって書くこともありました。妻は、ぼくの塾へ懸ける気持ちを理解してくれていましたが、当時3歳だった息子は、父親が家にいなくて、ちょっとかわいそうでした。

・・息子にインタビューするのはどうか、と思い当たりました。彼にいっぱい質問をぶつけ、その問答を記事にするのはいいかもしれない。なんせアポイントが取りやすい。だが、何を聞けばいいのだろう。そもそも、ふつうの親子の会話を、第三者がみて、それを面白いと思うだろうか?

たしかな動機がそこにあるか

企画を詰めるうえでの、最後のひと押しとして、拠り所になったのは「自分がそれをやりたいと思うか」ということでした。その考えは、ほぼ日の塾で学んだもっとも大事なことのひとつでした。

塾では、乗組員のみなさんが、さまざまな制作上の実話を元に、ほぼ日のコンテンツづくりで重要視しているさまざまなことを、教えてくださいました。とりわけ、たしかな動機がそこにあるかが、ほぼ日がコンテンツをつくるうえで、大切にしていることだと教わりました。

果たして、ぼくがしたいのは、第三者の目を意識して、息子に面白いインタビューをすることではなさそうでした。息子のよろこぶ顔をみたい、というのが、たどり着いた結論でした。これであれば「それを本当にしたいか?」という問いに「本当にしたい」と胸をはって答えることができると思いました。

すべり台を飽きるまでやらせてみる

息子は当時、休みの日に公園へ連れて行くと、ブランコやすべり台を、ひたすら繰り返してやりたがるのですが、あまりに飽きることがないので、あと何回ね、などと言い聞かせ、おしまいにさせていました。育児あるあるといえば、そうかもしれません。だいたいは不服そうにするし、ひどい時にはずっと泣いたりしていました。

そうしたシーンが思い出され、子どものあそびたい気持ちを止めないでいたら、いつまですべり台であそぶのだろうか?と思い当たりました。そのアイデアをきっかけにして、(乗組員のみなさんへたくさん相談をさせていただきながら、)つくったのがこの記事です。

完成度については、決して胸を張れるわけではないけど、がんばって書けたといえる記事でした。ありがたいことに、記事を読まれた方から、感想のメールを本当にたくさん、いただくことができました。じぶんの動機をもとにしたコンテンツが、ひろく共感を呼ぶことになり、僕が生きてきた中でも出色の、かけがえのない体験でした。

コンテンツへの動機の込め方を学んだ

その当時、ぼくがしていたのは、マーケティングデータを軸に、ウケそうなコンテンツを量産する仕事でした。これはこれで、突き詰め甲斐のある、ひとつの働き方だと思います。

ですが、そういったアプローチとは全く違う、著者が心から楽しんでいる、伝えたいと思っている、そういう想いが伝わるようなコンテンツが、ぼくは大好きなのでした。そうした、書き手の気持ちを大切にしている会社で、今、幸いにもはたらくことができています。僕の人生は、この塾により針路がおもしろいほうへ変わりました。

ぼくにとって、ほぼ日の塾は、コンテンツへの動機の込め方が学べる塾でした。本人のたしかな動機があるコンテンツは、ひろく届くのだ、ということを実感できました。twitterだってnoteだって、そういうものが共感を呼ぶのだと思います。

エントリーは11/12(月)AM11時まで

これを読んで、コンテンツづくりの練度をあげたい、と考える方に、塾へエントリーしてみたい、とすこしでも思ってもらえればうれしいです。〆切は11/12(月)AM11時。エントリーフォームはシンプルながら、想いのぶつけ甲斐のある骨太な質問ばかり。余裕をもってエントリーされることをおすすめします。


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