メモ7
「引き寄せの法則については、どう思いますか?ユングのシンクロ二シティとか?」
小出さんはこちらに顔を向けると僕の目をじっとみた。その目は僕の心臓に直に入るような感覚があって、はじめて小出さんをこわいと思った。
「引き寄せの法則はあると思っている人には、あるんだ。潜在意識を有用活用すると成功すると思っていれはそれは存在する。僕が言っているのはそういうことではなくて、例えば全部が水だってことなんだ。」
小出さんは言い終わるとキラキラしてた。なにか大切なことを教えてくれているのだろう。けど僕は、何か自分を盗られるような気がして、遮断した。でも僕の方が異物を抱えているというのはあきらかなような、小出さんが急におかしな人になったようなもやもや感がはっきりしないまま宙に浮いた。子どもをこわいと思う大人はこういう気持ちなのかもしれない。
「泡でも波でも、動かない湖の底も、全部同じ水なんだ。」
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