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Interview: キャピタリストとしての働き方~家庭との両立編~

こんにちは!ジェネシア・ベンチャーズの吉田実希です。今回は、「キャピタリストとしての働き方~家庭との両立編~」と題して、子育てに奮闘中のキャピタリスト、黒崎さんに仕事と家庭、そして自分時間とのバランスについてのインタビューしてみました。キャピタリストの働き方について、パブリックになっているリアルな情報はまだ限定的です。当記事を通して、キャピタリストへの転職に興味があるけれど働き方について不安が残る人、あるいは今キャピタリストだけど家庭とのバランスについて悩み中の人にとって、少しでも参考になれば嬉しい限りです。
それでは早速、黒崎さんとのインタビューに入っていきましょう!

黒崎さんってこんな人:

2011年4月に富士通株式会社に入社。約3年間大手通信キャリアに向けた基幹系システムや入退室管理ソリューションのエンプラ営業に従事。

2014年9月にSansan株式会社に入社。アーリーステージのタイミングで同社に参画し、社員数が数十名から1200名超になる急成長フェーズに7年間在籍。営業やカスタマーサクセス等のフロント部隊の組織設計、採用及び評価設計、マネジメント業務に従事。2019年にIPOを経験。

2021年10月に同社を退職後、海外MBAを経て2023年4月、株式会社ジェネシア・ベンチャーズに参画。慶應義塾大学/法学部政治学科卒。HEC Paris MBA。

現在3歳の娘の育児に奮闘中。
Twitter: https://twitter.com/Kurosaki_GV

Investment Manager 黒崎 直樹 & Senior Portfolio & Partnership 吉田 実希

仕事と子育ての哲学


― 黒崎さん、お疲れさまです!先週は連日ワンオペ中のお子さん発熱、本当にお疲れさまでした。

お疲れさまです!そうですね、妻が出張に出ており自分しか家にいなかったので仕事を調整せざるをえなくて、そのしわ寄せが今週前半に来てとなかなかハードな期間でした…

― 今日はまさにそんな仕事と家庭・育児とのバランスについて色々語っていただきたいたいと思います。まず初めに、黒崎さんの仕事に対する姿勢や哲学について教えて貰えますか?黒崎さんにとって仕事とはどんな存在でしょうか。

週7日のうち、基本的に5日は仕事をすることになるので、仕事というものを生活費を得るための労働手段と捉える生き方はちょっともったいないと、新人の頃から感じていました。人生の大部分を占めるなら、その時間を充実して意味のあるものにしたい。12年程度のキャリアを経て、充実した生活を送るための人生の糧になっていると本心で言えると思います。基本的に常に頭の大部分を占めていて、プライベートと仕事は区別せずに、混合した状態が自分にとっては自然な状態です。特にストレスも感じないです。

― 仕事について常に考えている状態が心地よいか、あるいはオフの時間は仕事は完全に切り離したいか、で仕事における成長スピードが全然違いますよね。私も前職時代に転職を考えたきっかけが「この仕事について24時間考えるほどのめりこめない。それでは成長できない」という自覚でした。

前職のSansanのバリューの一つに「仕事に燃え、情熱と愛情を注ぐ」というのがありますが、とても好きな言葉です。仕事について考えて、価値を作り、そのアウトプットで社内外の様々な人に影響を与えられるのは刺激的でエキサイティングな時間です。


― ちなみに奥様はどんな働き方なんでしょうか。

妻は大手企業に勤めています。在宅&デスクワークが大半なこともあり、仕事のコントロールはつきやすい働き方だと思います。繁忙期の波はあるので、忙しい時は結構大変そうですが、、仕事に対する優先順位や捉え方は僕と比較すると、マイルドというか。プライベートと仕事をそれなりに区切るタイプですかね。子どもがいるから仕事の優先度を落とす、というより元々そういう価値観だと思います。

― もう一つの重要な軸、子育てについてはどんな考えをお持ちですか?

子どもがどういう志向性を持つかはコントロール出来ないと思っているので、できるだけ自分自身で選べる選択肢を増やすサポートはしてあげたいと思っています。その第一歩として子どもの自己承認欲求を満たしてあげることは意識しています。日々のコミュニケーション―例えば褒める・励ます・NoでなくYesの出現回数を増やす、など―で培われていくかなと。なのでできる限り子供といる時間量を確保するよう意識しています。保育園の送迎は妻と分担していますが、例えば自分がお迎え担当のときは17時に仕事を切り上げて、保育園にお迎えに行き17時半ごろに帰宅。その後、夕食、お風呂、寝るまでの時間は一緒に過ごしてます。
とはいえ時間は有限なので、仕事、子育て、自分の人生の3本軸の要素のバランスを維持できる様に意識して、時間配分やコミュニケーションの割合を調整するというか、ポートフォリオマネジメントをしている感覚です。

― ちなみにバランスが崩れた時はどのようにリバランスしているんですか?

まさに、5月〜6月にかけてIVS参加などで仕事モードになり仕事のウェイトが上がって、バランスが崩れたところです。やっぱりバランスが崩れると何となく家庭内の雰囲気が悪くなるというか(笑)。そういった時は意識的に仕事を少しコントロールして、家族時間を増やすようにしています。

キャピタリストとしての働き方


― 黒崎さんは2年間のMBA留学を経て、今年4月にジェネシアにキャピタリストとして入社されましたよね。お子さんが3歳ということは、転職と同時に初めて子育てしながら夫婦共に仕事をしている状態になった、ということでしょうか?かなりチャレンジングな変化でしたね。

そうですね。キャピタリストって、新人・ベテラン問わず活動量が勝負だなと感じています。起業家やベンチャーキャピタル関係者と会う回数、支援先のバリューアップにかける工数、社内プロジェクトに費やす時間。質も重要ですが量をこなすことが、特に自分のような経験歴の浅い人間に求められるわけですが、子育て中だとどうしても平日夜や土日で使える時間に制約があります。冒頭で話が出たように、子供が病気になると尚さらですよね。実は入社前にどのような仕事をするか、計画書を作っていて。実際に1-2か月働いた結果「こういうアクションをすれば成果や価値が出せるはず」というイメージは持てたんですが、それが時間的制約で実行できない。理想イメージに届かない、成果を出せていない感覚があり、入社2-3ヵ月目はそれなりにストレスを感じていました。

― その悩みって今は解消されていますか?

多分、完全に解消されることはないですが、だいぶ薄まりました。きっかけとしてはチームに自分の置かれている状況を理解してもらえたことかなと思います。子育てをしている以上、仕事に費やせる時間がどうしても限られていることを対話を通じて理解してもらい、応援してくれていることを肌で感じ取れるようになりました。オープンに話す心理的安全性も高まりましたね。
あとは1-2カ月間キャピタリストをやってみて、自分なりに仕事のギアを上げるべきタイミングとセーブ可能なタイミングの判断軸や、仕事の優先順位付けのポイントが掴めたので、家族時間とのバランスを取りやすくなりました。例えば今週は業務量を増やすべきタイミングで土曜日も稼働が必要なときは土曜保育を使い、その代わり子どもへのフォローアップとして、落ち着いたタイミングの週末付近で有給を取り、動物園とプレイランドに行き、更にその翌日にもサンシャイン水族館に行って子どもが楽しいと思える時間の濃さを高めた、ということもありました。

― 強弱をつけられるのは一つ大きな特徴ですね。土曜日も仕事をすることがある、ということですが、土曜日もミーティングが入ったりしますか?

ミーティングは入れていないですね。社内のプロジェクトや、普段は後回しになりがちな緊急度が低いけど重要な仕事をするようにしています。土曜保育を使っているので、あえて子どもを預けてまで仕事をしているのだから!と気合いが入ります。


― パパならではの気合いの入れ方ですね!仕事に費やせる時間が限定的である中で、時間の使い方の工夫って何かされてますか?

徐々に朝方生活にシフトしてきました。夜に仕事をしたくても子どもの寝る時間が日によってまちまちで、それに振り回されるのがストレスになっていたので、夜は自分も早く寝て、5時に起き、子どもが確実に寝ている時間帯に仕事をする、というスタイルになりました。
平日の夜については週2~3日ほどのペースで夜の会食にも参加しますが、自分でアレンジできるときはランチタイムに会食をセットすることも意識しています。ランチ会食は酔わずにしっかりと会話ができるので笑、僕は好きです。ただ、そこは個人のコミュニケーションスタイルもあるので、ランチとディナーどちらのほうがいいか、は一概には言えないですよね。ランチにせざるを得ない状況に置かれているポジショントークの部分もあるかもしれません(笑)。
その他の時間の使い方の工夫でいうと、24時間で使った時間を全てエクセルに書き出して2か月間管理し、無駄の多い要素を洗い出しては削っていきました。出た方が良いが必須ではない社内会議やプライベートのイベントは可能な限り整理をして、重要事項に集中できる環境を作りました。

― 自主的にそのPDCAを回せるのはすごいですね…!お話を聞いていると足元でだいぶ仕事・家庭・自分の人生、の3本軸のバランスが取れてきた印象を持ちますが、調整をしていくにあたりジェネシアの制度やカルチャーなどで助かったものはありますか?

同世代の子育て家庭や、子育て経験者が多いので理解があるのが大きいですね。先日も子どもの体調不良で急に休まなければいけなかったとき、何も言わずとも実希さんが「次の会議、欠席で大丈夫ですよ」と言ってくれたり、たかさん(GP)が「代わりに説明しておくから無理しないで」とメッセージくれたり。田島さん(CEO / GP)も、僕が置かれている状況を理解し応援してくれるのは心理的安全性がすごく高まります。
あとは細かな制度面の話ですが、一時間単位で有給取得できるのは結構便利です!通院など子ども関係で野暮用があるときに活用してます。

とある1週間のスケジュール


― もし良ければ、具体的にどんなスケジュールで一週間を過ごしているか見せてもらえませんか?

どうぞ!こんな感じです。

黒崎さんの一週間のスケジュール。黒字=仕事、緑字=家族、青字=自分時間

― なるほど、平日もしっかりと朝晩家族との時間を過ごされているのが印象的ですね。土日も平日中にさばききれなかったタスクに取り組んでいるんですね。土曜日のYouTube観て踊るが気になります(笑)。今度お披露目してください!
夕方、仕事を切り上げて家族時間に入る時って、ちょうど他の人が日中の会議を終えていろんな連絡が来る時間帯だったりするのですが、切り上げる際に気を付けていること等ありますか?例えば私は、夕方の時間はどうしてもタイムリミットがあるので中途半端なところで切り上げざるを得ないのですが、寝る前までにはすぐ返信できることや対応できることについてはボールを相手に渡してから一日を終える、というのを意識してます。そうすると翌日私がバタバタしている間に相手方が進めてくれるので!

そうですね、ご飯やお風呂の隙間時間はあるので、そこで返信できるものはなるべく全部のボールを返すようにしています。ただ全部は返信できないので、だいたいは翌朝5時に起きてすぐ返信をして、他のメンバーが始業するタイミングで手元にボールが返ってきている状態にはしたいなと思っていますね。

― ご飯・お風呂の隙間時間まで活用するのは鉄人級ですね(笑)。 自分と周りの稼働時間帯の時差をうまく活用して、スピードを落とさず進める工夫は重要ですね。

黒崎さんが描く理想的な働き方について


― 家庭・仕事・自分の三本軸のバランスについて何度か触れてきましたが、どんな状態が理想ですか?

理想を言うと全部をバランス良くして、家族全員が幸せを感じる時間をできるだけ継続したいです。独身時代は今以上に仕事大好き人間で、仕事ばかりしていましたが、自分の仕事へのコミットがボトルネックになって、妻や娘にネガティブな感情を感じさせてしまうのは、避けたいなと。家庭と仕事両方で満足度を上げていくことが重要で、その2つと比較すると自分時間は少なくても良いかもしれません。大体4:4:2ぐらいのイメージです。

― その理想的な状態に向けて何かアクションを取っていることはありますか?

仕事においては何よりも成果志向であること。自分の最大・最善のアウトプットや成果を連続して出していくことを意識しています。時間的な制約条件がある中で、日々「自分は本当に時間を有効活用出来たのか?やり切ったのか?」と自分に問いを投げ続けることを意識しています。正直やりきれない日もありますが、その日を後悔して次の日・週はもっとやろう!と自分の中で内省してアクションを継続させていくことは忘れてはいけないポイントですね。

― 最後に背筋が伸びるコメントをありがとうございます!これからも同じ子育て中の親として、バランスを保つための工夫やハックを教えてください!

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