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スマートホームカオスマップの制作と裏話

だいぶ投稿が遅くなったのですが、この度、ライフテックコーディネーターの私が、スマートホームに関わる企業やサービスのカオスマップの制作に携わらせていただきました!
ここでは、その時の背景と込めた思いについて触れさせていただきたいと思います。
正式なページはこちらです!

スマートホーム産業カオスマップ2024

このカオスマップは去年から更新された第二版になるんですが、第一版は一ユーザとして参考にさせていただき、「スマートホームの業界って思っている以上に広くて深い。。!」という気づきを得ることができる素晴らしいカオスマップだなという印象でした。それは今の活動につながっていると思っています。

そんなお手本のようなカオスマップを更新するという中で、光栄にも「一緒にやりません?」とお声がけいただき、あまりにも嬉しくて二つ返事で快諾させていただきました。

作成に関わる方も前回と引き続き、この業界で全力でスマートホームの推進をしているX-HEMISTRYの新貝さんと、スマートホームについて業界跨いだ協会でもあるLIVING TECH協会の事務局長をやられている長島さんという尊敬するお二人だったので、この業界のことを知る上での学びがさらに深まるのではと期待したのも関わった理由の一つです。

一方で私自身、「スマートホーム」をもっと多くの家庭で当たり前にしたいと思う気持ちが大きかったので、下記のようなエッセンスを加えたいと提案もさせてもらいました。

  • 攻め:カオスマップを通じてもっと企業同士の連携を深め、標準化していく流れも創りたい。

  • 守り:企業リストをデータベースとして整え、さまざまな切り口で分析できるようにしたい。それにより、業界の傾向が読めたり、相性のマッチングを考えられたりしたい。


まず「攻め」の部分についてです。
一つの企業でプラットフォームから、デバイス作り、ユーザへのデリバリーまで行うのはかなり大変というのがあり、資金力のある大きな会社でしかなかなかやりにくい部分があります。

しかし、それぞれを分業化し各領域で強みを持っているプレイヤーもいて、実際世界のスマートホーム企業を見ると特化したサービスを提供しそれらの組み合わせで一つのサービスが実現しているケースが散見されます。

今回日本のプレイヤーでの実績で見ると、三井住友海上がリリースしたMS LifeConnectというサービスはまさにその一つで、Alarm.comという、アメリカを拠点にグローバルでセキュリティサービス(機器とプラットフォーム)を展開しているサービスをベースに三井住友海上さんのお客様にデリバリーする形でサービスが実現しました。

私はもっとこういう事例も増やしていければと思っていて、IoTの基盤がない会社でも自社特有の技術力やネットワークを活用しながら、協業できるプレイヤーと共に新しい課題解決を提案することができるのではと思います。自社に閉じたケイパビリティに留まらない、今までにない素晴らしいサービスがどんどん生まれるのではと思った次第です。

今回のカオスマップでは、SHaaS*という、スマートホームのプラットフォームを提供する企業を追加しようと考えているという新貝さんのお話を受けて、まさにそれだなと思い。Alarm.comもその一つとして入っています。他にも色んなプレイヤーがいますので、それぞれの企業の方々がここを眺めて「自分たちにないパーツは、ここと組めばできるかも」と思ってもらうきっかけになればいいなと思っています。

*SHaaS(スマートホームOEM提供)
スマートホームプラットフォームをB2B2CでOEM型提供するSmart Home As a Serviceは、スマートホーム産業に新規参入したい事業者にプラットフォームを提供することで事業立ち上げの初期費用や運用コストを抑え、参入障壁を下げることでスマートホーム業界の発展に一役買っているプレイヤー

※カオスマップの解説から引用

二つ目の「守り」についてです。
今回このカオスマップは国内のみならず海外の状況も見えるようになっているので、全部で400ロゴ(ユニーク数で359ロゴ)と、情報量がものすごいことになっています。

データが多ければ多いほど見える景色のバリエーションが増えてくると思う私としては、それぞれの企業についてメタ情報を付加することで、より今後の分析に役立てられたらと思いました。

普通に企業の名前をリストにするだけでも辞書としてはすごく使いやすいのですが、例えば拠点となる国の情報などを付加することでどこの国の会社がどのジャンルに強いのか見えてきたり、複数ジャンルにまたがるサービスの特徴はどうなのか、日本で展開している企業のうち海外企業はどこの国が多いのか、その推移はどうなのかなど、データがあれば切り口を変えて業界の変化も捉えることができるのかなと思います。

日本市場だけ見ていたら見えてこない景色が見えてくると思っていて、各国で向き合うべき優先度の高い課題に合わせてジャンルも発展しているというような見え方もできます。ひるがえって日本における展開のヒントも得られるかもしれません。

さらに、日本が世界と比べて先んじて向き合う課題についてスマート化で解決できるソリューションが生まれれば、それを世界に先駆けて発信することもできると考えます。たとえば、見守りであったり、エネルギーマネジメントだったり。

そんなあれこれをデータとして整えることで、攻めにも転じやすいような流れが作れればと思っています。
今回は私が大好きなNotionを使ってその辺の整備を一任いただいたので、私がときめく素敵なカオスマップデータベースを作成することができました。内容は当メンバーの知見の結集みたいなものなので公開は難しいところではありますが、今後の展開に活かしていきたいと思っています。


そんな感じで3人で意見をすり合わせる機会をたくさんいただき完成したのが今回のカオスマップです。無事、世に出すことができて感無量であります。

このカオスマップを通じて「スマートホームと自分のビジネスの掛け算考えてみよう!」とか「まず自分の家をスマート化してみよう!」と思っていただける方が一人でも増えてくれたら嬉しいです。

以上、振り返りでした!


追記:
新貝さんサイドの秘話も公開されましたので、よかったらこちらもご覧いただければと!よりカオスマップの解像度が上がるかと思います。


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