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APIスタートアップがおもしろい!

最近、APIスタートアップに興味があります。

APIは、アプリケーションプログラミングインタフェースの略で、ソフトウェアディベロッパーに対してデータや機能のみを提供するソフトウェアです。例えば、古くはAmazonが(確か)2000年代の初期に、カタログデータをディベロッパーに公開し、ディベロッパーがアフィリエイトサイトなどを構築することを支援しました。その後、Amazonに習ってネットメディアやECサイトが集客目的でAPIを公開したり、広告関連のAPIが一般的に使われ始めたと記憶しています。

API専業スタートアップが出現し始めたのは、Twilioが創業された2008年頃でしょうか。Twilioは、コミュニケーション機能(SMS、チャット、ビデオ、モバイル通信等)をAPIを使って提供する会社です。自社で直接ユーザにサービスを提供せず、あくまでもディベロッパーにAPI経由で各種サービスを提供し、ディベロッパーが自分のプロダクトにTwilioを使ったコミュニケーション機能を搭載します。Twilioのビジネスモデルは、APIを何回アクセスしたかによる重量課金です。同社は、2016年にIPOし、2020年9月8日現在では、$33.66Bの時価総額を付けるまで成長しています。

さらに、フィンテック業界の人の間では有名なPlaid。フィンテックアプリに対して、ユーザの銀行口座へアクセスするためのAPIを提供しています。2020年1月にVisaが、$5.3Bで買収すると発表しました

TwilioやPlaidのように、ディベロッパーに対して必要だけど汎用的な機能をわかりやすいAPIで提供するスタートアップが出現し、それらのAPIを利用するプロダクトが成長することによりAPIスタートアップの価値も上昇しました。

そして、Plaidのように銀行口座の情報を第三者にアクセスさせるためにはOAuthといったユーザ認証のための決まりごとの標準化も寄与したと思います。

プロダクト開発にAPIを取り入れることが一般的になり、認証を含めたセキュリティの整備、クラウド・SaaSの普及などが手伝って、いろんな分野でおもしろいAPIスタートアップが出てきています。以下、いくつかのスタートアップを紹介します:

モビリティ

Smartcar: 車の情報へアクセスできるAPIを提供。現在19のメーカーに対応。例えば、ガソリンや電池の残量、位置、オイルやタイアの空気圧の情報を取得やリモートでのドアのロック・アンロックが可能。

給料データ

Pinwheel, Finch : 企業の給与システムへアクセスするAPIを提供しています。例えば、収入証明書を住宅ローン審査用に用意する場合、これまでは人事に頼んで出してもらう必要がありましたが、これらのスタートアップのAPIを利用すれば、社員が許可をした後、銀行はすぐに給料情報を見ることができます。

ヘルスケア

Human API: ウェアラブルから電子カルテまで28,000にも及ぶ情報ソースからユーザのヘルスケアデータを集めてAPI経由でディベロッパーへ提供しています。どの情報をHuman APIと共有し、そしてHuman APIはどのディベロッパーへどの情報を共有できるかはユーザがコントロールします。

会計システム

Codat: SMBが利用しているメジャーな会計SaaSの情報を閲覧したり書き込んだりできるAPIを提供しています。

農業

Leaf: 農作機械、農地の境界線、衛星・航空・ドローンで撮影した写真をAPI経由で取得できる。


今後、APIはディベロッパーに限らず、ノーコードやローコードツールでも利用が可能になれば、さらに多くの利用者を獲得できることが期待できます。さらに、オフィスアプリケーション+ヘルスケアAPIといった新しい組み合わせのプロダクトも生まれ始めています。

APIスタートアップ達から目が離せません💦