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愛知県のKさんは若い頃に外反母趾を発症し、靴探しでずいぶん苦労されたそうです。今まではこれはと思う靴でどうにか歩けたそうですが、最近、母趾のつけ根と共に指先まで痛くなってしまいました。心配になったご家族と一緒に相談に来られました。

靴選びのポイントの一つ「つま先余裕」

足は片方だけで28個の大小の骨が関節でつながっています。歩行時、片足に全体重がかかると土踏まずは床方向に下がり足は前方向に伸びます。同時に関節面もタテ方向に伸びます。個人差はありますが、合わせて平均8ミリほど前後に伸びると言われています。靴のタテ寸法と足のタテ寸法(足長)が同じだと歩行時の足の伸びしろが足りないので、足指を傷めてしまいます。このため立った状態で靴の前方内壁までに1㎝ほどの余裕をとっておく必要があります。これを「つま先余裕」または「捨て寸」と言います。

大きくゆるい靴が足に及ぼす影響

外反母趾の方は母趾や小指のつけ根が張り出しているのでできるだけ幅の広い靴を選ぶ傾向があります。靴のサイズを上げていけば容積が増えるのでゆったり感が出てラクに感じます。しかしこの時、靴幅の容積だけでなく靴全体は大きく「ゆるい」状態になっています。
足裏はとても敏感な部位です。足裏に微少な砂粒が付いたりご飯を踏み潰して「気持ちが悪い」と感じますね。大きめのゆるい靴を履くと足裏は脱げそうに感じるため脱げないように足の指先に力を入れて踏ん張って歩くことになります。また、下り坂を歩くと靴が前方向に突っ込んでいくので、足指が靴のカベぶつかりやすくなります。痛みを我慢していると、爪が変形したり皮下出血をおこして黒ずんでしまいます。爪の生え際辺りにタコがあたったりウオノメができることもあります。炎症を起こすと熱を持ってしまいどんな足に合った靴を履いても歩くのが難しくなるので気をつけないといけません。

「捨て寸」をシッカリ確保できる靴を選びましょう

Kさんの場合も靴幅や容積だけの靴選びをされていたので、母趾と小指のつけ根(足幅と言います)にゆとりを持たせると同時に足がしっかり留まる靴をお勧めしました。足に合った靴で歩くと足と靴が一体になるので靴が軽く感じますしかかとから着地する正しい歩行を促してくれます。
「いつもすり足で歩いているけど、姿勢も良くなった感じだよ」―付き添われたご家族もご本人も得心のいく靴に巡り合っていただけたようです。

たかが靴されど靴。ご本人の笑顔は家族の笑顔につながるのですね。そんなことを感じました。お役にたててうれしかったです。

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