再起の道すじが見えてきたのか、そうでないのか。【美術館再開日記5】
予定がすべて吹っ飛んでしまった展示室をどう使うのかは、最終的には金勘定の問題である。だからこそ、(なけなしの)お金を動かす志のありようが問われる。ボロボロなのに、あくまで「美術館」として展示室を開け続ける、とはどういうことなのか。思えばこれまで国内外で大きな厄災が起こるたびに、各地の美術館はその問いに直面してきたのだった。
いまとっさに(すごい飛躍とともに)頭に浮かんだのは、たとえば宮城県のリアス・アーク美術館。2011年の東日本大震災のあと、大津波で被災した地域のモノを収