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ホテルスタッフの不安と葛藤と喜びと

” 名前を言ってはいけないあの人 ”

ハリーポッターの中でヴォルデモート卿は恐ろしさのあまり、世界の人々からそう呼ばれていました。今、僕の中で新型肺炎はそれに近い存在になりつつあります。Twitterを見ても、テレビを見ても、職場で電話の問い合わせや、キャンセルのメッセージを見ても毎日目にする言葉なので、もう…見たくない…と正直思ってしまいます。

あまりマイナス面を取り出して話すのは嫌なのですが、このような経験は人生の中でもあまりないと思う(思いたい)ので、何を感じているかを残したいとなったので書いてみたいと思います。書くかどうかも迷いました…

不安

現在、飲食店や宿泊業は直接的な影響を受けています。海外からのゲストはパタっと少なくなったものの、3月中旬くらいまでは国内のゲストで稼働が非常に高かったです。大学生の春休みということもあって「あれ?あんまり影響ない?」と思っていたくらいです。

そしてここ数日になって東京五輪の延期が決まり、外出自粛が始まって国内の方のキャンセルも増えてきました。あまりに急展開なので、寝て起きたら「えっ!」と驚くことが毎日発生しているような状態。いつまでこの状況が続くかわからない、そして日々深刻になっていっている…

また、東京のホテルのスタッフが感染した際にホテル名が出て心底不安になったのを覚えています。自分が感染してしまったら、ニュースでホテル名も出て営業停止になるんじゃないか…ホテルにくることを楽しみにしてくださっていたゲストの方々がこられなくなる。これまでチーム一丸となって目標達成に向けて頑張っていた努力が自分のせいで水の泡になるんじゃないか…

この、不安と常に隣り合わせな状態で日常業務+特別対応をするのは精神的にも肉体的にも結構きます。疲れから休日はずっと寝るみたいなことにも私はなりました。


葛藤

ホテルは移動して来ていただくことが前提です。来て、宿泊してくださることでビジネスが成り立っている中、移動すること自体が良くない現在、今までのように自分が働くホテルについて情報発信することに葛藤が出ました。

お越しいただきたいけど、それはゲストにとって良いことなのか?ゲストのみならず、みんなにとって良いことなのか?その葛藤は今でもありますし、答えは出ていません…

この京都という土地でホテルを運営しており、「ホテル戦国時代」と呼ばれている中であっても魅力的なコンテンツ・宿泊体験をみんなで知恵を絞って考えて、選んでいただけるようにすれば良いので難易度は高くとも考えやすい状況でした。それが今は違う。これは大きな変化でした。


喜び

そんな日々の中でも喜びがあります。ありきたりな表現かもしれませんが、それはゲストが楽しんでくださる姿を見ること。(ほんとこれに尽きるねんな〜〜)

Caoriさんが素敵なハッシュタグで投稿されていたので私も

#ゲストに言われて嬉しかったこと

について考えたのですが、私の場合はいただいた言葉よりも表情がすごく記憶に残っているな〜と振り返っていました。

先日、家族4人で宿泊してくださった方がいました。お父さんとお母さん、小学生と中学生ぐらいの女の子のご家族です。お子さんはHOTEL SHE, KYOTOのような雰囲気のホテルが初めてだったのか、ホテルに入るなり「うわー!すごい!」と言いながら、目をキッラキラに輝かせていました。

レコードや、プライベートブランドの服を見ても、アイスクリームのケースを眺めていても嬉しいリアクション。あの心の底から楽しんでくださっている姿を見るのは仕事をしていて最高の瞬間です。

今回、SHE, KYOTOに泊まったことでちょっとでもホテルが好きになってくれたら良いな、家族4人で旅行をしたことが楽しい思い出になったらいいなとここぞとばかりに全力でサービスしました…!

(ほんと、素敵な家族だったな〜〜)


そんな瞬間に今後も立ちあえるように、ホテルに来ていただくことが心の底から喜びになるように、1日も早く収束に向かうことを切に、切に、切に願っています!それと同時にこの困難をサバイブできるように私自身も全力で頭をひねって、継続的かつより良いサービスが提供できるようにできることを考えます。

あの丸メガネのハリーが” 名前を言ってはいけないあの人 ”を打ち負かしたように宿泊業のみんなさん頑張りましょう〜〜!!!


よろしければ・・・

L&Gの各店舗で使える宿泊券ご用意しています…!今後も最高の宿泊体験を提案していきたいので応援購入していただけると嬉しいです。





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