お茶の相手は小山田君

小沢健二さんの記事をまずは書いたのだもの、小山田圭吾さんの記事も書かなくてはね。
それになんと言っても今回の小山田君のエピソードはタイトル通り、お茶した話しなんである。
だからと言って友達だった訳ではもちろん全く無くて、多分ご本人はその事なんぞ100%忘れてらっしゃるだろう。
ほんの1時間程度のお話なのである。

私が小山田君とお茶出来たのは…
何度も書いたdictionary編集部にいたおかげ。
当時のdictionaryには巻頭の特集やレギュラーだった選曲ページの他に様々なコーナーがあった。
その中でもマニア中のマニアの為のアナログオークションというコーナーがあって、私はそれを担当させて貰った。
様々なDJや選曲家の方が出したアナログレコードに紙面上でオークションをかけ、最高値の方へお売りするというそのコーナー。
どうせなら自分の好きな人に頼んじゃえ!と、小山田君に依頼した。
その時、多分、フリッパーズ・ギター解散後からコーネリアスをやる前の時期で、小山田君への依頼は自宅電話だった。
電話に出たのは某kmkrさん。
その頃はまだ彼女も音楽活動はそこまでしていなかった。
消え入りそうなウィスパーボイスで丁寧に対応してくださった。
受話器からその美しさと可憐さ可愛らしさが漏れ出ていた…
そしてご本人から承諾を頂き、出品なさるレコードを受け取りに行く段取りとなったのである。

指定されたのはHMV渋谷の2階の喫茶店。HMV渋谷はdictionaryの配布店でもあったので、伺う機会は多かった。

ソワソワソワソワ…

人生でソワソワする事は数多く経験したけど、こんなにソワソワすることも無いだろうって位、私はソワソワした。

程なくして、あちらからやってきた小山田君。
私は心の中で、ライブ見に行きまくってましたよ!と叫んでいた。
雑誌記事も読みまくり、CDなんて擦り切れる程聞きましたよ!
解散は残念でしたが、今もリスペクトです!!!
とこれまた心の中で叫んでいた。

が、言わなかった。
言えなかったのである。
なんか曲がりなりにもペーペーなりにもdictionary編集部の人間という肩書きが重く重くのしかかっていたのである。
だって、あの!dictionaryである。
小山田君も、開口一番な位に、僕、大きい版の頃から読んでましたよ、と。
今で言う、ちょっとしたマウント?
でも、カッコイイですよねと褒めてくださった。
すみません、私、A4になってから読んだ口です…とも言えず、
そうですか、ありがとうございますとお礼言うのがやっと。
まさに、口の中はカラカラさ!状態。
多分小一時間位は話したはずなんだけど、何を話したのかあんまり覚えていない。これは記憶力の低下というより極度に緊張していた為だと思われる。
結局、小山田君が出品したアナログレコード、小山田君らしいよね、な、映画BLOWUPのサントラは史上最高値の35000円程がつき、お支払いをしたのでありました。

以上、私が小山田君とお茶した話しでした。
オシャレでクルクルよく動く瞳が特徴的な素敵男子でしたよ。

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