経済的な安定を求めて看護師になったら…

私が看護師になった大きな理由は経済的なことです。こういう看護師は多いと思います。

私が高校のときに両親が離婚したのですが、母親が経済的にかなり苦労をしていたのを見て、私は手に職をつけようと思いました。

医療系に進みたいという希望があり、臨床検査技師、放射線技師、作業療法士、理学療法士なども調べましたが、偏差値が高かったり学校が遠かったりで、地元からあまり遠くなく確実に学校に入れる看護師を選びました。看護師は短大も専門もあります。

たまたま運良く大学に受かったので大学に行きましたが、この時は、後にカナダで正看護師になる際に大学卒がこれほど自分の身を助けることになるとは知りもしませんでした。

そもそも海外で働くなんてこれっぽっちも思ってませんでしたしね。

そんなこんなで歩き始めた看護師への道ですが、授業はそこそこ適当に受け、大変な実習を乗り越え、アルバイトや部活、クラブに精を出し、国家試験をパスして晴れて看護師に。

実家の近くに県立の子供病院があり、母親が、私は体が小さいから子供のほうが扱いやすいだろう、公務員は安定してるなどの理由で勧めてきた子供病院へ就職。

自分が子供好きだったという幻想をここで打ち砕かれます。子供がだーーーーい好きな看護師の多いこと。それに比べたら私の子供好きは大したことがなかったです。

新人の頃は大変でした。慣れないし覚えること多いしミスは子供達の体調に直接結びつくし。

それでも、良くなって退院していく子供と親の笑顔を見たり、忘れられない患児と親との出会いがあったり、若くして亡くなっていく子と関わったり、親がどんな思いで在宅の子供たちを見ているかを知る中で、看護師も悪くないなと思い始めました。

患者さんや家族の人生のなかで限られた期間だけの関わりしかない看護師ですが、時に大きな影響を与えたり、時にすごく感謝してもらえたり、人生の終わりとなる最期の時に側に居させてもらったり、看護師を15年もやっていると本当に色々な事があります。

凹むことももちろんありますし、色々と難しい患者さんもいますけど、それに上回る良い事があったりもするんです。

経済的に働かなくて良いのなら看護師としては働かないかもしれません。でも生活するために何かしら仕事をしなくてはならないのなら、看護師は自分にとって妥当な職業であるといえます。

またカナダでは看護師という職業に対する尊敬の気持ちが大きいことも良い点ですね。

私の性格的に、人から感謝されることが自分が生きていく、仕事をするモチベーションに繋がっていると思います。自己中心的ではありますが…。

経済的な安定のために選んだ看護師ですが、今のところ嫌にならず、キャリアアップも考え、楽しみながら続けられているという事を考えたら、この選択は間違いではなかったと断言できます。

5年後10年後、自分が看護師としてどんなキャリアを築いているかを楽しみにしながら、患者さんや同僚たちに元気をもらいつつ、看護師を続けていきたいなと思っています。



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