【観戦記】★感動のノーサイド★ラグビーワールドカップ2019 プールA 日本vs.サモア
この感動と両チームへの感謝とリスペクトをどう伝えたらいいのか・・・
初の決勝トーナメントに向けた戦いは、最後に感動と感謝が待っていました。
対戦カード
日本は、試合開始前時点でプールBで1位。ロシアからのボーナスポイントを獲得し、世界ランキング2位(当時)のアイルランドを撃破して波に乗っています。対するは、この試合で負けるとプール戦敗退が確定するサモアは、絶対に負けられない意気込みです。
日本は、決勝トーナメントに進むためには、1敗で追いかけてくるアイルランドとスコットランドに対して、少しでも優位に立つために、4トライ以上上げてボーナスポイント5で勝利したい試合です。
試合前
会場は豊田スタジアム。4階席まである大きな会場が、赤白の桜のジャージで満席です。試合開始前の練習から、キャプテン・リーチ選手や地元出身・姫野選手が姿を見せるたびに会場から拍手が起こる熱気。
いつものJSPORTSに加えて、日テレも現地からゲストが出演。スペシャルMCの上田さん、ラグビー(元)日本代表の畠山選手、立川選手。試合前から盛り上げました。
試合前には、国歌(アンセム)斉唱後には、サモアのウォークライ「シビ・タウ」が踊られました。日本は一列で肩を組んで応戦。その後は日本のいつもの10mから22mラインへの全員で行うダッシュの往復で気合が入りました。
試合経過
前半最初から攻め込む日本。前半2分、7分には攻め込んだ日本に圧倒されてか、サモアが反則。SO田村選手のペナルティーゴール成功で続けて得点をあげます。サモアも負けじとSOタエファ選手がペナルティからのロングゴールを決めます。前半27分の初トライまでは、両チームともペナルティーゴールのみで、9 - 6 と競り合います。
最初のトライは日本。サモアの選手がシンビン中で日本が数的有利に立っている前半27分。攻撃するサモアをタックル、さらにFLリーチ選手がジャッカルでボールを奪うと、そのままFWを中心にボールを展開して前進。ゴール前までボールを進めます。FWで突破すると見せて、最後は外へ。複数人で待つ左サイドに展開し、CTBティモシー選手がゴールラインに飛び込みました。
前半を 16 - 9 で日本がリードをして折り返します。
後半は早い時間にFW一列目を全員交代。その後も早いメンバー入替をしてインパクトを狙います。
後半最初のトライも日本。後半52分に、相手ゴール前10mあたりのラインアウトから、そのままモールで前進。最後はモールにBKメンバーも入って、ゴールラインを突破。ほぼ全員でトライを取りました。
サモアに1トライ取られた後の後半75分。FWで左サイドのゴールラインまで攻めてもサモアのディフェンスに阻まれていたところを、SH田中選手が一気に横展開。右サイドで待っていたWTBレメキ選手まで渡りダッシュ、最後は途中出場で入った福岡選手がトライ。3トライ目を上げます。
あと1トライでボーナスポイント、というところでフルタイム。
どちらかが切ったら試合終了、ボーナスポイントなしか... と会場も思ったのですが、最後まであきらめないサモア。自陣のゴール前でのペナルティでスクラムを選択。そこでサモアが反則をすると日本のチャンス。相手ゴールまで5mの位置でスクラムのチャンスを得ます。
スクラムからボールを出したNo.8姫野選手が突進、相手の強いタックルで止められるものの、フォローに入ったSH田中選手が、WTB松島選手とFB福岡選手の俊足二人が待つ右サイドに展開。WTB松島選手がフェイントで相手のラインに隙間を作ったところに走りこんでトライ!!!!
後半84分でトライを挙げて、試合を決めました。
今試合のMVP
PoMはWTBレメキ・ロマノ・ラヴァ選手。自身はトライがありませんでしたが、キックオフ時などのハイパント処理、トライゲッターをアシストするパス、さらにはボールを持った時のスピードあるゲインは、サモアを大いに撹乱し、日本の勝利に大きく貢献しました。
この試合は、リーダーチームを中心とした全員の確認が、今日の最大の勝因だったように思います。細切れになるタイミングごとに全員、または次のセットプレーのメンバで集まって確認をしていました。FWはセットプレーをきっちり決め、相手をパワーで抑え、BKはスピードでサモアを圧倒しました。
写真
試合を終えて
選手・スタッフだけでなく会場に来ていた観客の多くが意識していた「ボーナスポイント」を獲得したJAPAN。80分のフルタイム後の盛り上がりは最高潮に達しました。
ボーナスポイントを獲得したことで、前回大会の「3勝したのに決勝トーナメントに出場できない」という悲劇の再来は回避しました。
サモアは点差では追いつけないので勝てない、とどこかでサモアのメンバーも感じたと想像します。それでも最後まで1トライを取るために、最後までトライを取りに行こうと必死に戦いました。サモアの必死さがまたこの試合を素晴らしいものにしてくれました。
おまけ(恒例の試合後)
SO田村選手とトゥシ・ピシ選手がジャージ交換。トゥシ・ピシ選手は日本のトップリーグ・サントリーでプレーをした日本にとっては馴染みのある選手です。このジャージ交換はうるっときました。
そのあとは恒例の両チーム一緒に会場の4面にお辞儀の挨拶。会場の観客は最後まで惜しみない拍手を送りました。
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