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ラグビー博士が語る世界と日本の現在

ラグビージャーナリスト・小林深緑朗さんと村上晃一さんのトークイベントが開催されました。1時間のトーク+1時間の懇親会の予定が、2時間たっぷりの息もつかないくらい面白いトークライブとなりました。

印象に残った話(1) シックスネーションズ 2020展望

シックスネーションズ(欧州の強豪6か国による代表の総当たり戦)はROUND2を終わったところ。新型コロナウィルスのイタリアでの拡大を受けて ITA vs.IRE 戦が延期するなどの影響が出ています。

第3節を終わって、唯一の全勝がフランス(FRA)。自国開催となる次のワールドカップ、ラグビーワールドカップ2023に合わせて、新人を12人入れるなど、若い世代が多く参加しています。
フランスを率いるガルティエHCは、W杯直前に前HCから交代。さらにDFコーチには、元ウェールズ代表のDFコーチのショーン・エドワーズCが加入。W杯でベスト4のウェールズが見せた堅いディフェンスをフランスが引き継ぎます。

次の注目は、ウェールズ。長年チームを率いた名将、ウォーレン・ガットランドHCが退任し、ウェイン・ピバックHCが就任、前HCの残したチームをさらに発展させ「ボールを回す」展開ラグビーを目指すとのこと。

後は好調のイングランド(ENG)。W杯後、HCは引き続き 名将エディー・ジョーンズHCが継続するもののコーチ陣の多くが入れ替え。
特に注目なのがアタックコーチのサイモン・アモールC。7人制ラグビーのコーチの経歴から今までにない攻撃のアイデアが出てくることが期待されます。

印象に残った話(2) アメリカ大陸のラグビー事情

ラグビーはいわゆる旧・英国領の歴史のあるオセアニア・南アフリカ、または欧州のスポーツと思われますが、今は南北のアメリカ大陸でも盛んで、プロリーグが開催されています。

北米・アメリカ合衆国は、サントリーサンゴリアスから渡米した畠山選手が参戦する、メジャーリーグ・ラグビーがあります。畠山選手は、ニューイングランド・フリージャックスに所属しています。

東西の2カンファレンスに分かれて2019シーズンが始まっています。
過去に一度ラグビーのメジャーリーグ化に失敗しているアメリカですが、今度は資金源もあり、また、欧州や南半球から有名選手が多く参加しており話題性もあることから、今回は成功するだろう、とのこと。

中南米地域にも、複数の国によるリーグとして、South American Six Nationsがあります。日本では全くメージャーではありませんが、1951年から開始されている伝統ある大会。
強豪国のアルゼンチンを中心に、W杯で奇跡の勝利を起こしたウルグアイ、そのほかにチリ、ブラジル、パラグアイ、コロンビアが参加しています。

アメリカ合衆国が、ラグビーワールドカップの誘致を目指している、という話もあります。新しい国のレベルが上がってくる、つまり競争が激しくなることは、ラグビー界全体にとっても良いことです。これからが楽しみです。

印象に残った話(3) 新リーグ構想

日本ラグビーフットボール協会から提示されている、2021年秋開幕の新リーグ構想。

これから参入チームが手を挙げる中で、すでにいろんな問題が議論されてます。小林さんは「問題は全て 昇格・降格 の問題に帰着する」とのこと。
例えば、SOには日本人が少ない問題。昇格・降格があるから、チームとして収益を上げてチームを維持するためには、より上のリーグにいることが必要不可欠。そのために、司令塔ポジションとしてゲームを設計・実行するSOには、日本人選手を育てるよりも、海外でプレーした実績をある選手方がコストパフォーマンスが良い、と考えるチームが多い。
1つ1つの問題に対応するのか、対応するにはどうするのか、はこれから考えることではありますが、複数チームが参加して既定のチーム数を超えたら、順位争いの中で、どうしても発生する問題はあるのかと思います。

それでも、各チームが「チーム名(地域名を入れる」「事業体(ラグビーを事業部門にする)」「ホームグラウンド(正式な計画がある、または実在する)」の条件を考えながら手上げをしようとしています。楽しみです。

最後に

ラグビージャーナリストでもあり画家でもある小林さんのイラストがプレゼントされました。
「SportsはRugby 人はネルソン・マンデラ」

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村上さん、小林さん、ありがとうございました。

(おまけ)マヌカさんの美味しい料理

今野イベントの会場になったのは、東京・蔵前にあるニュージーランド料理のお店「Cafe&Bar Grill MANUKA」さん。ラグビーに関するイベントも多く行われます。

今回はチキンメインにしたワインにピッタリのお肉料理をいただきました。ありがとうございました。

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