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【RWC2023】🇳🇿🇿🇦1秒も見逃せなかった決勝戦

ラグビーワールドカップ2023™フランス大会。
51日間の大会もいよいよ最後の試合となった。

決勝戦はニュージーランドvs.南アフリカ。
これまでにいずれも3回優勝しており、今回勝利した方が史上最多の4回目の優勝となる。南アフリカは前回大会を優勝しているので連覇がかかり、ニュージーランドはその前の大会で優勝しているので王座奪還となる。

死闘の80分を制したのは南アフリカだった。

「矛」ニュージーランド🇳🇿🆚🇿🇦「盾」南アフリカ

ニュージーランドが負けたフランスに勝った南アフリカ、南アフリカが負けたアイルランドに勝ったニュージーランド。世界ランキングトップ2になった2チームが激突した。

🏉10/28 21:00KO(日本時間10/29 4:00)@Stade de France
📺日本テレビ系/JSports /Hulu/TVer

準決勝までで全チーム内で最多トライ・最多得点を挙げているニュージーランドと、準々決勝・準決勝を1点差で守り勝ちしてきた南アフリカ。プレースタイルが反対の「矛」と「盾」の戦いだ。

南アフリカは登録メンバーから攻めている

48時間前のメンバー発表。
ニュージーランドは23人とも準決勝と同じメンバで先発とリザーブを入れ替えたのみ。これまでの試合を見てもバランスの取れたベストメンバーだ。キャプテンのサム・ケイン選手も復活し良い仕上がりのチームに見える。
対して、南アフリカは途中合流したSOハンドレ・ポラード選手を初先発、今大会では出場時間が少ないSHファフ・デクラーク選手と前回大会優勝司令塔コンビとした。直近のプレー時間が少ないため、他の選手よりも体力的にも充実していると思われる。また、リザーブは8人中7人がFW。唯一のBKには天才的なユーティリティプレーヤーであるウィリー・ルルー選手を置いた。徹底的に守り抜き、司令塔と心中するというコーチ陣の覚悟が見えるメンバーだ。

雨はどちらに味方するのか

前日からの雨がつづくサン=ドニ、スタッド・ド・フランス。ボールも人も滑りやすく、一般的にはキック戦が予想された。ニュージーランド・南アフリカと9番以降のBKは全員が蹴り、ハイパント処理ができるメンバーだ。

両チームのナショナルアンセムにつづき、ニュージーランドのハカ「カパオ・パンゴ」で緊張が最高潮の中でキックオフとなった。

ノートライ4PGで優勝を決めた南アフリカ

ニュージーランドのキックオフで試合が始まった。
最初に試合が動いたのは得点ではなく反則だった。開始早々ニュージーランドのFLフリゼル選手が危険なプレーでイエローカードで10分間の退場となった。この反則でペナルティキック(PG)を得て南アフリカが先制した。その後両チームがPGで得点を追加し3-6とした。その後、前半29分にニュージーランドキャプテンのケイン選手が危険なプレーでレッドカード(退場)となり、以降ニュージーランドはキャプテン不在の14人での戦いとなった。この後もPGでの点の取り合いとなり、6-12で南アフリカがリードして折り返した。

後半早々、今度は南アフリカのキャプテンのコリシ選手がイエローカードで10分間の退場となり、一時14人x14人の戦いとなった。しかし、この好機にニュージーランドは得点を取ることができなかった。コリシ選手が戻った後半18分にニュージーランドは相手陣深くに入り左に展開、一番左で待っていたWTB手レア選手が南アフリカのタックルを4人交わしてラインブレイクすると、サポートのFBボーデン選手に渡し、この試合最初のトライが生まれた(これがこの試合最後のトライになった)。コンバージョンキックは決まらかったが、11-12の1点差まで追い上げた。最後まで果敢に攻め、50mで覚悟の厳しいPGにも挑戦したニュージーランドでしたが追いつかず。

11-12で南アフリカの勝利となった。

南アフリカは4度目の優勝となった。
過去3回の優勝のうち2回(1995、2007)もノートライで優勝している。南アフリカの決勝の戦い方を再現し他結果の優勝ともいえる。

14人でも1点差で戦い抜いたニュージーランド

ニュージーランドの敗因の1つとして避けて通ることができないのは、キャプテンであるFLサム・ケイン選手のレッドカードだろう。前半29分に南アフリカCTBクリエル選手への危険なタックルでイエローカードが出維持されたケイン選手は、その後のバンカーシステムによる検証でレッドカードとなり退場となった。史上初の決勝戦でのレッドカードとなった。
試合後にケイン選手はこう語っている。

「明らかに落胆しているし、失望している。仲間たちが実に50分以上の時間を、14人でプレーしなければならなかった状況に対してだ」

今大会前のルール改定により肩より上のタックルへの判定が厳しくなっており、これまでの大会以上にイエローカードやレッドカードが出ている。実際に今大会は決勝戦での史上初のレッドカード、イエローカード4枚は史上最多となった。

それに備えて各チームともそれに備え14人でプレーをする戦術も作ってきている。確かに「規律の乱れ」といえばその通りだが、それでも14人でパワフルな南アフリカをノートライに抑えたニュージーランドのディフェンスは誇らしい。
だからこそ、ニュージーランドサポーターとしては、ケイン選手が戻ってきていたら…15人だったら…と思わずにはいられなかっただろう。

全ての選手、スタッフ、関係者に感謝と敬意を

長かった51日間が幕を閉じた。
今大会をもって代表引退を表明している選手も多い。彼らの人生をかけて戦った日々に最大の感謝と敬意を。また、それを支えてくれたスタッフや関係したすべての方に感謝したい。

ありがとうございました。
Thank you very match.
Merci beaucoup.

もう4年後が楽しみで仕方がない

4年後はオーストラリア大会だ。
今大会でブレイクした若い選手たちが中堅に、そしてさらに若い世代が台頭してくるであろう次の大会が早くも楽しみだ。大会フォーマットも変わり、ますます楽しませてくれるに違いない。


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