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【観戦記】【神戸S】相手の執念に押し込まれ3連敗~第6節 神戸S vs. トヨタV

NTTジャパンラグビーリーグワン2022-23 DIVISION1
第6節からカンファレンス間の交流戦となった。コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)はトヨタヴェルブリッツ(トヨタV)と対戦し、21 - 38 でトヨタVが勝利し、神戸S今シーズン初の3連敗となった。

ジャパンラグビーリーグワン2022-23
DIVISION1 交流戦 第6節
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)
vs.
トヨタヴェルブリッツ(トヨタV)

日時:2023年1月28日(土) 14:30KO
会場:ユニバー記念競技場(兵庫県)

試合の見どころ

過去の成績、個々の選手の能力・実績よりは下位で苦戦しているイメージの両チーム。試合開始前時点の勝ち点差は4、トヨタVが勝利すれば勝ち点で同点、直接対決の勝利なので、順位はトヨタVが上になります。一方、神戸Sが勝利すれば順位はキープ、トヨタVは他チームの勝敗によっては順位を下げます。この試合はどちらも絶対に勝っておきたい必死になるカードです。

登録選手の注目は、「スプリングボクス、ゲームキャプテンで対決」です。
 神戸S:マルセル・クッツエー選手
 トヨタV:ピーターステフ・デュトイ選手

かつてはスーパーラグビーでも同じチーム(シャークス)でプレーをした二人、2022年夏のテストマッチでは南アフリカ代表のチームメイトとして戦っています。その二人が日本でキャプテンとして対決します。

会場の様子(楽しいイベント)

マッチスポンサーに神戸新聞社を迎えた「神戸新聞Day」となった今節も、KOBE"SMILE"PARK と称して来場者プレゼントやイベント、グッズ販売などが開催されました。

グッズ販売は今回も大盛況。私は、ホログラムシール欲しさにグッズ購入。シール3枚を入手しました(神戸Sさんの罠にまんまとはまってます(笑))。ショップや記念撮影以外にも『かなしきデブ猫ちゃん』のマルと会ったり、大畑大介商店の揚げ餃子を買って宣伝写真をいただいたりと、開始前から大忙しでした。

会場の様子(試合前、天候)

当日は最高気温5℃と寒く、天気予報通り晴のち曇。開場前は晴れ間が見えていたのですが天候が悪化、開始1時間前から雪が舞い始めました。試合のキックに大きく影響しそうな強風も吹き始めました。
しっかり写真でも見える大きさのボタン雪で、冷たさが体に染みます(この後すぐにカメラを撤収)。

試合展開

神戸S SO李選手のキックオフがいきなりダイレクトタッチとなり、中央でのスクラムがファーストプレーとなりました。雪と強風と相まって波乱が心配されるスタートです。

先制したのは神戸S、前半2分にCTBラファエレ選手がグラバーキックで相手のライン裏にボールを入れると、走りこんできたWTB山下選手が片手でキャッチしゴールに飛び込みました。コンバージョンキックも決まり7-0としました。
その後、トヨタが3PGで逆転しますが、前半18分、神戸Sは相手陣内深くのラインアウトからドライビングモールで押し込み追加点をあげます。
豊田の強いフィジカルからの攻撃を抑えた神戸Sは、前半は14-9とリードして終了しました。

後半は流れが一気にトヨタVに傾きます。
トヨタVがキックオフをマイボールとするとパスで展開、CTBのツイドラキ(兄)選手が神戸のディフェンスラインの隙間を縫うように前に出ると、並走してきたWTBツイドラキ(弟)選手がトライを決めます。神戸は前節と同じく後半の立ち上がりでノーホイッスルトライを決められる苦しい入りとなりました。
さらに攻撃を強めるトヨタVは、後半48分にはラインアウトからモールで神戸S陣内22mに入ると、HO彦坂選手が最後尾からボールを持ちだし中に切り込むと、SH福田選手が逆に走り込み外側へ展開、WTBナベテレヴ選手がハンドオフでディフェンスを倒しながらトライをねじ込みました。
さらに後半51分のトヨタV、今度は自陣でのラインアウトからのモールから相手のディフェンスの秋を見逃さなかったHO彦坂選手がモールからボールを出し相手のディフェンスを大きく突破、後方から俊足で追いついてきたSH福田に渡すとそのまま40m余りを独走してトライ。この後さらに追加点を挙げたトヨタVは、4連続トライで14-33と大きく逆転しました。
その後は一進一退の膠着状態が続く中、ペナルティが目立ち始める。トヨタVは3枚のイエローカード(シンビンで10分間の一時的退場)で最大3人を欠き、12人でプレーをすることになりました。

67分 ファルコン選手
(自立せずにプレーし相手のトライを妨害)
69分 西村選手
(相手の頭にコンタクトする危険なプレー)
73分 ルルー選手
(相手をパスを妨害する故意のノックオン)

神戸Sにとっては数的優位の状況となった70分、トヨタV陣内でアタックを続けていた神戸Sは、左端での展開からSO李選手がキックで右端で構えていたWTB山下選手にボールを渡すと、FLサウマキ選手で相手のディフェンスをずらし、山下選手の前が開いてトライを決めました。

その後、さらにルルー選手を欠いた12人のトヨタVの攻撃は”執念”でペナルティなしで20以上のフェーズを続け神戸陣内深くまで持ち込むと、試合終了間際にCTBからFLにコンバートしての初キャップとなるFLトゥポウ選手がトライを決めました。

結果は、 21-38でトヨタVが勝利しました。

後記(第6節を終えて)

トヨタVは連敗を4でストップさせ、神戸Sは3連敗となりました。
勝ち点同点かつ直接対決で勝利したトヨタVが、順位でも神戸Sを上回り、神戸は8位となりました。下位を見れば勝ち点1差で2チームが追いかけてきています。

この試合がおわって感じたのは、トヨタVの"執念"と呼びたくなるほどのこだわり、気迫でした。特に試合終了前の7分は20フェーズ以上を反則なしでボールを保持続けてトライに繋げました。あまりにボールがつながるので77分時点で復帰できるはずだったファルコン選手が戻ってこられないほどでした。
一方の神戸Sは、3人多いにもかかわらず、執念で攻め込むトヨタVを止めきれず後退しました。
この試合で神戸Sとの差があったとすると”執念”だったように思います。

苦しい。ファンも苦しいけど、選手やスタッフはもっと苦しいはず。観客が感じる以上に感じているはず。

神戸SでよかったことはWTB山下選手の上昇です。前後半で1トライずつ取りました。ボールが落ちるところに走りこんできて→無理な体制でもしなやかにボールを受け取り→トライラインまで疾走する という「山下選手らしい」トライを見せてくれました。
おもわず「らくへーーーーー!!」と叫びました。

また応援します。

第7節は ビジターゲーム vs. DB相模原

次週は2月5日にビジター・相模原ギオンスタジアム で三菱重工相模原ダイナボアーズ(相模原DB)と対戦します。DIVISION1に上がってきた今シーズンはBL東京やトヨタVを撃破するなど、台風の目となっています。強みは徹底したディフェンスと後半から攻撃ができるフィットネスです。
順位も相模原DBがリードしている状況で、今日の勝利で勢いづいた神戸Sが前半からスピードで圧倒すれば勝利が近くなってきます。

また相模原DBと言えば、CTBリトル選手が昨年まで所属しました。相模原の皆さんも凱旋を楽しみにしていることでしょう!

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