見出し画像

ラグビージャパン365ライヴ「リアルShota’s Check後藤翔太+君島良夫さん、勝つためのキックを語る!」

Webマガジン「ラグビージャパン365」で大人気の連載 Shota's Check 。新型コロナウイルス感染拡大防止の影響からストップしていたイベント開催が、約3年ぶりに開催された。
19:00からの1時間余りの予定が、盛り上がりに盛り上がって2時間を超えたトークライブとなった。

ゲスト & MC

主役は後藤翔太さん。早稲田大学→神戸製鋼でプレーをし、現在は株式会社識学に所属しマネジメント講師やスポーツコーチへの指導を行いつつ、早稲田大学ラグビー蹴球部スキルコーチを務める。後藤の魅力は「戦略を言語化すること」であり、そのためJスポーツやWOWOWでの詳細な戦略解説を織り込んだトークはファンが多い。

さらに話を深める特別ゲストとして、日本初のプロのラグビーキッキングコーチ(キック専門のコーチ)である君島良夫さんが登壇。同志社大学→NTTコミュニケーションズや日野でプレー。引退後はJapan Elite Kicking(JEK)を立ち上げ、小学生~日本のトッププレーヤーまで多くの選手にキックを指導している。

MCは、ラグビーを中心としたスポーツライターの大友信彦さん。ラグビーマガジンや東京中日スポーツの記事、コラムを担当される日本を代表するラグビーライターだ。

公式レポート

(Coming Soon)

個人的に気になったTopics、名言

相手陣内に入ったら早送り(君島さん)

キック専門コーチのラグビーの試合の見方に納得。自陣でのプレーを短くするために早くキックをして相手陣内にボールを入れるのが今のトレンドだそう。一方で相手陣内に入ればボールを保持し続けるためにキックは使わない。そのラグビーの流れがわかっているから、自分の注目ポイントに対してみるべきポイントが明確になる。

そもそもラグビーは得点が入らないようにできている(後藤さん)

ラグビーは「ラグビーフットボール」というように、ラグビーの起源はフットボールだ。フットボールの原型といわれる「モブフットボール」はと言われているはイギリスの村祭りで村同士(教区同志)で、人数無制限・豚の膀胱を膨らませたもの(ラグビーボールの原型)を相手領内の指定された場所に移動させるものだった。

簡単に相手のマーカーにボールを持っていくことができるのであれば、祭りはすぐに終わってしまう。そのため移動させるときのルールやプレーは「できるだけ長く祭りを楽しみたい」の意図で作られたそうだ。

ラグビーは「ボールを前にパスをしてはいけない」など得点がとりにくいルールなのはこういう背景か、と納得。

大切なのは得失点差ではなく「得点回数差」(後藤さん)

このイベントの名言を1つだけ上げるとすればこれだ。これに関連した名言と合わせて、心に刻んだ。

得点をするということは「次に相手に得点のチャンスを与える」ということ(後藤さん)

ラグビーはトライ+キック、またはドロップキックやペナルティキックなど点数を取れば、そのあとは中央からの相手ボールのキックオフで試合が再開する。相手がキックをしたボールはチェイスして相手がとれば相手の攻撃、自チームがとった場合も自陣内からボールを回すよりもキックで陣地を稼ぐことが多い。キックをする=相手がキャッチすれば相手の攻撃開始となる(こんな感じか?↓)。

つまり、得点を取ったら得点を取られるというシーソーゲームになる構造になっている。このシーソーゲームをブレイクしないと相手よりも多く点数が取れない=勝つことができない。そこで次の名言につながる。

試合に勝つかどうかは「相手のキックオフから得点を取るストーリーができているか」だ。(後藤さん)

ラグビーを見て考えればわかることなのに、言語化されるまえ気がつかなかった。

ロングキッカー不在のなかで山中亮平の存在は大きい(君島さん)

日本を代表するロングキッカーといえば、ラグビーワールドカップ2015™イングランド大会で日本の躍進を支えた、FB五郎丸選手。ルーティンで成功率を高めるゴールキックやペナルティーキックが話題になるが、試合の中で陣地を取るためのロングキックが勝利のカギとなった。

現在の日本代表は「上手いキッカーは多いが、パワーがあって長距離を蹴るロングキッカーがいない」とのこと。その中でロングキックを武器にするFB山中選手の存在は大きい。ロングキッカー不足なりの作戦はあるが、ロングキッカーがいれば攻撃のパターンが増える。今後の日本代表に選出されるメンバーをキック視点で見るのも楽しそうだ。

試合のメンバーでの注目するのは「左足キッカー」の有無(後藤さん、君島さん)

グラウンドの右側のタッチライン際を走っている場合は、相手は左から攻めてくるのでボールを右で持つし、キックも右足を使う。グラウンドの左側ならその反対で、左手でボールを持ち左足で蹴るのが効果的だ。

つまり、キッカーが右利きの選手ばかりなのか、左利きの選手がいて左足キッカーがいるのかで、チームの戦略・戦術が変わる。人数が少ない左足キッカーの重要性は岸岡選手もnoteで語っている。

世界的にも、さらには特に日本人は右利きが多い。もともと右利きであるだけでなく、幼少期から右利きに強制されるためだ。その中で左足キッカーは重宝される。例えばラグビーワールドカップ2019™日本大会では、WTB福岡選手が左足でキックする(両方でキックができる)。また現在でも日本代表に入っているFB山中選手も両足でキックをする。

1つ前のロングキッカーとあわせて、「キック視点でメンバーを見る」のは興味深い。


後藤翔太さん、君島良夫さん、大友信彦さん、ラグビージャパン365さん、ノーサイドクラブさん  ありがとうございました!

サポートは「#スポーツ止めるな2020」活動資金、その他ラグビー関係のクラウドファウンディングや寄付に充てます。「いいな」と思ったら、サポートをお願いいたします。