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【観戦記】【神戸S】最終節、勝利で締めくくれず ~ 第16節 vs.横浜E

最終節。
NTTジャパンラグビーリーグワン2022-23の長いリーグ戦もいよいよ終了を迎える。
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)の最終節である第16節の相手は、初戦の第1節と同じ横浜キヤノンイーグルス(横浜E)となった。終始リードされた神戸Sは、盛り返すことなく26-52で敗れた。

ジャパンラグビーリーグワン2022-23
DIVISION1 カンファレンスB 第16節
コベルコ神戸スティーラーズ(神戸S)
vs.
横浜キヤノンイーグルス(横浜E)

日時:2023年4月23日(日) 14:00KO
会場:東大阪市花園ラグビー場(大阪府)

(出典)コベルコ神戸スティーラーズ公式サイト

試合試合背景、メンバー

最終節の対戦相手は、横浜E。
数年で上位に上がる力をつけて上昇気流に乗ってきた横浜Eは、試合前日までに最終順位で4位を確定させ、プレーオフ進出を決めている強敵だ。今シーズンの初戦でも戦い30-39で敗れている。

それでも神戸Sは1つでも順位を上げるため、山下裕史選手の200キャップ(後述)を祝うため、勝利でシーズンを終わるため最後まで勝利を目指す。

両チームのメンバーは以下の通り。シーズン最終戦となれば負傷や脳震盪等の休息メンバーがいて両チームともベストとは言えないが、手を抜かないメンバーで相手に向かう。

神戸Sのこの試合の個人的注目は、No.8サウマキ選手。昨年まで横浜Eでプレーしたサウマキ選手が、神戸Sに移籍し古巣と対戦する。今シーズンは第5節から登場し10試合で5トライを挙げるトライゲッターであり、相手の突進をランとパワーの両方で止める強いタックラーでもある。
早いバックスの横浜Eをどう止めるか、楽しみだ。

横浜Eの注目はSHデクラーク選手。ラグビーワールドカップ2019™日本大会で南アフリカ優勝の立役者であり、「気が付いたらボールのそばにいる」選手。運動量の多さや小さいからだからは想像つかないような強いタックルを間近で見たい。

会場の様子

ここ3月後半から週末は雨が多かったが、最終節は天候に恵まれた。当日の東大阪は青空がまぶしい晴れ模様となった。

試合前には会場前の広場に選手が登場し、ファンとの交流も楽しんだ。
シカリング選手、背が高いーーーー!
また神戸S応援Youtuberやヤンブーさん巨大顔パネルの方など、神戸S有名ファンの皆様とも交流。

会場に入ると、北スタンドから南スタンドにやや強風が吹いているのを感じた。この風はどちらに味方するか。

初めて花園のメインスタンドでの観戦となった本試合。
神戸の復興のシンボルであり神戸製鋼所加古川製鉄所第三高炉で溶銑された鉄から作られたサラマンダーのチームエンブレム銘板を間近で見ることができた。

試合経過

神戸S SO李選手のキックで試合開始した。
開始3分、横浜Eが仕掛ける。神戸Sのハイパントをハーフウェイライン付近でキャッチした横浜Eは、CTB梶村選手がディフェンスラインを突破すると、WTB松井選手が快足で相手を離すとSHデクラーク選手が併走して、パスでSO李選手を躱すとWTB松井選手に戻してトライを決めた。
その後、CTB梶村選手、クリエル選手が追加トライを挙げ、0-19で神戸Sを大きく突き放す。
神戸Sのファーストトライは前半34分。相手ゴールラインまで10m程度の場所でラインアウトを得た神戸Sは、ラインアウトからモールを形成してそのまま押し込んでトライ決めた。
さらに両チームが1トライずつを上げて。12-26で横浜Eを追いかける点数で前半を終えた。

今シーズンは後半の立ち上がりに失点が弱い神戸S。今試合も祈りのような応援から始まる。届いたのか.… 後半4分、横浜E陣深くでCTB梶村選手がキックしたボールをWTB中選手をチャージする。そのままゴール内までボールを追いかけてボールを抑えてトライを取った。
横浜EにWTB松井選手の30m以上の独走トライ、ラインアウトモールトライで追加得点を与えた後半25分、神戸Sはカウンター攻撃からパスとランで展開、最後はSO李選手の背面パスからFB山中選手がトライを取った。
しかし、神戸Sの攻撃はここまで。R前川選手のレッドカード、LO張選手のイエローカードで人数が欠ける中で横浜Eの得点を許した。

80分が終わり、26-52のダブルスコアで敗退した。

(出典)リーグワン公式サイト


山下選手、前人未到の200キャップ!!

神戸SのPR山下裕史選手。社員選手として仕事とラグビーを両立する。朝クラブハウスでトレーニングをしてから職場に向かう課長だ。

 週末にある試合。職場の同僚は、スタジアムに応援に来てくれる。負けが続くと、月曜に仕事に行く足が重くなる。
「スティーラーズでやっているからには勝たないといけないんです。プライドというよりは責任。『勝ちました!』というニュースが新聞に載るようにしないといけないんです」

(出典)Yahoo!ニュース

日々のトレーニングで丈夫な体を維持し続けて15年、この試合で200キャップ(試合出場数)を達成した。平均すると1年で13試合出場している計算になる。さらに2016年チーフス、2018年サンウルブス(いずれもスーパーラグビー)に参戦、ラグビー日本代表キャップ51を加えれば、公式戦出場数は平均で年間15試合を超える。

そしてこの日、前人未到の200キャップに到達した。
試合後に200試合出場記念イベントが行われた。

後記(第16節を終えて)

シーズン最終戦のこの試合は、常に横浜Eにリードを取られ、神戸Sが追いかける試合展開となった。

その中でもWTB中選手のチャージからのトライ、FB山中選手のトライに至る展開ラグビーなど、随所で興奮するプレーも見られた。

一方で、この試合を通じて、気になったことは「神戸Sがタックルサイドライン外に押し出される」ことだった(メインスタンド中央で観戦したため、いつも以上に気になったのかもしれない)。
この試合ではこれが神戸Sの作戦なのか、作戦ではないが中央突破ができないと判断したのか… いずれにしろサイドラインに近いところで走り、横浜Eにタックルで押し出されるプレーが目立った。それによって相手にラインアウトを許し攻守が逆転、相手の攻撃を許す時間が増えた。
サイドを走るのが作戦でないとすると、横浜Eのディフェンスの強さを称賛するとともに、神戸Sにとって来年への課題だと感じた。

リーグ戦が終わって、最終順位は9位となった。
チーム史上最下位の9位だが、入替戦は回避した。この順位に満足するわけではないが一安心した。

(出典)リーグワン公式サイト

今シーズンもお疲れさまでした。
(シーズン総括は、別記事で)

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