ダイナミックプライシング

価格を動的に変えることにって需要をコントロールして収益を最大化するのがダイナミックプライシングだ.

これを陳腐化資産(ある時刻になると価値が0になる資産で,容量が決まっているもの;ホテルの部屋とか飛行機の座席とか)に適用したのが収益管理(RM)なのだが,勘違いしている会社の宣伝をみかけた.

RMを日本で普及させるのは諦めていたのだが,昨今ではコロナの影響かスポーツのチケットなどで使われているようだ.その会社の宣伝をみていたら,おそらく理論がよくわからないので,適当に価格を調整しているようだ.

キャンセル可能な場合のRMの場合には価格は時間に対して非減少にしなければならない.途中で下げるのは論外なのだが,この会社では需要が少ないときには下げるらしい.キャンセルができない場合には,価格を下げることもできる.通常は,手数料を差し引いて返金するようだが,価格の大幅な下落は,キャンセルして買い直す戦略が可能になる.

昔,ANAホテルが突然割引というのをやっていて笑ったのだが,これだとちゃんと(一級.comとかで)予約をした人が,下がった途端にキャンセルして安い部屋をとりなおすことになる.

最初は安く徐々にあげるのがRMの基本だ.一方,ダイナミックプライシングは容量を増やすことが可能(たとえば在庫を再発注して)なので,より複雑になる.これは消費者の心理まで考慮した精密なモデルが必要だが,まだRMほどには成熟していない.オンライン販売なら可能性があるが,小売とかに適用はまだ難しいかもしれない.

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