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予測と在庫管理の融合

従来の需要予測の研究と在庫管理の研究は別々に行われてきた. 予測では,非定常な需要を仮定し,在庫管理では定常な分布を仮定する場合が多い. これらの2つの(おそらくサプライ・チェインに対して最も重要かつ最も多くの研究が行われてきた)モデルを構築することは,永年の研究者たちの夢であったが,いまだに実務的で納得するものは出ていない.

従来の研究の多くは,以下の2つに分類される.

1. 綺麗な解析ができるような(実務的にはかなり特殊な)仮定の元での理論研究
2. 実際の問題をなんとか解決するための(理論的な背景はほとんど考慮されていない)ヒューリスティクス

以下では,理論的にもある程度きちんとした枠組みで,かつ実際問題を解決可能な方法について考えた.方針は以下の通り.

1. 予測を行い誤差の分布を適当な分布で近似する.

2. リード時間分の予測需要の合計と分布に基づく安全在庫の和が変動型の基在庫レベルになる.

3. 需要が負にならないようにスライドして,基在庫レベル最適化を行い,安全在庫量の最適化を行う.

4. 安全在庫と需要予測に基づく確定在庫を合わせることによって,動的な基在庫レベルを導く.

詳細は以下にまとめておく.



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