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GUIの功罪

国内の大手メーカーたちがDLをGUIでできるツールを開発している.Pythonが分からない人たちでもDLができるという触れ込みだが,例題をさわって雰囲気を学習するには良い.あちこちのブログで宣伝(?)されているので,眺めてみると,DLの基礎も分かっていない人たちが,とりあえず動かしてみたと言って絶賛しているものが多い.

訓練の様子がグラフ化されるので,すぐに分かると思うのだが,ほとんどが過剰適合(overfit)している.つまり,訓練データの誤差は減少する一方で,検証データに対する誤差がどんどん増大していくのだ.これを解消する工夫を入れないので,(たとえば)cifar10に対する精度が60%程度とか,あり得ない値を出している.

ドロップアウトやバッチ正規化や転移学習を入れても60%しか出ていないところをみると,プログラムにバグがあるのだろうか?GUIだけで操作していると,中身がおかしい場合に何もできない.PyTorchのサンプルにもバグがある場合もあるが,ソースがあるので自分で直すことができるが,GUI付きの場合には開発元に依頼するしかない.

Pythonを勉強するのが大変だといって,こういう方向に行くのは正しい道ではないような気がする.

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