AIの民主化

欧米と日本の対比をすると,友人の偉い先生(Y先生)に怒られそうだが,AI(というか深層学習)については心配なのでコメントしておく.

海外(主にアメリカ)では,DLは民主化が進んでいる.fastaiをはじめとして,講義は無料で公開され,ソフトウェアも基本はオープンソースで,最新の論文も結果を実験的にすぐに確認できるようになっている.しかも,それが博士をもっている専門家でなくても,誰でも簡単にできるようにというのが最近の流れだ.数年前の最新の研究は,今では誰でもすぐに使うことができるようになっている.

日本ではベンチャーの雄が頑張っているが,老舗の幾つかの会社では,DLにGUIを追加して誰でも使えると称して,サービス展開を始めている.他には数年前にKaggleで活躍した(いまでは多少古くなった技術)にGUIをつけたものが結構な価格で売れている.

日本で最新技術に疎い人たちは,簡単なGUIで最新の(?)ものが簡単に(マウスだけで)できるというデモに騙されやすい.Pythonで数行のコードを書いた方がよほど柔軟性があると思うのだが,見た目で騙される人が多いようだ.

今度も,英語ができない古い人たちが中心の日本の企業が,世界から大きく取り残され,誰でも簡単に使える技術に大枚をはたき続けるとなると,これは問題だ.情報は日本も欧米もほぼ同じでリアルタイムで入るのだが,日本では企業(大学も同じ)の若手の人たちに発言権が少ないということが,問題点なのだろう.



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?