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普段着としての着物

明治生まれの曽祖母の普段着は着物でした。
仏壇に飾られた遺影は白黒写真ではありますが紋付の着物をシャンと着こなし、お洒落な帯留めもしています。
どこかへ出かける時だけでなく、庭で草引きをするときも、ひ孫の私たちを連れて散歩にいくときも着物だった曾祖母の姿を覚えています。

明治から大正、昭和と日本人の生活様式はものすごいスピードで変わっていき、いつの間にか着物は特別なときに着るモノとなりました。
私のまわりでも着付けができる人は少ないです。100年ほど前に毎日着ていた着物の着方が分からない…習わないと着れない。

着物の魅力をより多くの人に知ってもらい、より多くの人に着てもらいたい、という呉服店としての使命感は感じつつ、
着物を日常着として受け入れるのは、もはや難しいのかも。
着物を着てお出かけ、という特別感を楽しんでもらう方が近道なのかな。

一日も早くコロナが終息し、お気に入りの着物を着てお出かけできる日を楽しみに。

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