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稀有な存在だったギャラリーカフェ

毎月、大阪と横浜を遠隔収録しているPodcast。お相手は、横浜在住のプロのライター丘村奈央子さん。

毎回、お互いにお題を出し合ってテーマに沿ってお話しているのですが、今月の丘村さんからのお題が、「好きな美術館/博物館」でした。

Podcast内でも話していますが、林は”美術館”という言葉に昔は抵抗があり、近寄りがたい場所でありました。映画館は行くことがあっても、

「週末は美術館に行っています。」

って、なかなか自分に合わないな、なんていうどうでもいいこだわりでした。

”美しい(技?)術の館(やかた)”

完全に偏見ですね。そんなこともあってなかなか二十歳を過ぎた大人になってからも、行く機会のなかった美術館。ふとしたきっかけで、行くようになります。それが、馴染みの美容室オーナーが突然開いたギャラリーカフェでした。2010年の12月だったと思います。

2011年1月末にはオープニングイベントで演奏もしました。(1−5まであります)

水墨画ライブペインティングを行うCHONTOさんとのコラボレーション。

CHONTOさんと会うのは、当日が「初めまして!」で、本当にぶっつけ本番でしたが、こちらである程度のストーリーを想定した楽曲を並べてノンストップの40分演奏&ライブペインティングでした。

そんなご縁もあって、その後もフラリと通うようになったのですが、よく分からないなりにも、たくさんの展示やイベントを観ていると徐々に知識も興味も増えてきます。フラリと通うことができたのは、ギャラリーカフェなので、

日本茶(奈良・福岡・佐賀)
中国茶
紅茶
珈琲
季節のケーキ
ビール

多種多様なフード&ドリンクメニューが、リーズナブルな価格で楽しめるので、ちょっと涼みにであったり、ちょっと温まりに…などの使い方ができました。

【美術館≠絵画】

冒頭の話に戻りますが、美術館には絵画しか飾られていないという思い込みがありました。ところが、色々な催しをしているんですね。で、その中に、陶磁器もありました。器です。ご飯を食べるときに、盛り付けに使う器。そんな器に興味を持ち始めた初心者にうってつけの場所が、なんと大阪市内のど真ん中にあります。

2023年秋まで館内リニューアル工事のため休館中。整ったらまた行きたい。

という流れのわりに、コラボ1話では、博物館をキーワードに昔神田にあった交通博物館の話をしています。

2話では、美術館への道中の話。だいたいが日帰りなのですが、旅?っていうぐらいのレベルで遠いところも行きました。大阪を離れて、滋賀、京都、兵庫県の姫路。収録ではピックアップしなかったのですが、もっとも遠くて、それでいて最も好きな場所は、三重県のこちらです。

川喜田半泥子さんの自伝も読みました。この方の生きた時代や、その生き様も作品も作風も、「美術館???」となっていた自分を払拭するような、とてつもなくエネルギーのある方だと勝手に思っています。この方のように美術品を楽しんでもいいんだ!と開眼できたのは、本当によかったなぁ。

【ショーケースの向こう側】

美術館でいつも思うことは、”ショーケースの向こう側に飾られた瞬間に変わる価値”についてです。どうみてもゴミ,,,(失礼!)みたいなものでも、あちら側にいくと、手を触れることができなくなります。

いつ、だれが、どう価値を見出してショーケースの向こう側に置こう!と決めたのか? いま自分自身の自宅にあるゴミのようなものも、数年、数十年後にはショーケースの向こう側に行くものかもしれません。メルカリに出せば、誰かが高額で買うものもあるかもしれません。

美術品や、工芸品は、始めから高貴な方へ献上する目的で生まれたものもあるでしょうが、僕が好きになって美術館で多数見たものは、生活の匂いのするものばかりでした。

東京の日本民藝館。行きました。建築物を楽しむ目的でも一見の価値大アリです。

万博公園北側にあります。こちらも何度も行きました。建物物を楽しむ!という要素は薄いですが、とても見やすく広々した空間です。Podcastでも触れています。

コラボ3では、ミュージアムショップで物販を買うかどうかの話。1,2度は買いました。でも、それぐらい。目で見て印象を持ち帰りたい派。

JR京都駅直結の美術館「えき」KYOTOで黒田辰秋展は、図録を買いました。これは買わねば。

でも、それぞれの作品のサイズ感が図録からは絶対分からないので、やっぱり滅多なことでは買わないです。

そんな風に、なぜ林が器に傾倒したのかを、丘村奈央子さんの絶妙な質問で、気持ちよく喋りまくっているのが、こちらです。

30分ぐらいあります。長いので、お暇があるときにどうぞ。

【稀有な存在だったギャラリーカフェ】

現在は閉業しています。
けれど、上記の #361で話しながら感じたことは、

当たり前のようだけれど、そうではなかった

ということです。同じような場所を探せばあるのかもしれません。けれど、自分の生活圏内にこちらのお店があり、スタッフの方ともとても仲良くさせていただき、様々な視点や見識を広げられた時期があったことは、自分の人生の時間に彩りをそえてもらった時間だと思います。

裏を返すと、あの時間がなかったとすると、物を見る目、感じる心は、今とは違ったものになっていると思います。(よくない方の意味で)

Podcastのコラボ収録という形で、たまたま”美術館/博物館”についてお話をする機会をいただき、長い時間を経て価値の再確認ができた有意義な時間となりました。

思い出す機会を与えてくれた丘村さんと、あの頃お世話になった皆さんに感謝いたします。本当にありがとうございました。

音楽イベントもやりましたね
一杯のお水も美しい


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