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#翻訳 Frame Awards2020開催前のパネルディスカッション

空間デザインのメディア、Frame Webの開催するアワードに際してのパネルディスカッションが、普段読むビジネスよりの記事と視点が少し違って面白かった。

デザイン業界でもインスタグラムが脅威とされていて、もうずいぶん前から単なるSNSじゃなかったんだな、と少し時代に取り残された気分にも。

原文:
For awards, Instagram is really dangerous: it’s the design world cannibalising itself

アワードにとって、インスタグラムは本当に危険だ:デザイン界で共食いを起こしている

2020年のFrame Awardsが現在開催中だ。私たちは想像上のリボンを今年のクラーケンウェル・デザインウィークでカットし、アンドリュー・ワールドのショールームでキックオフを行った。パネルディスカッションで、デザインアワードの妥当性について議論したのである。

登壇メンバーは、インテリアデザイン業界の、自身を食べては吐きというやり方に疑問を持っていた。そしてその主犯人はインスタグラムとピンタレストだと指摘した。この潮流に逆らうにはどうしたらよいのか?そして、デザイン・アワードは逆らえるのだろうか?(さからえないのか?)

登壇者―Checkland KindlesidesのJeff Kindleysides、YourStudioのHowars Sullivan、Andreu WorldのJose Palau―は彼らの懸念点をFrame'sのディレクター、Robert Thiemannに詳細に語った。
そして、彼らの気兼ねしている点とFrame Awardsの選考プロセスを対比し、私たちはこれまで以上に堂々と安心して、Frame Awardsは解決策の一端を担っていると言えることが分かった。

インスピレーションの源としてのソーシャルメディアについて

Howard Sullivan:空間体験の中に、いわゆるインスタグラムモーメントと呼ばれるものが逆流してきている。そしてインスタグラムは本当に危険だ。なぜなら、世界が共食いしているようなものだから。実際、私ならインスタグラムとピンテレストの画像をインテリアのプロジェクトで使うのを避けると思う。それは、コンセプトのイメージを喚起することに使えるが、ムードボードののように使うべきではない。インテリアデザインは、ただ見た目に関するものであるべきではない。インテリアデザインは、あなたが訪れた旅や、足を運んだ展示会や、目を通し書物に関する世界についてあるべきなのだ。

Jose Palau:私たちはインスタグラムをアンドリュー・ワールドで一緒に働くであろうデザイナー探しには利用しない。どういうことかというと、あなたは、インスタグラムを通じてすべてを見たという気持ちになった後なので、ミラノデザインウィークにすら行く必要がないと考えているかもしれない。しかし、実際はそんなわけはない。プロ及び若手の要素は想像を超えたものであることを考慮して、デザイナーの作品を全然違う方法で深く研究する。

聴衆:あなたがデザイナーをインスタグラムでフォローしているとする。すると、詳細を知るために彼らのプロフィールをクリックしたら、システムはそのほかの関連するアカウントをお勧めするだろう。これは、アルゴリズムがあなたを計算する方法によって、あなたが限定されていると言る。時おり、あなたたちはそういった便利さに翻弄されている。あなたはすでに多くのものを見すぎてしまったことを考えるべきだし、もしそんなことないと言えるのであれば、あなたは本当に偏見のない人だ。

この点を、Frame Awards2020ではどう実現しているか
ライブ審査セッションは、私たちの選考プロセスのカギとなる構成だ。私たちはカテゴリーごとに5名の候補者を招待し、審査員の前でプレゼンしてもらう。質疑応答のプロセスでは、いつも目を見張るインサイトが発見される。私たちは、各プロジェクトの機能的な、物語的な、感情的な、素材的な観点の美を見つけるため、視野を広げていく。

しかし、現在のプレゼンテーションのプロセスに至るまでには大きな変化があった。ライブ審査セッションに半日ささげる代わりに、各プレゼンテーターに演壇で5分与え、それは1日に拡大され、プロジェクトの詳細を語るために15分になった。

そのため、初日の最後に行われるセレモニーは、2日目の夕方に移動される予定だ―もちろん華々しく終わらせるだろう。

審査員の多様性の重要さについて

Jeff Kindleysiedes:空間デザインとは、空間の美についてのみデザインしているのではなく、機能性にまつわるすべてについてもデザインしている。
"何が見た目がいいか"の代わりにその点も審査されている。だから審査員の構成がクリティカルなのだ。掛け合わされたクライアント、戦略家、デザイナーが必要である―ただ同じような人ではなく。

Jose Palau:2001年以降、Andrue Worldは若い人材を見るためデザインコンペを実施してきた。そして過去、ごくわずかなものだけが、我々が審査員として招こうと決断した。彼らが批判的で、思考が染まっていなくて、何がいいダイニングチェアを作るかという思考プロセスについての会話で多くをもたらしてくれるさまは目を見張るものがある。

この点を、Frame Awards2020ではどう実現しているか
私達は、意味があり、インパクトがある空間はビジョナリーなクライアントと才能のあるデザイナーと、最高の製造者のみが出せる結果だと信じている。なので、初期のころからこの3つの分野を審査員の中に含めてきた。昨年私たちはほぼ均衡のとれたジェンダーと、幅広い地域からなる審査員を構成することに成功した。この問題については引き続き改善していく。

一方で、私たちはエンドユーザーや、空間デザインとの関連が増しつつある、AR, VR, 生命デザインなどの業界の専門家を審査員に加えることも考えている。

賞は大事?

Jeff Kindleysiedes:私たちは創業40年。賞に興味がないというクライアントもいる。賞に申し込むときは、スタッフへのご褒美として、彼らの仕事を認めるために申し込んでいる。肩書は認知をうみ、人々が私たちのチームにジョインするきっかけも作る。それに、勝つことを楽しんでいないかと言ったら嘘になる。

Howard Sullivan:賞は実績を作る―それは未来の仕事のいいモチベーターになる。私は以前Frame Awardsの受賞者なのでそう言えるが、インテリアデザインのようなクリエイティブなフィールドで、他にこんなにたくさんのプロフェッショナルが一堂に会する会合は他にない。私たちは創業10年だが、Frameが最初に受賞した賞で、受賞は大きな変化を作った。人々が私達を認知し、"受賞歴あり"はちょっとしたステータスとなった。

この点を、Frame Awards2020ではどう実現しているか
私たちはYoung Design StudioにおけるFrameの効果について、評判に値する、プロフェッショナルな結果を見てきた。したがって、私たちは引き続き小規模居住地や、小規模オフィスといったサブカテゴリーを含めるだろう。それは、限られた予算(と無限の工夫)の作品を、拡散します。イノベーションに、サイズや、年齢や、国は関係ない―わたしたちはただそばにいるだけだ。

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拙い翻訳ですが、最後までお読みいただきありがとうございました。
英語の勉強がてら、個人的に面白いと思った英語記事の和訳を書いています。
(ビジネス系の記事、海外スタートアップの記事が多めです。)
こちらのマガジンにまとまっているので、興味があればのぞいてみてください。
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