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【エッセイ】化学物質過敏症日記④

晴れた日に洗濯物を干すのが好きだった。
カラリと乾いて少々お日様の名残のような温かさが残る袖に手を通すのは、気持ちがいい。

でももう、「だった」の過去形になってしまった。
外に干した服に、他所の家から流れてくる柔軟剤臭がついてしまうのだ。

まさか他所のものがついてしまうなんて思っていなかった頃、流れてくる柔軟剤臭は干す間だけ息を止め止めなんとかやり過ごしていた。
ところがある日、とんでもない量の臭いが流れ込んで来ていたらしい。
夕方、洗濯物を取り込むと、自分が柔軟剤を使ったのではないかと思うくらいの香料臭がついてしまっていた。
そんな服はもう着ることができない。
乾いた服を洗い直し。

その日からうちの洗濯物は室内干しとなった。
洗濯物部屋を作れるほど部屋は余っていない。
仕方なし、カーテンレールにぶら下げる。
みっともないけど仕方ない。
背に腹は変えられないってやつ。

窓を開ければ柔軟剤とベランダタバコの臭いが流れ込んでくる。
窓も閉めっぱなし。

健康を守るために、なんとも不健康な暮らしを送っている次第。

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