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サブスク、あるいは○○放題の心理

心理学では既に議論されていることかも知れませんが、いわゆる「○○し放題」の状態というのは、一見優れているように見えて、ストレスになりがちだと気づきました。コンテンツを増やすことに集中するより、自分が本当に好きなことに集中する方が、幸せな気分になれるものです。

サブスクや YouTube がとても便利です。
特に YouTube のチャンネルは、ためになったり、テレビ以上に面白い番組があって、今年はハマりました。エンジニアの私には、アプリ開発や、ゲームエンジンの解説の動画、仕事で迷った時はメンタルをサポートする占いが、とても役に立ちます。動画配信者に感謝します。

子供の頃に満足に観れなかったアニメをじっくり鑑賞したり、007シリーズを第1作から追いかけたり。

ところが昔のわだかまりが無くなったというのに、不思議なことに、何かを観たいという欲求は消えません。
「せっかくお金を払ってるんだから(観たい放題なんだから)何かを観なくちゃ!」というワケです。

たとえば「動画見放題」のサービスに入ったそもそものきっかけは、昔見たかった番組を観てみたい、というものでしたが、最近は「もったいないから見てみたい」に変わりました。こうなると、時間にひたすら急かされているようなものです。気持ちはちっとも休まりません。他の人が体験しているようなものを見過ごしているのではないか、損はしていまいか、それこそ今の時間は無駄ではないか、と。

ふと、昔はテレビを消して、ひたすら本を読んでいたなと思い返し、ディスプレイをつけたり、サブスクのサービスにログインすることなく、久しぶりに本当に好きな本を本棚から取り出してみました。
すると、腰をすえて、じっくり読み返すことができました。
心から好きなものがあればそれでいいじゃないかと思いました。

映画もアニメも音楽も、「○○し放題」は便利だけれど、時間に追われて、軽い読み物、手軽な動画ばかりを鑑賞するようになったら要注意です。
本当は「本物」を味わいたいのに、時間がないからと、とにかく手を広げようとしているのなら…感情の負のループに入って、出てこられなくなること請け合いです。

もちろん、映画は大好きだし、007シリーズもまだ第16作にかかったばかり。いずれはまた戻ってくると思いますが、自分が本気で没頭できること(他人の評価を気にせずに)にちょっととりかかろうと思います。
新しいものを見つけるのは脳に良い刺激になりますが、心を落ち着かせて自分自身と向き合えるのは、きっと昔からずっと好きだったこと、だけでしょうから。



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