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Margo-物語と糸- #23 |いとへんuniverseの西陣絣を染める 3

いとへんuniverseの布にちなんだシリーズ、4色目は「ayagiri」です。
灰白、黄緑、青紫の3色を大きくずらした西陣絣を、糸にしています。布に使用した玉糸のネップをイメージしてツブツブも入れました。

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大きな絣がチャームポイント

「ayagiri」は、クラウドファンディングでご支援をいただいたいとへんuniverseが、機械織りで制作した布です。

西陣絣職人の郁ちゃんがタテ糸を大胆にずらして作り出した、色の切り替わり部分のギザギザした絣がチャームポイント。

灰白、黄緑、青紫の配色はわたしが提案させてもらい、皆の同意を得て実現しました。ヨコ糸にグレイッシュな糸を使ったのでモダンで大人っぽい仕上がりになりました。

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このストールはヨコ糸にネップのある「玉糸」というシルク糸を使っています。玉糸は一つに蚕が二匹入ってしまった繭で、昔は品質のよくない糸とされており、普段着の紬に使用されてきました。
近年日本では繭づくりの品質があがって玉糸は発生せず、海外からわざわざ輸入していたのですが、リーダーが長野県岡谷の宮坂製糸場と共同で国産玉糸を復刻させました。宮坂製糸場のベテラン繰り手さんが手でひいてくれた貴重品です。

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みんなで取り組んだ「フシこき」
玉糸のネップは織るとツブツブになり織り上がったときの味になるのですが、あまりに多いと不良品ぽくなってしまいます。多からず少なからず、ちょうど良い感じに布にネップが入らねばなりません。

そこで、メンバー全員で「枠に糸を巻きながら、長すぎるネップはカットして糸を結び直す」という「フシこき」をしました。リーダーいわく「こうすると布に命が宿るんや」とのこと。

めっちゃ手間やん、面倒くさそう、と思われるかもしれませんが、糸を触ってるだけで癒されるので、楽しい作業でした。

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それにしても人の手でひいたシルクを、さらにフシこきしてから織るなんて、なんて手間暇のかかった布でしょうか。
それだけに「ayagiri」はなんともいえない魅力をたたえており、老若男女問わず、大人気の布となりました。

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